ソロロロscanning and repairing drive
2020/10末にあった実話
[1日目]
もしかしたらこれが最後の執筆活動になるかもしれない。
だから万が一のためにここに記録を残しておく。
異変の始まりはPCを起動したときに表示された以下の表示だ。
『ソロロロscanning and repairing drive(H:)……』
なんとかスマホで調べてみたところ。
いわゆる記録ドライブ――HDDとかSSDと呼ばれてるやつ――が壊れて自動でエラーチェックを始めたのだ。
そしてこれが実行されている間はPCを動かせない。
しかたないが6時間ほど待つしかなかった。
――まったくもって最悪だ。
[2日目]
それでも翌日には何事もなく起動してくれた。
おねがいだから良い子にしてくれよ。
…………。
よしよっし!
なんとかデータをバックアップ用HDDに移し替えることに成功した。
そして書きかけだった小説を書き上げて投稿した。
色々なサイトを見るとざっくりな話、PCのパーツが寿命という事だ。
だからPCパーツのオンラインサイトを巡って大容量1TBSSDという今までの倍以上のちょっとお高いパーツを買うことにした。
カートに入れて購入ボタンを押そうとした時――。
――『再起動してドライブエラーを修復』――
という新たなメッセージが出てしまった。
またしても謎の修復中というメッセージそして今度は『ETA:24:03:01』という表示。
ETA? これはカウントダウンだろうか?
ちょっと調べてみた。
どうやらこれは復旧予定時間:ETA(Estimate Time of Arrival)の略称だと思われる。
オーノー! 24時間もPCを動かせない!
――だが問題ない。
そんなこともあろうかと古いノートPCを掘り起こしたのだ。
久しぶりに電源を付けたが問題なく起動した。
もちろんネットにつながる。
よし、これで創作活動を再開できる。
しまった色々やってたら夜中の12時ちょっと前だ!
とりあえずコーヒーを炒れて……それから執筆再開だ。
[3日目]
ありのまま今起きたことを述べよう。
コーヒーを入れてたらプログラムの更新のために再起動していた。
久しぶりに起動したから勝手に更新を始めたのだ。
〇イクロソフトめ!!
そうつまりPCが二台とも触れない状態になってしまった。
――ならば最後の手段だ。
スマホからアクセスすれば何とか執筆できるだろう。
スマホの画面操作は慣れないので執筆で使ったことがない。
つまり初ログインだ。
投稿サイトを開いて、ログイン画面が映る。
……ん?
……ログインIDとパスワードだと?
そういった情報はもちろんPCのSSD内に入っている。
だからアクセスキーを得るためにはPCを起動しなければならない。
そう動かせないPCを……。
――チクショー!!
ふ~落ち着け。
これらの問題は時間が解決してくれる。
ETAは20時間を示しているけど仕方がない。
とりあえず寝よう。
コーヒーはアイスコーヒーの刑に処す。
ではお休み!
今朝ETAを見たら53時間になっていて、軽く目まいがしたんだ。
ところがその一時間後にはいつもの起動画面になっていた。
そう、残りのファイルの修復を小一時間で終わらせてくれたのだ。
さっそくPCを起動してPCパーツのサイトを開く。
そして目を付けていたSSDを注文する。
後は注文して2~3日後に交換すれば万事解決だ。
イエーイ!
それにしてもCドライブが壊れたのにちゃんと動くとは奇跡だね。
うん? Cドライブ?
最初に出た表示は確か……。
『ソロロロscanning and repairing drive(H:)……』
drive(H:)つまりHドライブが壊れたという内容だ。
そう思っていたら『再起動してドライブエラーを修復』というメッセージがまたしても出てきた。
何かがオカシイ。
――もしや!?
そこでPCをシャットダウンして恐る恐ると外付けHDDのケーブルを、予備のHDDを、別になくて困らないHDDを外してからPCを起動した。
するとまるで今までの出来事が嘘のようにPCが普通に動いてくれた。
いつものPC画面だ。
お気づきだろうか?
OSの入っているCドライブは最初から正常だったんだ。
コンチクショウめ!
何十時間もこんなことに費やすはめになるとは思ってもみなかった。
ふ~冷たいコーヒーを飲んで少し落ち着こう。
まずはPCショップにアクセスする。
そして『注文キャンセル』のボタンに矢印を持っていく。
――そして。
パニクると視野が狭くなった本当の話。
この後、予備のHDDを買うか、SSDを拡張するか、はたまたネット上のクラウド化に移行するか。
……悩ましい。