表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リピート  作者: yapppニウム
1/2

プロローグ

初投稿なので色々とおかしな所があると思いますがご了承ください。

銃砲弾の雨が降り注ぐ帝都に彼はいた。


ディートリヒ「………これ以上は持たんか。中隊議事堂前に後退せよ!後退せよ!」


「後退だ!」「くそっ!」「物資があればあんな奴ら………」


ディートリヒ「愚痴を言ってる暇があったら急いで下がれ!」


「も、申し訳ございません!」


押し寄せてくる大量の敵軍に押しつぶされながら右京の中隊は議事堂前まで後退し、中隊最後の抵抗をし始めた。


ディートリヒ「撃て!これ以上奴らの進行を許すな!」


「うおおおおお!」「これでも喰らえ!」

中隊の持っている残りの爆弾薬すべてを使い切る勢いで射撃を始める。しかし、相手は畑から人が取れるとまで言われた国の軍である。いくら撃っても減った気がしなかった。


「中隊長!あれを!」


ディートリヒ「くそっ!もうこっちには対戦車兵器はないというのに!奴らは一体何両の戦車を送り込んできやがるんだ!」


その時、敵戦車が発砲した榴弾が右京の目の前に着弾した。


ディートリヒ「ぐお!」 「うわ!」


目の前に着弾した榴弾は、彼の下半身を全て吹き飛ばしていた。


ディートリヒ(下半身の感覚がない、吹き飛んだか。………ここまで冷静にいられるとは………なれとは怖いものだな。)


東部戦線の初期から参加していた右京は何度も何度も弾に当たったり、榴弾の爆風で吹き飛ばされたり、目の前で戦友を失ったりしてきた。そのせいか、肉体的な痛みも、精神的な痛みも、全て慣れてしまっていた。


ディートリヒ(来世があれば………もう筒は握らなくていいようになっていてほしいものだな………)


そうして、彼は終戦の前日に戦士した………






………はずだった。


ディートリヒ(………ん?ここはどこだ?)


「みてください!立派な男の子ですよ!」


ディートリヒ(はぁ?)


あたりを見渡してみると、そこは、病室のようにも見えた。


ディートリヒ(ここは………まさか日本か?話を聞いている限り日本語で話しているし、俺はたった今産まれたところのようだな………。神は第二の人生でも送れとでも行っているのか?だが………もう二度と筒を握ることが出来なくなるというのは、なぜか少し寂しくなるな)


「こいつの名前は右京にしよう」

「あら、決めてきてたの?」

「ああ、いい名前だろ?」

「ええ、そうね。優しい子に育ってほしいわね」

「君と俺の子だ。優しいに決まってるさ」


右京(………すいません、優しくないです。………これは黙って演じとけばいいか、二人には悪いが)


六年後


「右京、俺たちは買い物にいってくるが………留守番できるか?」


右京「出来るよ!」


「いい返事。それじゃあ、行ってきます」


右京「行ってらっしゃい!」


数時間後


右京「よし、これで戦後から全ての歴史を覚えれたな。ただ、迷宮とやらが出てきたときは驚いたな………しかも、初めて制覇した御方が総統閣下の子孫だとは思わなかったぞ………」


六歳でありながら、殆どのことを数年で覚えてしまったことを他の人間に知られてしまうとめんどくさいことになるのは右京も重々承知であったが、そこは子供だからか、好奇心が勝ってしまい高校卒業までの内容をほとんど覚えてしまっていた。


右京「………能力、か。一応すべての人間にあるそうだが………俺は生産系よりも戦闘系のほうが使いやすいだろうな………」


自分の能力が分かるは小学六年生の能力検査の時である。


右京「皮肉なものだな、人間同士の殺し合いが終わったかと思えば、五十年後にはモンスターか。人間はいつの時代でも何かを殺しとけってことか?」



そう言いながら右京はテレビを付けた。


右京「そういや、二人の帰りが遅いな。何かあったのか?」


そう言いつつ、テレビを見ていると………


テレビ『………の天気は曇り時々晴れでしょう………えーここで臨時ニュースが入りました。本日未明、兵庫県神戸市にある迷宮でごく小規模なスタンピードが発生した模様です!すぐさまその近くに居た十数名の探索者がその場を制圧しましたが、ニ、三体が包囲網をすり抜け十二人の民間人を殺害したあと、追跡していた探索者によってすべて殺害されました。今回の事について協会は〘今回のスタンピードについて、迷宮が出現した最初期から確認されていたスタンピードであり、スタンピード発生の兆候が全くないタイプの為対応が遅れました。亡くなった方全員のご冥福をお祈りいたします〙と、述べ亡くなった方々に追悼の意を述べました』


そして、亡くなった人の顔写真が表示された。


右京「………二人はもう帰ってこないのか………………六年振りだな、誰かを失うのは………家族を失うのは八年ぶりか………戦友の死に慣れてしまうと家族を失っても悲しくならなくなってしまうのは………いや、人の死に慣れてしまうのは、やはり異常だな」


右京は家族写真を手に取りながらそういった。


右京「………抵抗できずに殺されるのはやはり嫌なものだろうな」


親二人はどちらも生産系の能力のためあまり効果的にダメージを与えられない。そのため、戦うよりも逃げたほうがいいのだ。

ちなみに右京は戦闘系である。


右京「二十二時………二人が出発してから三時間も立っていたのか。子供の体だとそりゃ腹も減るよな、というかもう寝てる時間か………なんか食って風呂入って寝るか」


そして次の日、昨日の夜にセットしていた起床ラッパ(アラーム)を聞いて目を覚ます。すぐさま着替えて五分ほどで朝食と歯磨きを終えたのだが。


右京「着替えて朝飯食って顔洗ってまではいいが………学校をどうするかなんだよな………」


家の鍵を右京は持ってはいるが、昨日のアレを教師以外の誰かに見られてでもいたら面倒くさいことになるのは目に見えていた。


右京(義務教育ではあるから行かないと駄目だしな………教師だけだといいんだが………)


その時、家のインターホンが鳴った。


右京(誰だ………?この人は………)


誰が来たのかを確認しインターホンに出る。


右京「忠経(ただつね)おじさん?朝からどうしたの?」


忠経『右京くん。話があるんだが………』


右京「お父さんとお母さんのこと?………昨日テレビで見たから知ってるよ」


忠経『ああ………そのことなんだが、家に入れてくれんかね?家の中で話したいんだが………』


右京「分かった!」


そうして家の鍵を開け家のリビングに二人で座っている。


右京「どうかしたの?」


忠経「………はじめに聞きたいんだが、君は二人がどうなったか分かっているかい?」


右京「うん」


忠経「その話し方は辞めてくれ。前の時みたいに話してくれればいい」


右京「………分かった。それで、俺の親は死んでしまったわけだが………養子にでもなれと言いに来たのか?」


忠経「分かってるのか………いや、私の元上官なのだから分かるか」


右京「当たり前だ。そして、もうすぐ肺癌で死ぬこともな」


忠経「………やはり勝てませんな。そうです、あと半月くらいです」


一月ほど前に会って話したときから右京は気づいていた。そして疑問をぶつける。


右京「ならなぜ病院からでこれている?」


忠経「十日後に安楽死をしようかなと………そのため、最期くらいは自由にさせてくれと頼み込んだら今の地位もあって出来ました」


右京「じゃあなんで俺を養子に取るんだ?」


忠経「私しかもう居ないので、遺産を全てあなたにあげようかと」


右京「相続税が馬鹿みたいな金額になりそうなんだが、そこは分かっているのか?」


忠経「コネで何とかなります」


右京「コネで何とかするのか………まあバレなければいいんだが、俺でいいのか?お前しか残ってはいないとはいえ俺はまだ小一だぞ?」


忠経も忠経だが右京も右京である。


忠経「それについては問題ありません。書類上は海外の友人に相続されています」


右京「そうか………ちなみに、俺がお前から渡されるのって何があるんだ?」


忠経「八王子の山の方にある家とかです」


右京「………家?」


忠経「そうです。あの二人が引っ越したいと言っていた場所を私は買ったので、遺産としてあなたにあげようかと」


右京「この家はどうすんだ?」


忠経「………あの人らいつの間にかメールで遺書送ってきてたんですよ」


前述のとおりあの二人は戦闘系ではなく生産系であったため、逃げるしかなかった。その代わり手先が戦闘系よりも器用なため、逃げながらでもメールで遺書くらいは書けるのだ。おそらく、そうやって遺書でも書いたのだろう。


右京「手先が器用だったからな。逃げながら書いたんだろう」


忠経「それは手先が起用ってだけですかね………まあ、そういうわけで引っ越しますよ」


右京「学校どうすんだよ」


忠経「あなたの親名義で〘急な引っ越しのため準備を手伝ってもらわないと間に合いませんので学校は休ませていただきます〙って送っといたんで大丈夫です」


右京「………なら、急ぐか」


忠経「はい。急ぎますよ。兵庫から埼玉まで行きますので」


引っ越しの用意はその日中に終わり、一週間後には新居の方に馴染んでいた。

そして八年後、右京は第二の東大と言われているほどの難関であり高大一貫校でもある第一国立探索者育成学園の入学試験の会場にに向かっていた。


右京「………………ここが正門か、他のところと変わらんな。ただ相当でかい学園だ………あれが校舎で、その奥にあるのが特別棟か、体育館が奥にあって、あの団地みたいなのが寮か。事前情報と一緒だな」


右京(………ここはもうあそこじゃない。できるだけしないようにしないとな)


こう考えてはいるが四年も前線にいたためこの癖が治ることはないのである。その事は分かってはいるがどうしてもこう考えてしまうのである。


右京「筆記試験の会場は高校校舎の三階か。筆記試験は普通のところと同じで………午後から実技試験か。やりすぎないようにせんとな。自由に入れなくなっちまう」


ここで試験の情報を入れておこう。

筆記試験は国、数、英、理、社すべて五十分である。ここはどこの高校とも同じだが、違うのは実技試験と指揮能力試験があるところである。

指揮能力試験は筆記試験と同時に行い、実技試験は自分の持っている能力を使い種類によって決められている基準値を満たせばいいだけ、なのだが地方別にある第一から第八育成学園の中でも基準値が一番高く、筆記が行けても実技が駄目なら八割落ちると言われている程厳しいらしいが、右京には何も問題はない。何故なら、


「………………そこまで。列の一番うしろの人から裏返して教卓に持ってきてください」


右京「………意外と解けたな、だが英語はやはり駄目だな。七割取れてたらいい方か」


そう、普通に頭がいいのである。


右京「にしても、指揮能力があるかどうかを調べるやつがあんなに簡単でいいのか?敵が人からモンスターに変わったとはいえ、そこまで変わっていなかった気がしたんだが………」


右京は前世では中隊の指揮官だったので簡単なのは仕方がない。


右京「実技試験までは時間はあるから、校舎とその周りでも散策するか」


十五分ほど校舎内をさまよいどこがどこかを確認する

右京であった。


右京「………ここが特別棟との連絡通路で、あそこにあるのが体育館でその奥に見えるのが寮か」


右京(これで全部だろう。実技試験の会場に向かうか)


そして実技試験の会場に向かう。


右京「俺は遠距離らしいから………ここか。使うのはモーゼルC95でいいか」


松吉「これから試験を始める。入り口で渡された番号札の番号が呼ばれたらここに立って始めろ。………一番!」


「あの人、松吉さんじゃね?」

「ホントだ。ここにいたんだ」

「日本のスコアランキングのトップ3に入ってた人だよね!」


皆が騒ぎながら実技試験が始まった。右京は自分と同じ受験生の、能力を使っている姿を見て能力の予想をしていた。

ただし、能力は同じものが全体の六割ほどなのですぐに見飽きてきた右京であったが、三十八番の受験生が前に出ると周りが一気に騒がしくなった。


右京(………あいつは有名なのか?名門だとか五十年に一人の逸材だとか言ってるが………名前が聞こえてくるのを待つか。誰かが言ってくれるだろ)


すると、すぐに名前がわかった。


右京(西園寺桜華(ほのか)、西園寺家の令嬢か………どんなものを見せてくれるのか楽しみだ)


桜華「ふぅー………花よ散れ、氷結花!」


すると、バキバキバキ!と、音を立てながら二十五メートルほど離れた場所にある試験用の的に向かって氷の棘が凄まじい勢いで向かっていく………そして的に当たる。バキィン!と、大きな音を立てて的を破壊し,それがあった場所には氷でできた桜の花が出現していた。そして右京はというと………。


右京「こいつはすごい、噂道理だ。………だが、迷宮内部では使いづらそうだな」


あまり驚いていなかった。


右京「ここで力の殆どを見せるのはあんまり良いことじゃ無さそうだが………というか、試験でここまで見せる必要はないだろ」


松吉「流石だな、西園寺家の花と言われているだけあるな。………っと、次!三十九番!」


右京「三十九番は俺ですが………あの氷はどうにかしなくてもいいんですか?」


松吉「ああ、そうだった。すまん!あの氷消してくれ!」


桜華「分かりました」


すると、的のあった場所から順番に氷が消えてなくなっていった。


右京(強度がどれくらいあるのか気になるな。………いや、今は試験に集中するか)


右京「始めてもいいですか?」


松吉「いいぞ」


慣れた手付きでモーゼルC95の安全装置を解除し発泡しようとすると、試験官から


松吉「おいおい、的の強度はモンスターと一緒なのを知らないのか?モンスターに銃弾なんて聞かないのは知ってるだろ?」


右京「的の強度同じなんですか………まぁ能力で出したので問題ありません。弾頭も特殊ですので。」


「松吉なら、いいが………」


右京「………射撃開始」


タンタンタン!と軽い銃声が会場に響いた。


「あいつまじで打ちやがった」

「馬鹿だろ」 「何しに来たんだよ」


右京「………全弾命中。ターゲットの破壊を確認」


全員が的の方に顔を向ける。すると驚愕したような顔を見せた。


「嘘だろ!?能力で出したやつでもモンスター相手に効いた例はないぞ!?」

「何だあいつは………」


ザワザワと周りが騒がしくなってくる。


右京「これでいいですか?」


松吉「あ、ああ」


右京(この程度かよ。クソ楽じゃねぇか)


右京からすると楽だったのは本当のことである。

だが、これを見ていて納得がいっていない人間が一人………


桜華「………あなた、何をしたの?」


右京「分からんかったか、撃っただけだぞ?」


桜華「それは分かってるけど、能力で出しても効かないのにあなたのは効いた。何をしたの?」


右京「弾を徹甲弾(AP)にしただけだぞ?」


桜華「???」


右京「………普通は分からんか。説明面倒くさいんだが」


桜華「分かるように説明しなさいよ!」


右京「特殊弾を使ったから弾の貫通力が上がった。これで良いか?西園寺家のお嬢さん」


桜華「なっ………!私が誰か分かって言ってるのね!」


右京「お前が偉いんじゃなくて、お前の親が偉いんだろ?変に威張るな、恥をかくだけだぞ新兵(ルーキー)


桜華「あなたも同じじゃないですか!何言ってるんです?頭がイカれましたか?」


右京「生憎産まれたときから壊れてんだよ。それと、口が悪いと嫌われるぞお嬢さん(フロイライン)


「あいつよく言い合えるな」

「知っててあの話し方は社会性がないのよ」


桜華「貴方のほうが色々言われてるけど?」


右京「命令書で死んでこいと暗に言われるよかマシだ」


桜華「何言ってるのよ………」


右京「お前には一生わからんよ、金持ち(フットキャット)。これが分かりたかったら超大規模なスタンピードが起こることをいのっとけ」


桜華「分かりたくないから祈らないでおくわ。実戦経験のない訓練生」


右京「………………とも無い非戦………偉そうにするな」


桜華「なにか言った?」


右京「いや、何も」


このあとはどちらも喋ることはなく実技試験は終った………はずだった。


松吉「これで実技試験を終了する!ただし、今から呼ばれた番号の受験生はここに残るように!三十八番、三十九番!残りは解散!」


ゾロゾロと会場から受験生たちが帰っていく………ただ、右京と桜華は番号が呼ばれたためここに残っていた。


右京「………あれだろうな」


桜華「私なにかしたかしら?ちゃんと試験を受けてはずだけど………」


松吉「残ってくれたか。じつは、言いたい事と聞きたいことがいくつかあってな、それで残ってもらったんだ」


桜華「聞きたいこと………ですか?」


松吉「そうだ。まず桜華、氷結花を使うのはいいが残したままにしないでくれ。試験が止まったらどうするつもりだったんだ?」


桜華「………すいません。これからは気を付けます」


松吉「頼んだぞ。桜華はこれだけだ、もう帰っていいぞ」


桜華「はい。それでは、また」


桜華は少し急いで帰っていった。


右京「俺が残されたのは、これの件ですか?」


そう言ってモーゼルC95を見せる。


松吉「なんの弾を使ったんだ?」


右京「徹甲弾(AP)を使いました。通常弾だと無理ですので」


松吉「徹甲弾(AP)て。お前なぁ、知ってるやつなんて俺くらいしか居ないぞ。何やってんだ」


右京「合格しに行っただけです」


松吉「………と言うか、弾種を変えれる能力何て聞いたことないぞ」


右京「教師なら一度は聞いたことのある能力を使いましたが………」


松吉「そう………なのか?」


右京「ええ、まぁ」


考え込んでいる松吉を放置して右京は家に帰った。

数日後、分かりきってはいたが合格の通知が届き、時は進みクラス分けの日。


右京「………あった。一の二は確か高校第一校舎の三階だったはず………あってるな」


校内図を確認していると………


桜華「私は一だったわよ?」


右京「それがどうかしたか、三等兵?」


桜華「訓練生こそどうかしたの?顔色が悪いけど」


右京「………以外と人をよく見てんだな。俺の中のお前の評価が、自分の能力を過信してる奴から周りをよく見る新兵(ルーキー)になったぞ」


桜華「何なのその評価、全く嬉しく無い。それに、周りを見るのは普通よ、5月の実践訓練の時誰と当たってもいいようにしないと」


右京「あーあれか、よく死人出てないよな。教師が優秀なのか?」


桜華「らしいわよ」


右京「それにしても、一組の頭が何のようで話しかけてきたんだ?しかも別の組の奴らも見て」


右京がこう言っているのは、この高校にあるカースト制度の事を調べていたからで、組の振り分けも受験時のテストの結果の良かった方から一組から三組まで編入する仕組みになっているのを知っている。

そのため、一組のトップが二組の上位の人間に話しかけるのは珍しいのである。

ついでに行っておくと、三組よりも二組、二組よりも一組のほうが学校での待遇などが良くなっている。

それのせいか、同じ一年生でも上下関係が生まれていることがよくある。


桜華「何か悪いかしら?二組の二番手さん?」


右京「いや何も」


桜華「それと、今月の最後にあれあるじゃない?」


右京「あー、あれな」


桜華「………私のほうが上なんだから敬語を使ってほしいのだけれど?」


右京「はいはい分かりました分かりました」


右京(権力で言ったら俺のほうが強いんだよな。………いや、他の方も上か)


桜華「何か不満があるなら言ってもいいのよ」


右京「それでは遠慮なく。お前のような的が付け上がるな。それでは」


桜華「なっ!」


それだけ言うと右京は何もなかったかのように教室に向かっていく。


桜華「一応私のほうが実力でも上なんだから謝りなさい!」


右京(桜華が何か喚いている気がするが気のせいだろう)


この後は何も起こることはなく静かな日常が過ぎていった。

桜華の機嫌がずっと悪かったのを除いて。

次回はちょっと時間が進んで四月下旬頃の話になると思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ