表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/128

今度は私が勇気を出す番

 奈月は次の日から、用が無くても直人の部屋に行くようになった。

 直人が心配をしないように、部屋では飲み物をたくさん飲んで、暖かい格好をして、直人の部屋の毛布にくるまって過ごした。毛布は、直人の匂いがして、奈月は心まで暖かくなった。

 直人がくしゃみをした時には、毛布の中に直人を誘って、恥ずかしがる直人をからかった。

 一緒にゲームをしたり、好きな漫画の本の話をしたり、直人の小さな頃のアルバムを見たり、手紙に書いてあった「宝物にしている五百円玉」を見せてもらったり。


 学校でも、なるべく直人に話し掛けるようにして、友達にも「人見知りだけど、すごく優しいんだよ」と伝えた。

 友達の中で特に親しい人には自分の膀胱炎のことを打ち明け、協力を頼み込んだ。とにかく、クリスマスまでに完治させることを強く心掛けたのだ。


 休みの日は、直人を外へ連れ出して、手を繋いで歩いた。緊張した直人が何も言えなくなっても、それはそれで奈月にとっては嬉しかった。

 話題に困ったらクリスマスを指折り数えて、楽しみにしていることをアピールした。




 けれども、自分の部屋には一度も呼ばなかった。

 自分の部屋は()()()()()の切り札だったからだ。


 そして、とっておきの日――クリスマスイブ――がついにやってきた。奈月の部屋で、二人だけのクリスマスパーティーが始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ