4話:そうよ! 新学期になってすぐだったわ!
「新学期早々、来月は学内舞踏会ですわねえ……」
「新入生のダンスの腕前を見るのと同時に、上級性はダンスが上達しているのを披露するね……」
「春休みに、怠けて腕を落としていないかの確認も兼ねているからなあ……」
「ああ、そういえば来月でしたわね……」
食後、私の侍女は学内では断った為、ミラーの侍女さんが紅茶を淹れてくれた。
食後の寛ぐ時間だが、来月ある学内舞踏会の事に、話題は自然と移る。
(んーと? そこで殿下と踊り、ジュリエット嬢のドレスに態とワインを零す……んだったわよね?!)
さすが悪役令嬢。イベントがあれば、勿論あれやこれやとやらかす設定だ。
(やだ! 絶対に、攻略対象者たちとジュリエット嬢には近寄らないようにしなくっちゃ!)
「えっと……。シャーリー嬢。良ければ、その時のパートナーをお願い出来ないかな?」
「えっ!?」
「私も、お願いしたいな。とてもお上手で、実は一度お願い出来ないかと思っていたんです」
「うっふふー。シャーリーは、本当に上手よ。なかなか誘う方がいらっしゃらなくって、ダンスが上手だと知られていないのは本当に残念だと思っていたの」
「踊った事がある学生だろうね。自分の実力以上に、上手く踊れたという噂を聞いたな」
「そうなんだよ。それで気になっていたんだ」
(あら? それは知らなかった。
あ、でも、これはチャンスだわ!)
「是非、宜しくお願い致しますわ」
学内舞踏会で踊るのは四人。四人、パートナーが決まっていれば、他の方と踊る事はないわ!
それまでに、パートナーを決めてしまえば良いのよ!
このゲームの世界は情勢がそれなりに安定しており、婚約者が決まっている貴族は半分程度。王族や高位貴族になるほど情勢を見て婚約者を選ぶため、子どもの頃から婚約者がいる方は少ない。
そして、王子殿下のパートナーは、フリーでダンスの成績優秀者順に選ばれると発表があった。
以前の私は、ダンスといった華やかな事は得意だった。つまり、王子殿下のパートナーになる可能性が高い。
でーもおー。パートナーを決めてしまっておけば、殿下のパートナーは免れるわ!
(ふう。学内舞踏会でパートナーは、どうにか回避できそうだわ)
そうにんまりしたのだが、そうは問屋が卸さなかった。
◇◇ ◆ ◇◇
「私に、殿下のパートナーを務める打診でございますか?!」
さっそくパートナーをお願いする方を探すわよと意気込み、邸へ戻ったのだ。
その夜の食事後に、お父さまからお話があったのよ。
「去年までは、従兄弟たちがいたからどうにかなったろう? 従兄弟たちがいないと、パートナーが埋まらないと毎年困っていたな。
そんなお前に殿下のパートナーの打診があるなど、天の配剤。お受けしたから、その心算で」
そ、そんなあー……
親の心子知らずならぬ、子の心親は知らずだわよおおおおお!
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