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ブレイカー  作者: フィール
序章
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序章:ナムVSクラウン

町の外の金持ちの屋敷……三武家の<マギス>の屋敷に突如として襲撃してきた魔物の集団に対処する為にナムとミナは、それぞれ屋敷の中の魔物の殲滅を実施していた。


その時ナムは、屋敷の中で戦っていた屋敷の主、<マギス>の跡取りトウヤを発見し、それと同時に2人に襲いかかってきた2匹のビースト、<クラウン>との戦闘が始まろうとしていた。


2匹いるクラウンの片方を相手取ることにしたナムは、目の前で警戒しているクラウンを前に、指を鳴らしたり首を回したりしてのんびりと戦闘準備をしている。



「掛かってこいよデカブツ。」



ビーストのクラウンは身長が3mもあり、ブリキ人形のような体とはいえガタイはかなり良い上に、顔はピエロのような造形になっている。

普通の人間なら恐ろしくたまらない魔物であろう。


だが同じ格闘術を使う身、そして人間の中とはいえ最強の格闘家の家系の人間であるナムにとってはクラウンはそこまで強敵では無い。


正直負ける気はしない。



「ナメ……ルナ。」



ビーストであるクラウンからカタコトであるが言葉聞こえてきた。

そしてそれと同時にナムに向かって、まるで道化師のように縦横無尽に移動し、タイミングを見て交互に両手を使ってナムに拳を放ってくる。


それをナムは余裕を持って腕を殴って軌道を逸らし、掌で止めて体へ攻撃が当たるのを防ぐ。


1秒に3回近く殴れる程の速度で攻撃しているのにそれを全て慌てることも無く捌くナムを見て、クラウンはかなり慌てているように見える。


そして咄嗟に右足で蹴りも放つが、ナムは予想してたかのように放たれた右足を片手で掴むと、そのまま2回転した後に屋敷の壁に全力で叩きつけられるクラウン。


意識が遠くなるほどの衝撃を受けたが、咄嗟のところでその場から飛び跳ねて移動する、そして今までクラウンがいた場所にナムの拳が降り注ぐ。

その場で居たら間違いなく倒されていたことに気付いたクラウンは冷や汗をかいている。



「どうした?格闘術を使う魔物なんだろうお前は?」



ナムは一切息を切らしていない。

それに対しクラウンは既に呼吸が荒い。



「来ないのならこっちから行くぜ。」



ナムはその場から高速でクラウンの元へ移動し、クラウンの体へ軽い数度の拳による攻撃をし、最後に右足で蹴りを加えてクラウンをまたもや屋敷の壁に吹き飛ばす。


何度も吹き飛ばされ、そしてナムの怪力によるダメージもかなり蓄積し、かなりの重症を負っているクラウンには、最早全力を出せるほどの力は残ってはいない。

しかし、諦めてはいなかったクラウンは、ナムにせめて一撃を与えるため、1度跳躍し、壁に足を当てた。

そしてそのまま屋敷の壁を蹴ると、まるでロケットのようにナムに突撃する。

今のクラウンに出来る最大の攻撃だった。


普通の人間はあまりの速さと質量に為す術なく押し潰される攻撃だ。


しかし、クラウンは顔に突如と襲った衝撃に意識が朦朧とする。


クラウンの顔にはナムのムエタイという格闘術の膝蹴りが命中していた。

高速で飛んできたクラウンの頭をしっかり掴み、地を軽く蹴って放った渾身の膝蹴りが。


そしてそのまま何度も連続で膝蹴りを喰らわせ、クラウンを上に放り投げるナム。

ここまでやってまだ存命しているクラウンを確認すると舌打ちをするナム。



「やっぱビーストはタフだな、やはり外すか。」



ナムは右手に装着された3つのブレスレットの1つを腕から外す。

途端に元々ビルダー並みのガタイを持つナムの体の筋肉が更に膨張していく。


三武家のブロウはその怪力と格闘術、体が凶器となる。

普段は筋力をかなり下げて生活しているのだ。


この筋力低下の呪いと呼ばれる弱体魔法を付与したブレスレットによって。



「久しぶりに外したぜ、あばよ……クラウン!」



落下してくるクラウンに向かってナムは右手を構えると、全力で頭に向かって拳を振り上げる。


それはクラウンに見事に命中し、頭がまるでザクロのように弾け飛ぶ。



「いっちょあがり。」



ナムのすぐ近くにクラウンの亡骸が落下し、再び腕にブレスレットを装着して筋力を戻すと、ナムは大きく欠伸をしたのだった。


クラウンは本当はかなり厄介な魔物です。

相手が悪かったのです。

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