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Vanished Kingdom  作者: Vazafila
1章
5/8

Episode Fortitude〔1〕裂け目を通ると、そこは異界であった

はぁぁぁ・・・・・。

深いため息をつきながら、

俺は、深い樹海を彷徨っていた…


/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


俺は、鉄 讖弥(くろがねしんや)、斧伊江高校三年生。

住んでる所は、山の中。毎朝チャリで町にある高校に通学している。

親父は、林業を営んでいる。

俺もたまに手伝ったりするけど、重機はまだ乗れないので斧を使っている。


俺は何だかんだ毎日を楽しく過ごしていた。


その日は、いつも通り朝早くから薪割りをして、朝食を食べ、高校に登校した。

そして、高校からの帰り道、いつもは無い物に気付いた。

それは何かこう…小さな亀裂だった。それもその空間座標上にあるものだった。

それを興味本位で突いたのが愚かな間違いだった。


指で突いた瞬間、その亀裂は大きな裂け目になった。

裂け目の先は、深い樹海が広がっていた。


そして、そこに足を踏み入れた途端、裂け目は塞がってしまった。


ゑ、これ、ヤバいんじゃね?


出口を探そうと樹海を軽く彷徨っていたら、祠を発見した。

中に入れそうなので入ってみた。

結構広い。

そこには、ごつい斧があった。

なんとなくそれを持ってみた。

その瞬間、変な声が頭の中に響いた。


〔ようこそ、この世界に、個体名:シンヤ・クロガネ。

Mの申請により個体名:シンヤ・クロガネの役職を勇者に変換させます。〕


ゑ、勇者?俺、勇者なの?あーーーね。


はぁぁぁぁぁぁ・・・・・。

俺はその場で膝から崩れ落ちた。


・・・・・めんどくせぇ。

だって勇者って、偏見かもしれないけど、毎回ひどい目に合わされてね?

嫌なんだけど、面倒ごとは。

あーーーーーーー・・・。

その時、祠に紫髪の人(?)が3人程入ってきた。

俺を見るなり叫んだ。

「漸く探していた物を感知したぜぇ。おい人間、貴様が持っている斧をよこせぇ!それは我々が探し求めていた物だぁ!!!」

はい。フラグ回収お疲れ様です。

「おい、あんたらこの斧が何だと思っている?」

正直言って関わりたくないが、この斧のことが知りたいのであえてそう聞いてみる。

「ガハハハッ!それが何だって?その斧の力を見る限り、どう見たって創造神器(ヴォジェード)に序列する、"混沌の斧 ゴートルーン"だろうが!」

あほだな。

「おい、何話してんだ。」

「しかし、それこそが我らが永い間探していた斧!」

「まぁ知られてもいいや、どうせお前死ぬし。」

「「「死ね!!!」」」

三体同時に飛び掛かってきた。

おいおい、三対一って卑怯じゃねぇか?

し、死ぬー!!!


そうは、言っても負ける気がしなかった。

何故に?

斧、持ってるから。


俺は、斧の扱いにはとても長けていた(自称)。

そうあれは、俺が中二の時・・・・・。

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

それは、長閑な斧伊江町でも歴史に残る大事件だった。

事件の始まりは、山中をドライブしていた親子三人組が車ごと襲われて亡くなった事だ。

その車についていたドライブレコーダーから、犯人が特定された。

犯人は大きさ3mもある化物熊。

暫くして、斧伊江町の愉快な狩猟会、「血の華を見る会」のおっちゃん達が発見した。

近くで林業の手伝いの際中だった俺も、斧を持ったまま、ちらっと様子を見に行った。

戦闘に入る。

鳴り響く発砲音。

その時、悲鳴が上がった。

なんと、「血の華を見る会」副会長の谷尾さんが銃撃に恐れもせずに飛び掛かって来た化物熊に、引っかかれた。

おっちゃん達が銃撃を止め、谷尾さんに駆け寄る。

化物熊は次にその駆け寄って来たおっちゃん達に近寄って行った。

おっちゃん達が危ない!そう思った俺は、駆けだしていた。

視界が血に染まる。


次に目が映した光景は足元に転がる血塗れの化物熊と、驚いて腰を抜かしている「血の華を見る会」のおっちゃん達と啞然とした町の皆だった。

唐突に強烈な疲労が押し寄せ、俺は崩れるように地面に倒れた。


後日、町は俺の話でいっぱいだった。

町の皆曰く、俺は化物熊に駆けていったその後、手に持った斧で、化物熊を幾度も叩き斬ったのだそうだ。

因みに「血の華を見る会」副会長の谷尾さんは、即日入院したが、来週には退院し、狩猟に参加したそうだ。

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

…とまぁこんな感じの話がある様に斧は得意分野だ。


力任せにゴートルーンを振り回す。

すると、三体は後ろに吹き飛ばされ、壁にぶち当たった。

その衝撃で壁が崩れる。

たっぷりと血を流しながらよろ、よろと、立ち上がった三体の体から、焦げ茶色の縄みたいなのが伸びて、ゴートルーンの刃の部分に繋がっていた。

何となくゴートルーンを後ろに引き上げる。

「お、お前…」

するとどうだ、三体は白目を剥いて、体から魂みたいなのが引っ張られて来て、ゴートルーンに吸い込まれたではないか。

そして、三体はお亡くなりになられたようだ。

ご臨終。

その光景を見て、俺は確信した。

ゴートルーンの能力を。


創造神器(ヴォジェード)" 混沌の斧 ゴートルーン”の能力、一度斬った者の魂を吸収する。」

突然誰かがそう語った。

「驚かせてしまってすいません。私は、叡智の勇者 エレナ・クライツ。」

そう言って崩れた壁から、銀髪の美女が祠に入って来た。

てか勇者?へぇー勇者って俺以外にもいるんだ。

「えぇ、そうです。今、世界には貴方と私を含め7人の勇者が存在しています。」

「!?」

「度々すいません。私、人の考えが読めるのです。」

「へ、へぇ驚いた。」

「ゴートルーンに選ばれし貴方はどなたなのですか。」

「俺は鉄 讖y、ん?いやここは異国だし、シンヤ・クロガネかな。」

そう言いながら、彼女をちらっと見る。

銀髪、蒼眼、服装は白いローブ、んで巨乳。

全て俺の好みだった。

しかも可愛い。

俺の考えてる事が読めたのか、顔を少し赤らめるエレナが口を開いた。

「あの…シンヤさん、貴方のお力をお貸しいただけませんか?」

「喜んで(イケボ)。」

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

……その日出会った、剛毅の勇者 シンヤと叡智の勇者 エレナの二人は、その後、少しずつ世界のうねりに巻き込まれて行く事になる。

投稿が毎度遅くてすいません!

今回の話を見て、また転移系かぁ…と思った人。

そんな落胆しないで下さい!

僕は、読者様をいい意味で裏切れるようにこれからも精進いたしますので、どうかこれからも応援よろしくお願いします!

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