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システム障害=記憶障害。その2

サブタイのサブタイ

『貴女は誰ですか?』


次話、2025年3月2日、6時投稿します!

 「誰もいない......」

 

 廊下に出ても、人の気配がしない。静かすぎる。みんな、忽然と姿を消したようだった。


 私はメニュー画面。その中から星霊の項目をタップした。私の項目欄は【星霊】、【従者】、【使い魔】、【契約】の四項目が追加されている。


【星霊】は、黄道十二星のステータスを観るだけではなく、簡易的な居場所まで判明できる。


「な、なんで......」


 背筋が凍る感触を覚えた。【星霊】に表示されている黄道十二星、その全てが名前が灰色で触ることもできずにいた。位置情報も分からない。無反応だった。エラーとも考えた。しかし、私の装備欄やアイテム欄は問題なくスクロールできるしアイテムを出現させることもできる。


【従者】も結果から言うと、【星霊】と同じ現象が起きていた。上の方にあるフェーネやリーナの名前をタッチしても反応しない。最近従者になったカグヤたちもリストに名前が表記されているのにタッチできない。


 嫌な予感が募る。


「ドランも召喚できない......」


 契約しているドラゴン。覇天紀龍 ランペイジフリート・リベリオン ”GROOVY”。結構気まぐれな龍。時々私に呼び出しにも応じないフリーダムすぎる龍。今までは契約門が出現し何かしらのアクションがあった。でも、今は契約門すら出現しない。まるでそんな機能を初めから私は持っていないかのように。


「良かった〜」


【使い魔】は通常通り扱えれた。侵入者の線も考慮してジェノサイド玉藻ノ前【魔術本:No.4】を開いた。

 召喚されるのはキツネの使い魔。私はキューちゃんと呼んでいる。


 キューちゃんを抱き抱える。


「キューちゃん。異変があったら教えて」


「コンッ!!」




 ◇


 自分の城なのに、その足取りは重い。廊下に設置してあるランプは灯が灯る。


「城の設備も問題ない......か」


 玉座の間の両開き扉が全開だった。内部の光源が廊下まで照らしていた。話し声は聞こえる。私はホッとした。


「どうやら、みんな一箇所に集まっていただけみたいだね」


 私の安心した声にキューちゃんも嬉しそうだった


「コーンッ!!!」


 玉座の間へ向かうと————————



『ふざけないでください!!!!』


 怒鳴る声が聞こえた。聞き覚えのある声。アリエスだ。


『ふざけているわけではありません』


 ヴァルゴの声も聞こえた。アイリスと口喧嘩しているのだろう。星霊間は何かと口喧嘩する。一瞬のコミュニケーションで長年やっている行為だ。嫌味や煽りを星霊間で言い合っている。でも、決して心の底から相手を嫌っている訳ではない。


 私はため息を漏らす。


「まったくも〜」


 私の姿を見れば、喧嘩も中止する。そう思い、扉へ向かった。


『ここは私が外へ出ます』


『だから、みんなで調査した方が早いと言っているのです。いい加減にしてください!!!』


 なんか、かなり修羅場と見た。でもなんだろう......違和感がある。


 アリエスってこんなにヴァルゴに突っかかってたっけ?

 言葉の端々に行き場のない怒りが含んでいる。昨日までは言い合っていても面白おかしく喋っていた。中々キツい言葉の応酬だったけど......


 聞こえてくる会話はまるでお互いを信頼していない会話の威力だった。


『貴女がいても私には邪魔でしかありません』


 ヴァルゴも変だ。昨日までのヴァルゴではあり得ない言葉を言っている。ヴァルゴは私と出会って他人と歩み寄る事を覚えた。今では頼る頼られる関係が構築されている。でも、聞こえたヴァルゴは自分だけで自体を終息させようとしていた。


『もしかして、自分が役に立つと思っているのですか? でしたら......』


 今の言葉は聞き捨てならない。いくらヴァルゴでも。


 私は走り、玉座の間へ入った。


「ヴァルゴ!!! 取り消せッ!!!!!!!」


 抱き抱えてられていたキューちゃんは私の荒げた声にビクビクしていた。私が玉座の間に入ったことで内部にいた全員が私の視線を移動していた。


「ヴァルゴ......」


 足は速くなる。


「何があったか知らないけど......」


 足を止めた。前にはヴァルゴがいる。


「言って良いことと悪いことはあるでしょう。言った言葉は取り消せない。今すぐアリエスに謝れ!!!」


 息が上がる。珍しく口調が酷かった。


「!?」


 首を傾げるヴァルゴ。罪悪感すらない表情。その顔が今の私には怒りを覚えた。

 気づいた時には胸ぐらを掴んでいた。


「ヴァルゴ。良い加減にしろ」


「私に......触れるな」


 私の頬に強烈な痛み。耐えれなくなり私は後ろへ吹っ飛んだ。

 床に倒れ込む。駆け寄ったキューちゃんの声が届かなかった。

 頭が真っ白になる。


 ヴァルゴが殴った、私を。




ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。ヴァルゴに殴られた。




 事実を受け入れれなかった。


「急に現れ、人に触れるとは」


 体が震えていた。

 言葉が出ない。息が苦しい。


「貴女......」


 視界がぐらつく。

 暗き深淵に引きずり込まれる虚脱感。















「誰ですか?」


 絶望で目の前が真っ暗になる。

嫁から、「貴女、誰ですか?」なんて言われたらショックどころではないと思うよ。


永き石化とユミナの影響で今でこそ、変態奇人集団星霊だけど。本来はお互いバチバチの関係。

惑星『オニキス』を護るために集められたエリート集団。最強の防衛システム。

協調性は皆無に等しい。

基本は惑星に住む者たちからの願いに応えるために召喚される。

住まう者たちを外敵から、地上に発生した異物を排除するために一時的協力関係になる。

神代時代のヴァルゴはとにかく人間が嫌い。本人曰く無駄な生命体と呼称。下等生物呼ばわりは当たり前。アリエスは元人間で聖女だけど、星霊に選ばれた存在ということで普通に接してる。ただ悪魔として生きていた時代から他人を信じていない・信頼していない精神のヴァルゴさんは何かと高圧的な言動を発してしまう。他の星霊や惑星に住まう生命体に度々喧嘩を売られるけど、全て返り討ちしてる。神代時代で唯一尊敬していたのがリリス様だけ。


アリエスも聖女としての活躍が評価され、星霊になる。自身の呪いも星霊になれば解決できるかもしれないと考えていた。しかしリリス様からは解呪はできない・呪いの勢いを弱らせることはできると告げられた。人間でありながら星霊に選ばれたことで一目を置かれている。今まで聖女として数多くの人を接してきたが同期の星霊は基本不干渉で苦労している。アリエスが召喚される時は、『癒し』関連が多い。ごく稀に一部の人から果し状が送られてくる。歳の近い育ての親代わりのシスターとの一件を解決できないまま星霊を続けている。星霊になる前に貰ったメガネは今でも読書時や私用で着用している。



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