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リアルフレンド、ゲームの世界へ。その8

サブタイのサブタイ

か弱いユミナちゃん?? バーサス 数万一般ゾンビ&ランス使いのゾンビ


次話更新木曜19時くらいです!

 星霜(せいそう)の女王専用魔法、【輝を射抜け、(アストロアーツ)真なる青よ(・クエーサー)】。


 唯一の魔法攻撃となっている。正体はシンプル。高出力の光魔法と蒼い炎魔法が交わり同時に発射されるのが【輝を射抜け、(アストロアーツ)真なる青よ(・クエーサー)】だ。


 私は魔法融合(フュージョン)を持っているから複合魔法だろうと考えた。実際、星刻の錫杖の前の持ち主でもあるNPCクラス(ラキ)も断言していた。


 支配されていた残りの星霊を救出後、私の星刻の錫杖に備わっている星霜(せいそう)の女王専用スキル及び魔法は全て解放された。前任者としての立場からクラス(ラキ)には私の先生として検証に付き合ってくれた。


 炎を蒼くする。


 口で言うのは簡単だけど、実際に操ると話は変わってくる。蒼い炎をイメージしてもどうしても真っ赤&オレンジ色の炎に引っ張られてしまう。運良く蒼い炎が魔法として機能しても、赤い炎よりも高温。数え切れない灼熱地獄を味わったことか......思い出すだけど、頭が痛くなるよ。


 で光魔法も強力にしないといけない。どっちかが弱ければ、それだけ【輝を射抜け、(アストロアーツ)真なる青よ(・クエーサー)】の威力も減少してしまう。イメージは太陽よりも明るい光。これもね......数え切れない死に方をしたよ。至近距離から照射したから光魔法で全身燃えたし、アホみたいな明るさに目が失明して死亡したり......以下略。


 本当に酷い目に遭ったおかげ? でなんとか【輝を射抜け、(アストロアーツ)真なる青よ(・クエーサー)】を使いこなせれるようになったわ。






 ゾンビ軍団が散っていく。


 うー・・・・・・・・・・・・ん。他人からはどう見えてるんだろう。私は別々であらゆる死を経験している。私が考えたのは宇宙一明るい光で視界が遮られ、その隙に高出力の蒼い炎が敵を貫き内部から燃やす。一応ただの光魔法じゃないぞ、と放った魔法の中央にうっすら蒼い炎の点が見える親切設計も組み込んである。目を凝らした時点で相手の眼は死ぬけど。


 散っていったゾンビさん達を弔う素振りを一切見せないゾンビ。今尚トンネルの奥から迫ってくるゾンビ軍団。


「うゲェ、キモッ!!?」


 地上は既にゾンビに支配されている。皆、()にいる私へうめき声と手を挙げている。スポーツの優勝パレードの様に見えるけど、生憎ご声援を頂いてもファンサービスしないし、どうせ応援されるなら女性がいい。か弱い女の子一人に数万人を超える男共とか、事案すぎる......R18の媒体でも見ないか。


 宙に浮いている白い道を走る私。向かうはトンネルの奥。全てを相手するのはあまりに無謀。元を断つしかこの現状を打破できない。


「残念〜!!」


 われ先にジャンプしたゾンビ。でも白い道に触れる事は出来ず、逢えなく落下。


「『新時代の万有引力(ミルキーウェイ)』。私だけの(みち)よ」


 地上は既に腐った死体のごったがえし。安全地帯はもうない。でも、奥に行かないといけない。では、どうする。


 道がないなら道を作ろう。星霜(せいそう)の女王専用スキル、『新時代の万有引力(ミルキーウェイ)』の効果はスキル起動中、宙に白々とした道が生成。生成した道を普通に歩くこともでき、逆さまで歩行も可能。生成される道の長さはスキル起動中、無制限に伸びる。また一本道だけではなく、張り巡らされた複雑な道も生成できる。クラス(ラキ)先生曰く、宇宙に存在する星々が一本の道を形成し星霊を正しい方向へ導く、とされているとか。説明を聞いて、どう見ても”天の川”だよなと頭によぎったけど、生成される道の種類が膨大で、”ハイウェイ”の方が私はしっくりくる。


新時代の万有引力(ミルキーウェイ)』で生成された道は起動者は勿論、許可した者も『新時代の万有引力(ミルキーウェイ)』の道を歩ける効果が存在する。許可していない者は歩くことはできない。


「ヤバい、ヤバい......『簡易の(インスタント)偽月(フルムーン)』」


 擬似月を誕生させた。月からの放たれたエネルギーは一直線に星刻の錫杖へ。


 星霜(せいそう)の女王専用スキル&魔法はどれも強力。しかしデメリットも存在する。

 一つは必ず星刻の錫杖を装備しないと発動しない点。もう一つは特殊エネルギーでもある《EM》を消費する点だ。

 魔法はMPを消費する代わりに《EM》を消費して発動。

 スキルはリキャストタイムはない代わりに《EM》を消費して起動できる。


 《EM》を全回復してすぐに『新時代の万有引力(ミルキーウェイ)』を起動。トンネルの奥へ光速で移動。


「............まだ追ってくるわね」


 トンネルの壁を走る甲冑。巨大な盾と長く太い円錐形ランスを持つ甲冑ゾンビはしつこかった。

 私の脳天目掛けて突き技を繰り出す。私が床を踏む瞬間を狙う行動。甲冑型ゾンビは考えて攻撃している。地面で天を仰ぐ雑魚ゾンビとは一線を画している。いやらしいのは、魔法での攻撃をしても必ず巨大な盾に憚れる。

 巨大なタワーシールドは全くの無傷。恐らく魔法吸収か魔法無効の特性が備わっている盾。

 超至近距離なら盾を構える前に倒せると『新時代の万有引力(ミルキーウェイ)』で甲冑型ゾンビへ続く道を生成しても、距離を離される。

 ランスの射程距離にまで詰め、連続突き攻撃。


輝を射抜け、(アストロアーツ)真なる青よ(・クエーサー)】の対策も完璧だった。甲冑型ゾンビに照準を合わせても、露骨に地面へ逃げる。射抜かれたのは地面にいる無数のゾンビ。同族を肉壁にして後ろから隙を突く。


「くっ!!」


 背中に配備していた星王の創造(ステラ)が凍り粉砕される。『新時代の万有引力(ミルキーウェイ)』の道をすり抜け地面へ落ちていく液体金属だった固形物達。これで、星王の創造(ステラ)の残量は【75/100】。

 私の四肢を奪う事は不可能だと判断したのか、オプションパーツに目をつけ破壊まで成し遂げた。

 にしても、甲冑型ゾンビのランス。先端が氷で覆われている。加えて触れた物を凍らす能力もある。

 氷結付与があるのか。なるほど、ね。【輝を射抜け、(アストロアーツ)真なる青よ(・クエーサー)】を警戒するのもうなづける。氷と炎は相性最悪だから......


 情報は揃ってきた。

 敵が厄介な行動をするなら、選択肢を奪うだけ。


 甲冑型ゾンビの足下の土が爆ぜる。ランスの突撃。


「【無限と夢幻(ブラックホール)】」


無限と夢幻(ブラックホール)】で出現した黒色の大きな渦へ入る。


 外から見れば真っ黒の穴。吸い込まれれば、永遠に元の場所に戻れない雰囲気があった。

 私が発動した魔法、【無限と夢幻(ブラックホール)】も同じと考えていた。


「え—............っと。あった!」


無限と夢幻(ブラックホール)】が生み出した黒い渦。発動者が中に入れる真っ白の空間が広がっていた。

 無機質で何もない空間ではない。【無限と夢幻(ブラックホール)】空間には発動者が会得したスキル・魔法が四角のキューブとして浮いている。それだけではなく、私が装備した武器・防具・装飾品(アクセサリー)が前後10分の状態で空間内を漂っている。


 目的のスキルを回収。同時にスキル欄の表示も変更された。


「リキャストタイムを待たずに使用できるのは......ヤバい」


 スキルを手に取れば、使用前のスキルをリキャストタイムを待たずに即時使用できる。魔法を手に取った時、消費したMPが変動する。『前』なら回復し、『後』なら回復するのか減少するかはプレイヤーの行動で左右される。


 デメリットがあるとすれば、毎回星刻の錫杖(アストロ・ワンド)を装備しないといけない。後は《EM》は他のスキルと魔法と共有されている。《EM》残量の把握は必須。



「お待たせ! からのーッ!!」


無限と夢幻(ブラックホール)】を出てからの跳躍。装備を変更。


「【地母神(イザナミ)】」


 賊藍御前(ティア・マ・タル)を真下へ。


 三叉は地面に刺さる。先端から発生していく黒。黒は漆黒へ変わり地面を染める。ドロドロをした漆黒は大量のゾンビを呑み込む。足掻く者もいるが却って呑みこまれる時間が早まっていく。


 槍スキル、【地母神(イザナミ)】。槍系統の武器を地面に刺すことで発動。MPの消費量に応じて漆黒沼の範囲が広がる。漆黒の沼に触れた敵は吸い込まれ、深淵の中で生命が奪われる。


大地理(ガイア)】を起動。足場を生成。


「一瞬にして肉壁がいなくなった気分はどう?」


 トンネルの壁にいた甲冑型のゾンビ。ランスの先端を壁に突き刺し難を逃れたか......


 危機感を覚え壁を蹴り、私へ突撃してくる甲冑型ゾンビ。


「焦っちゃダメ」


 盾を構え、最大の氷結をランスに纏い放つ。


 鋭き穿つランスを躱わす。

 魔術本を開き使い魔を召喚。同時に婥約水月剣(プルウィア・カリバー)を装備。


「キューちゃん! 行くよッ!」


  譲渡変化(ギフト)を唱え、妖狐九尾の使い魔は鮮やかな青色の双剣に吸収される。


「私に近づくと火傷するわよ」


 背中が無防備の甲冑型ゾンビへ距離を縮める。

 海女神(テティス)AGI(敏捷)DEX(きようさ)を参照して連撃数が増える双剣スキル。


 甲冑全体に亀裂が生じる。


 無数の黒炎剣撃を四方八方から受ける甲冑型ゾンビ。モンスターなら内部の水分を奪い、譲渡変化(ギフト)効果で消せない怨念の炎が付与されている。斬られた甲冑型ゾンビは乾涸ぶ。ゾンビの身体を蝕む邪悪の焔は消えない。


「ちゃんと成仏してね〜」


 甲冑型ゾンビは消失する。

 ドロップアイテム。大きな穂先のランスを回収し終え、トンネルの奥へ駆ける—————————。

無限と夢幻(ブラックホール)】内部にある武器・防具・装飾品(アクセサリー)はオブジェクト化されていて、前後10分の耐久値に状態で出現している。一度触れれば選択したと判断されプレイヤーのステータスに反映される。

やり直しはできない。


特定条件で攻撃力上昇する武器は『前』なら条件達成前に戻り、耐久値は10分前に戻る。

『後』なら、発動者の行動の状況で条件が達成されてるか不達成になっている。


魔法・スキルの四角キューブ、オブジェクト化された武具・装飾品(アクセサリー)を手に取れると【無限と夢幻(ブラックホール)】に入る前の魔法・スキル、武具の状態データは消失。【無限と夢幻(ブラックホール)】内部で手に取った魔法・スキル、武具の状態データに書き換わる。



例えば。

3分間真祖の吸血鬼になれる、装飾品(アクセサリー)覇銀の襟飾(ヴァイセ・エーゲン)

3分越えると二十四時間経たないと再使用できず一定時間、スタミナと俊敏値にデバフがかかる仕様。

効果時間終了後に【無限と夢幻(ブラックホール)】内部に入ると、10分前の覇銀の襟飾(ヴァイセ・エーゲン)が出現している。

手に取れば、覇銀の襟飾(ヴァイセ・エーゲン)は即座に使用できる。デバフも無かった事にプレイヤーデータが書き換わる

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