第5話 狭間からの帰還
魔術を習ってからもう3年程経った頃だろうか。
この時空の狭間にいるので、僕自体の時間は経過していないが、外ではそれぐらい時間が経過している。
あれからも鍛錬をし続けた。
今の僕の力はこうだ。
[ 個体名:レック・ギード
個体属性:光、闇
個体職;勇者
性別:男
体力:1860/1860 術力1680/1680
攻撃力:1520 防御力:1180
敏速力:1200 精神力:□□□
所持スキル:『剣の才Ⅹ』、『剛力Ⅷ』、『勇者覇気』、『光纏Ⅹ』、『奇跡Ⅹ』、『剣技Ⅹ』、『光魔法Ⅷ』、『闇魔法Ⅷ』、
『魔術Ⅷ』、『適応』、『術感知Ⅳ』、『瞬歩Ⅳ』、『空歩Ⅳ』、『魔術混合』、『限界突破Ⅲ』、『障壁Ⅶ』、
『思考加速Ⅴ』、『再生Ⅱ』、『衝撃魔法Ⅴ』、『精密展開Ⅶ』、『闇纏Ⅹ』、『魔王覇気』、『波動Ⅸ』
付与スキル:『神の導き』
称号:『勇者』、『法術師』、『魔王』]
お分かり頂けるだろうか。『魔王』という称号。
この称号が突如として、僕に付与されたのだ。
称号の付与と同時に『闇纏Ⅹ』、『魔王覇気』、『波動Ⅸ』というスキルも発現した。
今から、大体1年位前だろうか。
その日は、いつも通りターナルさんと実戦訓練をしていた・・・。
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『瞬歩』からの『空歩』。そして、空中から『勇聖斬』を畳み掛ける。
「うぉぉぉぉぉ!!」
しかし、敏速力が僕よりも圧倒的に上回るターナルさんは、それを余裕で躱し、魔法を放ってきた。
「『白光爆玉』。」
ターナルさんが放ったこの魔法は、直撃したら白い光と共に爆発するというものだ。
「『光転斬』!」
光を纏った剣で回転斬りをし、『白光爆玉』を弾く。
が、しかし、その時にはターナルさんは更なる魔法を放っていた。
「『光柱突』!」
地面から光の束が放出される。僕は上空に吹き飛ばされた。
そこにターナルさんは畳み掛ける様に魔法を放った。
「『光落底墜』。」
光の束が上空から僕に向けて放たれる。
僕は、もろに直撃し、地面に叩きつけられた。
意識が暗転する。
「こりゃぁやり過ぎたかのぅ。」
ターナルさんは着地しながらそう呟いた。
「こりゃぁやり過ぎたかのぅ。」
レックが地面に叩き付けられて気絶してしまったわい。
解放してやるかの。
儂はレックに近寄って行った。
すると突如じゃ。
レックの体から異様なオーラが放たれたのじゃ。
ゆっくりと立ち上がるレック。
その髪は金髪に紫の混じり毛があるものから、一転。
紫髪の金の混じり毛があるものへと変色していった。
「おい、レック…!!!いや、お前は誰じゃ?」
その者は口を大きくにやつかせると、斬り掛かって来た。
「よぉ、貴様。俺の相手を少しするがよい。」
「ぐぬぅ!!」
儂は後方に大きく飛び退いた。
「『魔王斬』!」
奴は、闇を纏った剣を地面に振り下ろした。
と、同時に斬撃が地を駆ける。
儂は、その斬撃が異常だと察した。
その予感は的中する。
その斬撃は避けても避けても追尾して来た。
「『光護壁』ッ!!!」
儂が当たる直前で放った光の壁でその斬撃は打ち消された。
「ほぅ、貴様やるなぁ!」
「『黒光槍乱突』!!!」
儂の得意な光槍魔法の特級魔法。黒光りする巨大な槍が幾つも出現し、奴に向かって放たれる。
「『常闇の波動』。」
奴の放っているオーラが波動となり、迫る儂の魔法が弾かれた。
「これで終わりだ!」
!!!早い!奴は特級魔法の反動で咄嗟に動けぬ儂の隙を狙って斬り掛かって来た。
「『時間停止』。」
奴の刃は儂の首元まで来ていたが、儂の首を刎ねるどころか傷もつけられなかった。
奴は、斬り掛かって来たままの姿で立ち尽くしている。
そう、時間を止めたのじゃ。
これぞ、基本的に戦闘中使う事が無い、儂の切り札。
「少し眠るがよぃ、『催眠光』。」
眠りを促す効果のある光を放つ。
「『停止解除』。」
再び、時が動き出す。
奴はその場で倒れて、眠った。
一眠りしたら元のレックに戻るじゃろう。
奴の髪がレックの髪に戻っていく。
儂は深く息を吐き出すと、レックの状況を考え始めた。
「ふぁぁぁ…。」
長い間、寝ていた気がする。
僕はベットで目が覚めた。
きっとターナルさんが介抱してくれたのだろう。
眼を擦りながらベットを下りる。
ターナルさんの所へ向かう。
そこで、ターナルさんが僕が気を失っていた間に起こった事を聞き、僕の鑑定結果が写された紙を見せられた。
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そう、そこで僕は、強暴な人格が増えた事と、称号『魔王』と幾つかのスキルが増えている事を知ったのだ。
まさか、勇者の力だけでなく魔王の力も持つ事になるなんて。
それから時々、奴に変わる事が起こる様になった。
ターナルさん曰く、奴は話は通じるが、相当な暴れ者らしい。
ふとした時に人を傷つけないようにしなければ。
今日までかなりの鍛錬をし続けた事により、もうある程度の者には勝てる程の強さになった。
まぁ魔王とかには勝てないと思うけど。
それでだ。
ターナルさんに頼んで、ここから出る事にした。
「有難う御座います、ターナルさん!今までお世話になりました!」
「少し待つが良い、レックよ。このスキルをお前に授けよう。」
ターナルさんが僕の頭に手を置く。
「?」
「今、お前に与えたのは『空間移動』というスキルじゃ。このスキルを使えば一度行った場所ならば想像するだけでその場所に移動出来るぞ。一度でもここに来ている
から本来来れないこの時空の狭間も来る事が出来る。ここは自由に使うとよい。」
「では!」
深々と頭を下げ礼をし、別れを告げ、作り出された裂け目を通って、時空の狭間を出た。
こうして、僕の復讐の旅が始まった。
第5話目です!
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次回もお楽しみに!