表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リピート  作者: yapppニウム
2/2

模擬戦


四月十七日

ホームルーム


教師「えー今日から毎年恒例の四月の最終日にあるクラス対抗戦の準備を始める」


「まじか!」「早いなー」

「楽しみだね!」


右京(確か3−Aが毎年勝つヤラセみたいな行事だったか。大尉が『戦力が平等になるように決めています』と言っていたがその後の『過去の事』は本当か気になるな。他のクラスが訓練を怠っていた可能性もある)


〘クラス対抗戦〙

その名の通りトーナメント制でクラス同士で戦い合う訓練であり、軍からは上が民間からは一般人から企業のおえらいさんやマスコミまで軍民どちらからも注目されている訓練である。

こちらで言うところの富士の総火演のようなものと考えてくれればいい。


右京が言っている大尉はプロローグに出てきた忠経のことで、こっちでは少将(陸将補)だった。


教師「お前ら!楽しみにするのもいいが、今日からは対抗戦に向けた訓練を通常を実施する」


「ゑ?」「うそーん」


「先生。今日から訓練場でずっと訓練をするんですか?」


教師「そうだ。そして、訓練開始から一週間が経ったときに対抗戦のリーダーと副リーダーを決める」


右京「それだと連携の訓練があまりできないと思いますが」


教師「なに、お前たちなら対抗戦では大丈夫だろう」


??「当たり前です!みんな!全力で行くよ!」


「「「「「オー!」」」」」


トントン


???「どうした?右京」


右京「あいつの名前何だ?黑鳥」


黑鳥

本名 ???

右京の前世の部隊の副大隊長であり、偵察中隊の中隊長だった。そのため戦闘時には黑鳥が偵察し右京が攻撃をするというスタイルをよく取る。


黑鳥「………山元元哉(やまもともとや)だ。名前くらい覚えろ。元とはいえ、お前は大隊長だろ」


右京「そうだな。………あいつは皆をまとめるのは上手いが司令官には向いて無さそうだな。お前はどう思う」


黑鳥「俺もそう思う。指揮官というよりは班長、できるか怪しいが分隊長クラスだろうな」


右京「だな」


元哉「ふたりとも何の話をしてるの?」


右京「対抗戦のことで、少しな」


元哉「君たち二人がそこまで興味を持つなんて………」


黑鳥「興味を持っているわけではない。というか、俺たちのことをなんだと思っているんだ?」


元哉「話し掛けづらいクラスメイト?」


右京「現実を教えてくれてありがとう。なんとなく察してはいたけどな」


教師「お前らー!あと二分で始めるから早くこーい!」


元哉「今行きます!」


タッタッタッ………


黑鳥「俺はお前になって欲しいんだが」


右京「現実を見ろ、選ばれるわけがない。急ぐぞ」


黑鳥「はいよ」


ダッ!






訓練場

と言っても、縦二三キロ横五十キロの魔法機械で作られた自然豊かな亜空間である

訓練場とは思えない広さだ

今いる場所は訓練場の左上辺り

通常の運動場が広がっているが端のほうには訓練場の南の方に跳ぶための装置が十個ほど並んでいる


教師「全員いるな」


「「「「「はい!」」」」」


教師「準備運動!」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


教師「今から対抗戦に向けた訓練を始める。まずはトラック十週だ!開始!」


ダダダッ!


右京(体力くらいあるだろ)


タッ


黑鳥「………十キロって走り抜けれるやつどれくらいいんだろ」


右京「知らん。まあ俺等は大丈夫だが………初めから飛ばしてる奴等は多分無理だろ」


黑鳥「早く魔法が打ちたい」


右京「ならペース上げるぞ」


黑鳥「了解」


二人は変わらないペースで走り続け体力が少し残ったくらいで走り終わった。初めから飛ばしていた生徒らは六、七周辺りから失速していき終わった頃には地面に寝転びながら激しく呼吸をしていた。


教師「よし!全員終わったな。今から二〜四人でペアを作ってくれ。それで模擬戦をする。制限時間は四時間だ。それと、地図と帰還リングを配っておく。倒されるか制限時間いっぱいまで残っていたらここに跳ばされる」


帰還リング

ダンジョン内で死亡した際に起動し入り口付近に跳ばされるダンジョン探査には必須の装備

何故か復活する事ができるがダンジョン内だと痛みは一切和らがない

その為、跳ばされても死亡する事がある

今回使われているのは訓練用の模擬リングのため一度しか使えない


右京「………早速が魔法打てるぞ。良かったな」


黑鳥「軍とは違うのか………ある意味兵なんだが」


右京「俺とお前だけでいいな?」


黑鳥「了解」


元哉「君達は二人だけでいいの?」


黑鳥「ああ」


右京「昔、二人で色々してたからな」


元哉「それで二人だけ?人数差で負けそうだけど………」


右京「実技試験の時お前いただろ」


元哉「………そういえばなにか言ってたね。けど覚えてないや」


右京「ならいいんだが………」


元哉の後ろを見て


黑鳥「元哉は確か火魔法だったよな?」


元哉「そうだね」


黑鳥「風、水、土………バランス型か」


元哉「何それ?」


右京「俺等が勝手に決めた型みたいなものだだ、気にすんな。………で名前何だったか」


黑鳥「はあ………左から風魔法を使う諷示、真ん中が水魔法を使う水城、最後に土魔法を使う土紋だ」


諷示「一ヶ月も同じ授業を受けてたはずなんだけど………」


水城「改めてよろしくお願いします!」


土紋「お互い頑張ろうな!」


元哉「右京君は覚える気がないの?」


元哉の方を見ながら右京は


右京「はじめの自己紹介を聞いていなかったからな」


元哉「………結構大雑把なんだね」


右京「………まあな」


黑鳥(自分の部隊の人間ではないから………か)


水城「そういえば、試験のとき桜華さんと話してた人ですよね!何話してたんですか?」


黑鳥「確かに、何話してたんだ?」


右京「互いに相手を馬鹿にしあってただけだ。久し振りに皮肉を聞けて楽しかったな」


諷示「え、桜華さんを馬鹿にしたんですか?」


右京「なんかまずいか?」


土紋「うむ!氷魔法をあそこまで使える人が出てくるのは初めてらしい!」


右京「そんなことでか?ただの氷だろ?」


そう言って模擬戦の地図に目を落とした


水城「ほ、他にも西園寺家のご令嬢ですので失礼なことをすると消されるという噂があって………」


黑鳥「実際にそうとしか思えない失踪事件が起こってたりするが………問題あるか?」


土紋、諷示、水城、元哉「「「「えっ!?」」」」


元哉「本当に消されたら誰がやったか分かっててもお蔵入りにするしかないんだよ!?」


水城「そうですよ!家族も悲しみますし!」


諷示「君たち二人は恐怖という感情がないのかい!?」


土紋「そんなことを言うやつは初めて見たぞ!?」


地図に乗っている地理情報を確認しながら


右京「俺らのことを心配したりするような人間はもうどこにもいないが………どうした?」


元哉「えっいや家族は?」


右京「家族全員死んで俺だけだが?」


黑鳥「俺の家族は行方不明だが?もう死んでそうだが」


「「「「………」」」」


右京「よし。ここに行くぞ」


黑鳥「はいよ」


さらっと暴露された事実に絶句している四人を無視してさっさと決めた位置に移動する二人であった。






それから数分後………


『模擬戦開始!』


模擬戦が始まった二人は戦闘区域内の南東側にある森の中をなるべく音を立てずに北西の方向に移動していた。


右京「………………静かだな」


黑鳥「………ですね。先行して偵察に行ってきます」


右京「分かった。………………にしても、だ。縦横五十キロの戦域は異常なほど軽装でも訓練も何もしていない学生にはきついと思うが………それが原因で全く戦闘音がしないのか、それとも俺達が他から離れすぎているのか………………待ち伏せか」パァン!


「!?」ガサッ!


「くそっ!何でバレたんだ!?」ダッ!


そう愚痴りながら突撃してくる


「援護する!アロー!」


魔法陣が五つほど出現しそこから魔力でできた矢が右京に飛んでくる………が


タタタタタ!


「「!?」」


片手でMP40を使い撃ち落とした


右京「………………」ダラララララ!


そのまま何も喋らずにMG42の()()()機関銃を使い驚いている二人を撃破した


右京「………至近距離でこれを撃つとは………やはり判断力が鈍っていたか。対抗戦までに矯正しておかねば。お前もそう思うだろ?」


すると木の上から………


黑鳥「相当鈍ってますよ。今の距離はMP40………いやモーゼルで良かったんじゃないですか?十数年ほど離れていたとはいえ………」


右京「………そうか。後で訓練に付き合ってくれ」


黑鳥「は!」






右京「………………………いるか?」


黑鳥『………居ませんね?どこ行ったんでしょう?』


初接敵から十分ほど後一向に敵と言う名のクラスメイトが見つからない二人は不思議がっていた


右京「………進むか」


黑鳥『十キロ地点まで先行します』


右京「こっちもUAVを飛ばす」


黑鳥『了解』


右京「………七十年ちょっとでこんなものが出来るとはな、コイツは戦場と戦術がが大きく変わるぞ。燃料切れたらV1みたいに適当なところに突っ込ませるか」


五分ほど後


ガサッ


右京「見つからないな………縦の範囲を百八十キロ縮めて五十五十の戦域にしているとはいえ、徒歩だからあまり移動できていないのか?」


黑鳥「いえ、そういうわけでは無さそうです。風魔法で追い風を起こして走る速度を上げていました」


右京「そうか、ただそんなことをしていると攻撃を始めるのに時間が掛かると思うが………見てどうだった」


黑鳥「一発目は少し威力は落ちますがタイムラグ無しに攻撃が出来ていました。二発目からは本来の威力でした」


右京「ここから何キロ先だ?音が聞こえなかったが」


黑鳥「北西北のボーダー辺りです。ここから十四、五キロ先ですね」


右京「もうそんなところまで移動していたのか。」


黑鳥「そのようです。やはり狭いですね」


菊月「だな。もっと広いほうがやりやすいんだが………そこまでの亜空間を作れる物は高いんだろう。」


黑鳥「それに想定されているのは対モンスターですからね。対人ではないですから」


右京「そのくせして、対抗戦とかは縦四百十横百十のサイズの戦域なのは四試合一気にするからだろうな」


黑鳥「そう言えば、UAVで見つかりました?」


右京「いや全く。北東辺りに移動しようかね。ここ(亜空間)の入り口が近いからここ辺りに固まったのかもしれん」


黑鳥「………そう言えば、人工衛星出せないんですか?」


右京「一応出せる………が、百キロ二百キロ離れているわけでもないし、模擬戦で使うのはな」


黑鳥「実践で使えなくても知りませんよ?」


右京「向こうでずっと飛ばしてるから大丈夫だ。こっちでも一分程度だが出しても問題無かったからな」


黑鳥「なら大丈夫そうですね。………話は変わりますが、何人です?」


右京「あのときの三人だけだ。お前は?」


黑鳥「ゼロです。先行偵察で見付けたのがボーダー近くの奴らだけですから」


右京「そうか………」


その後二人はプライベートであったことを周辺の音などに気をつけながら話していた。


黑鳥「………でしてね。大変でしたよ」


右京「………晩飯奢ってやるな」


黑鳥「ありがとうございます!金欠って嫌ですね~」


右京「無駄遣いしなけりゃ良いだろ。………声したな」


黑鳥「………………」


「…ちの方に居たからここから左回りで回っていけば奇襲できそう」


「攻撃はさっきと同じでいいか?」


「良いんじゃない?」


「よし!行こう!」


黑鳥「………数四………十一時方向………もう少し隠れようとしてくれませんかね」


右京「東に真っ直ぐ行くぞ。走れ」


黑鳥「了解」


ザザザザザ………


「クソっ気づかれた!」


「追いかけるぞ!」


「「「OK!」」」


右京「………後百五十進んだら九時方向に行ってくれ。五十先で挟撃する」


黑鳥「了解」




「………………おい一人いなくないか?」


「どこに行ったんだろう?」


「まさか逃げたのか?」


「だとしたら嬉しいな。………よし、このまま遠距離魔法で攻撃するぞ!あいつの体力を更に奪う」


「「「了解!」」」






右京「………………」ザッ………


右京「………」ガチャ………パチ………


黑鳥『配置についた』


右京「分かった。スリーカウントで始めるぞ」


右京「3…2…1…今」


バラララララ!パン!パン!パン!


「は………」「えっ」「………」


数瞬のことであった

彼らはほとんど何も言葉を出すことができずに脱落することとなった。

残り一時間

南の方に跳びすぎたようだ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ