表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

238/380

システム障害=記憶障害。その6

サブタイのサブタイ

予期せぬ一歩を歩む


次話、7時以降投稿します。

「はぁ......」


 ヴェインの長いため息。自分の前で正座している二人への呆れ。クイーンのリアルを知っているからこその、「遂にやったか」と悪い予感が的中したことへの対策不足の後悔。さまざまな感情がヴェインの脳内に駆け巡っていた。


 絶賛正座中の私とクイーンは身体がビクッとした。言葉は出ず、下を向くことしかできずにいた。

 腕に指が当たる。指の主でもあるクイーンは小声で話仕掛けてきた。


「......すまない」


「本当だよ。で、どうするの?」


「考え中......」


「急ぎでお願い。火炙りされるかも」


 いつギルドのリーダーさんからの攻撃が来るか、分からない。加速スキルを重ね掛けで逃げる手を真っ先に思いついた。でも、これにはデメリットがある。


 恐る恐る顔を上げた。

 はい、眼光が怖いですね。


 そう、一瞬でも逃げ出そうと考えたのは間違えだった。本能的に”マズい”を感じた。

 私もアリエスとレオに正座説教の刑を実行したことがある。あの時の二人もこんな気持ちだったのだろう。


「もうさぁ、謝った方が......」


「アイツ......融通がきかないからな〜」


 クイーンの話ではギルドリーダーを務めているヴェインとは昔からの友人。だから、ヴェインの人となりも熟知している。


 私達が小声で問題解決を模索していた時——————。


「もういいんじゃない」


 助け船が現れた。ヴェインの肩を叩いたのは、クサケという男性プレイヤー。風貌からしてタンク担当のプレイヤー。


「......わかったわ」


 クサケの言うことを素直に聞くヴェイン。

 意外にあっさり聞くわね。


「二人はリアルでは、恋人同士なんだ」


 クイーンからの補足説明で理解した。

 なるほどね。流石に恋人からの言葉は無碍にできない。クサケというプレイヤー、中々なイケメンさんだ。

 怒っていたヴェインはクサケのお陰で、徐々に冷静さを取り戻す。



 ヴェインとクサケのイチャイチャ空間が即誕生していた。胸焼けするくらいの甘い雰囲気だった。

 クサケとのアイコンタクト。”もう大丈夫だよ”の意味かもしれない。

 正座の刑から解放された私達。



「取り敢えず、死刑は免れたわね」


「私は100%とばっちりだけど......」


「ユミナが不気味なマスクを被っている方が悪い」


「女には、秘密が付きものなんだよ。クイーンくん!」


「......後で絶対に吐かすからね」


 えぇ、怖い。


「あのぉ〜 ユミナさん」


 振り返るとローブを羽織っている女性プレイヤーが話しかけてきた。

 名前は一凛(いちりん)。私と同じ魔術師のジョブを持つプレイヤーだ。


「どうやったら、魔法学園の大図書館に入れるんですか?」


 なるほど。当然と言えば当然か。現在魔法学園のヴィクトール大図書館でプレイヤーが入れるのは私だけ。魔法使いNPCだとカレッタだけ。


 未だに入室可能なプレイヤーが増えないのは、大図書館の大扉が原因。入るためには大扉に認めてもらうしかない。ただ、この”認められる”が曲者。

 まず、大扉に近づいた瞬間にスキル・魔法が使用不可になる。その後、入ってくる者と戦闘する。戦闘に勝利して初めて大図書館に入れるのだ。

 当然だが、使用武器は杖一択。それ以外で戦闘開始すると大扉が特大火力の魔法を連発してくる。


 本来のクエストでは、この流れになっている。私の場合は星刻の錫杖を装備していたからパス。


「あの大扉。硬いし、攻撃力の高くて何度何度も死んでるんです」


 一凛(いちりん)との会話を皮切りに続々と私に群がるプレイヤーたち。クイーンの所属するギルドはトップ層に入る大手ギルド。情報を溜め込んでいる私から絶対に欲しい。今までは、従者たちの影響で近づけずにいた。しかし今は従者が誰もいない。好奇と評してグイグイ来た。


 部外者でもある私を快く入室を許可してくれた。なら、私も誠意を見せるのが筋だ。それに、今回のシステム障害でよく分かった。



 ——————私は従者に依存していた。



 別に悪いことではない。NPCとだけパーティーを組んでゲームを楽しむのもアリ。しかし、不測の状態が発生した場合、私には何もできないことを痛感した。

 今尚不明な邪神復活イベント。星霊と私だけで戦えるとは考えていない。必ず別のプレイヤーの協力が必要になってくる。そういう意味では、ここで少しでも顔を売れば、今後の選択の幅が広がるだろう。


「良いですよ。まずあの大扉は......」


 一凛(いちりん)含め数名の魔法使いプレイヤーとフレンドになる。同時に情報等色々、教えることにした。


思い返せば、ユミナちゃんがプレイヤーと一緒にゲームしたのはリア友と恋人のフレンドと小屋を破壊したことで縁ができたフレンド位。

MMOとは一体???


今までユミナちゃんは美少女・美女・美魔女など数多の女性NPCをハントしまくっていたから事足りていたし~


一女多妻制かな? 一嫁多妻制??



可愛がっていた女性たちがある日いきなり自分との記憶がなくなる。催眠や洗脳を疑うよ。NTR展開......

(内2名とは結婚してるし...)



大図書館、コンテンツとしては破綻してるよね~

突如戦闘モードになる大扉くん。即座に入室希望の人間に強制激重縛りプレイをさせるんだから。

因みに、ユミナ以外のプレイヤーが入室できてもケンバーによる魔法講義クエストは発生しない。ヴィクトールさんは故人の設定だから。あくまでユミナが所有してる本が意思を持ち興味本位でユミナちゃんに教えているだけ~ NPCのカレッタもユミナと邂逅したことで血縁者経由で教えてもらってる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ