第2話 生まれ変わり
!!…いやまさかね。あのアレン・エルバートが彼な訳な……。
彼の姿をよく見た。
赤い髪と眼。深緑のマント。そして、背中に携えている金色の剣。
伝承で伝えられている姿と一致。
マジかよ。
「なっ…。」
そう驚いていると、アレンは、落ち着いた口調で話を続けた。
「勿論生きてない。この姿はお前の魂の記憶から再現された一時的なものだからね。」
「それって…どういう…。」
「あー、つまりだ、生まれ変わりであるお前にこれを渡しておきたくてな。」
そう言ってアレンは、背中に携えてあった金色の剣を差し出した。
「アレドルス…。」
「ああ、そうだ。この剣がお前を勇気で満たしてくれるだろう。」
「あ…ありがとうございます。」
剣を両手で抱えながらお辞儀をし、顔を上げた時にはアレンは、消えていた。
そして、いつの間にか祠の光も消えていた。
幻覚と幻聴か?と思いながら帰ろうかと思った時、手に重みを感じた。
見ると手には片手剣を抱えていた。
マジかよ。
それにしてもアレンは、僕のことを生まれ変わりと言っていた。
僕がアレン・エルバートの生まれ変わり?]
そんな衝撃的な真実を知ってしまった僕は、山を下りた。
家に帰ると父さんが笑いながら話しかけてきた。
「ぐふっお前、何に驚いてたんだ?」
やはり、聞こえていたか。
「いやー何でもないよ、父さん。」
「そうかそうか、変な奴だなぁハハハ。」
父さんが笑いながら僕の手元に目を向ける。
父さんの目が今にも飛び出しそうなくらい、丸くなった。
「いやいやいやいや、え!?そっ・・・それはぁ!?!?」
「これ?アレドルスだよ。アレン様の。」
「おいおいおい!本物かよ!創世級の剣が目の前に!!」
僕が五回くらい叩いてからようやく落ち着きを取り戻した父さんに山頂で何があったか話した。
父さんの騒ぎを聞いて母さんが何かしらとこちらを見ていた。
「なるほど、つまりお前がアレン様の生まれ変わりで、その剣を託されたということはお前は勇者という分けだな。」
「え、本当?」
「そうだ、お前がアレン様の意志を引き継ぐということだ。つまり、どういう事か分かるか?」
あ、父さんがニヤニヤしている。嫌な予感しかない。
「お前はまだ勇者とは言えん程弱い!そう!明日からの鍛錬は更に厳しくするぞ!」
やはり、そうだったか・・・泣きそう。
そして、より厳しくなった鍛錬の日々が始まったのであった。
それから年月が経つ。
僕は12歳になり、剣の腕はとても上達した。今では王国内でも父さんに並ぶ程まで強くなっていた。
そして、遂にその日がやってくる。僕の全てが奪われたその日が。
第二話目です!
毎度毎度、時間が掛かりすいません!