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ブレイカー  作者: フィール
2章
46/156

2章:過去の因縁

マッド・ウルフとの戦闘開始の報告があってから、10分程経った執務室内。


そこにはいがみ合うダルゴとナム。


それを不安そうに後ろで見つめるケンジとジン、そして数名の軍の人間達がいた。



「貴様の仲間はしっかり働いているだろうか。」


「口の減らねぇオヤジだぜ、安心しとけ。」


「上官をオヤジ呼ばわりするとは、やはり貴様は醜い獣のような男だな!」


「何が獣だ!?こいつ!!」


「やるか?」



4つめのブレスレットを装着し、筋力がかなり落ちているナムは傍目から見るととてもブロウの人間とは思えない状態であった。


それでも彼の正体を知っている人間なら喧嘩を売るなど自殺行為である事は分かりきっている、このトラルヨーク軍司令官のダルゴを除いて。



「筋力は一般人まで落ちたが、格闘技術はそのままなんだぜ?」


「ふん!噂では全ての格闘術を師範以上に極めてるらしいな……どうだか!」


「少なくともてめぇよりは極めてるぜ……そんな事より暇だな。」



ナムはそう言いながら執務室の南側の窓から町を眺める。

最高階の5階に位置するこの執務室は、基地の中心でありながら外の様子が見える。


そこには赤い衣装を着込んだ男達が怒涛の勢いで何かを攻撃しているのが見えた。



「南はリィヤだったか、まぁアイツなら問題ねぇだろ。」


「あの少女……そんなに強いのか?」



ナムの近くに寄って声を掛けてきたケンジ副司令官を一瞥したナムは、直ぐに視線を外に戻す。



「アイツは俺の拳を耐えるバリアを持つ……試したのはブレスレット3つの状態ではあるがな。」


「ブロウの拳を……!?そりゃ凄い。」


「マギスの最上位魔法すら耐えてたぞ、流石に辛そうだったがな。」


「とてもそんな人間には見えませんでしたね……本人は強いのですか?」


「いや……本人は滅茶苦茶弱い、ちょっと走るだけで息が上がるレベルだ。」



ナムの言葉にケンジは納得したように頷く。



「その力に特化した人間なのですな。」


「アイツが居なかったらこの町も大きな被害を受けてたかもしれねぇんだぜ、例のアクセサリーの話は知ってるだろ?」


「部下から報告を聞いた時は肝が冷えたよ、あの後回収したけどかなりの人間がサジス博士製のアクセサリーを所持していたんだ。」


「そりゃリィヤに大感謝だな。」



あの戦いでは彼女がいなければサジスを止められなかっただろう。


彼女だけではない、タイフも居なければリィヤの屋敷で自分は死んでいた可能性が高いことも理解していた、彼がスノーマンの攻撃を未来眼(サーチ)の力で止めてくれたからこそナムは今ここに居る。



「案外三武家ってのは弱い存在なのかもしれねぇな?」


「え?」


「独り言だ。」



ナムは1人笑いながら南側の猛攻を眺め見る。

徐々に戦意喪失した者が現れ始めているようだ。



「南は問題ねぇな、東と西はあの2人だし……問題はタイフだが、まぁあの力がある上に完璧に使いこなしてるアイツに勝てるやつもそうはいねぇ。」



ナムは自分の仕事が無いことに気付いて楽やら暇やらと内心思いながら窓に背を向けようとする。


しかしナムは途端に表情を固くすると再び窓を見た。



「おいオヤジ、ここで物音がするとしたらどこだ?」


「答える義理は無いが特別に答えてやろう、下の階である作戦室、ここに来るための階段、後は貴様の震える足だな。」


「ほほう……言うじゃねぇか、この基地の入口は俺の仲間達が守ってる4つしかホントにねぇんだろうな?てめぇが逃げる為の隠し通路とかは?」


「馬鹿者め!!そんな物は存在せん!儂が逃げる必要が何処にある!」



ナムは額に青筋を浮かべながら、窓から距離を置く。



「となると俺が聞いてるこの物音は……()()()。」


「物音?詳しく話せ。」


「耳を傾けるだけの理性はあるんだな、俺は微かに物音を聞いている…まるで歩くような、いや……その話聞いたら()()()()()()()()()()()()()()!」



「貴様の幻聴であることを祈ろう、総員窓から離れろ!!」



ダルゴの司令を聞いた軍の人間たちは、まるで物音に驚いた小動物のように窓から離れ、そして隊列を組む……とはいえ10人もいない人数ではあるが。



途端に窓の下からモーニングスターやピッケルのような武器が窓に叩きつけられて窓を粉砕すると、執務室内に血のように赤い衣装を着込んだ人間が10人ほど飛び込んでくる。


そして最後に同じく赤い衣装だが、他の人間とは違い衣装の前を開いたまま着込んでおり、肋骨が浮かぶほど痩せている男が飛び込んでくる。



「貴様の耳は辛うじて使い物になるようだな。」


「なぁにが入口は4つだけだ、外は無警戒だったのか?」


「ふん、次警戒するようにすれば良い、ここまで侵入させた部下には後で手痛い罰を与えるとしよう。」



ダルゴの言葉に部下達はざわめくが、最後に入ってきた男が前に進むと全員その男に視線を向ける。



「マッド・ウルフのリーダー……<ビネフ>ダ、以後よろしク。」



ビネフと名乗った男はそう言って腰元から丸い何かを取り出すと、ナム達に向かって放り投げた。



「……あれは!!」



ナムが咄嗟に前に走り出してその丸い物体を拳で捉え、割れた窓から外に文字通り叩き出す。



それから数秒後、窓の外で炸裂音と共に少しの衝撃が発生した。



「ちっ、なんだお前八?」


「てめぇ……いきなり爆弾投げるとか正気か、仲間に当たるだろ。」


「そんなことで死ぬような訓練はしてないサ、まさか拳で手榴弾を弾き飛ばすなんてネ。」



ビネフが背中から2丁のサブマシンガンを両手に構えると同時に、彼の仲間達はそれぞれナイフ等の軽量武器を構え始めた。



「マッド・ウルフ暗殺部隊、ボクの近衛隊だヨ。」



ビネフの言葉と同時に、10人の彼の仲間達はそれぞれ一定の距離を保ちながら突撃してくる。



「ケンジを筆頭に応戦せよ、決して1対1になるな!余った分はそこの馬鹿者に任せろ!」


「全部俺でもいいんだぜ?」


「ごちゃごちゃ言ってる暇があったら動け!馬鹿者!」



ナムはニヤリと笑うと、10人のマッド・ウルフのうちの左半分へと突撃する。


そしてその反対側の右側の集団にケンジ率いる軍の人間達が応戦し始めた。


突如として現れたマッド・ウルフとの決戦が始まったのだ。





「くそ……まさか壁を登ってくるなんて、後でダルゴ司令官にドヤされるな。」



腰からレイピアを抜き放ったケンジは、彼に襲いかかろうとするマッド・ウルフの1人と相対する。


ナイフを構えたその男を真っ直ぐ見つめ、レイピアを真上に向けたまま静止していたケンジは突如として動き始め、マッド・ウルフのナイフを絶妙な角度で捌いて空振りさせると、すかさず高速で真っ直ぐに刺突を繰り出す。


それをギリギリで避けたマッド・ウルフの男は姿勢をすぐさま取り戻し、逆手持ちナイフを振り上げる。


それをケンジは咄嗟に飛び退いて避け、すかさず再び高速で真っ直ぐに刺突を繰り出した。



「くっ!?」


「コレでも軍の中でトップの剣士でね、舐められちゃ困っちゃうな。」



ケンジからの連続の刺突を軽やかな動きで避け続けながらナイフを繰り出すマッド・ウルフの人間だったが、ケンジは完璧に対応して見事彼の足にレイピアを命中させる。



「ぐあぁ!?」


「いい動きだ、ヒヤヒヤしたよ。」



ケンジはその男が足を押さえてその場で動けなくなったのを確認すると、部下達と応戦してる他の人間達へと向かう。



そして、マッド・ウルフに向かって銃で射撃をしているジンの元へ向かうと、彼を守るように前に立つ。



「流石副司令官ですなぁ。」


「いやぁ……強いよ、部下に欲しいくらいだ。」


「勧誘しますか?」


「まさか!」



会話の隙をついて投擲ナイフを投げた男を確認すると、ケンジはそれを見事なレイピア捌きで弾き落とし、ステップをしながら距離を詰める。



「くそ!ナイフを剣でたたき落とすなんて!」


「捌けなきゃ当たるだろ?痛いのは嫌でね。」



マッド・ウルフの男は慌ててナイフを構えるが、ケンジのスピードはそれよりも早く、彼の足にレイピアを全力で突き刺した。



「ぐぅ!?」


「しばらくそこで動くなよ、頼むから。」



そう言ったケンジの後ろで銃撃の音が鳴り響き、慌てて振り返る。


死角からもう1人のマッド・ウルフの人間が近付いていたようだったが、ジンからの射撃で肩を撃ち抜かれた彼は痛みでのたうち回り始める。



「油断大敵だねぇ。」


「助かるよ、ジン。」



ケンジとジンはお互いに背中を合わせると、部下達の様子を見る。


3人で1人と戦ってるお陰か、相手もがむしゃらに攻められないようでまだ被害は無いようだ。



「半分あの人が引き受けてくれて良かったな。」


「全くだねぇ。」



2人は周りを警戒しながらナムの方へ視線だけを向ける。



「おぉ……!?」


「コレが三武家か。」



彼らの視線の先でナムは既に3人を気絶させており、残った2人もその様子を見て完全に恐れてしまって腰が引けている。


1人は壁にもたれ掛かるように、1人はうつ伏せで、1人は仰向けで。

それぞれ気を失っていた。



「さっさと来いよ。」


「有り得ないだろ、なんで武器も持ってないコイツに3人とも呆気なく倒されたんだ!?」


「くそぉぉぉお!!」



1人がナイフを両手に構えて大きく声を上げながらナムに突撃し、両手を同時に斜め上から振り下ろした。



「やけくそは良くねぇな、もっと考えて動きな。」



そのナイフを最早白刃取りするまでも無く、攻撃の為にかなり近くにいた相手の人間の鳩尾へナムは右手のひらをそっと触れさせ、姿勢を変えないまま相手を後方へ吹き飛ばす。


声もなく吹き飛んだ男は壁に激突するとそのまま気を失った。



「な、なんだ……なんなんだこいつは!?」


「お前ら相手に本気出すわけにもいかないから、これでもかなーり手加減してんだぜ?」



マッド・ウルフの男は目の前で起きた光景を理解できずにいた。


背後から攻撃したはずの仲間が、視線を向けないまま彼に掴まれて床に投げられ仰向けで気絶。


その奇襲を成功させるため、わざと敵の前で挑発するように戦ってた仲間をついでのように高速の正拳を腹に叩き込んで壁に吹き飛ばし。


そして3人目はそれに慌てて攻撃しようとしたが、突然仲間の体をまるでおもちゃの飛行機を飛ばすかのごとくに回転させ、そのまま床に叩き付けられうつ伏せで気絶。


そして、今の4人目である。



「あの動き……まさかあいつはさんぶ……!」


「戦闘中に考え事か?」



マッド・ウルフの男は背筋を凍らせる、あの男の姿がいつの間にか目の前に来ていたのだ。



「あっ……あっ!?」



あまりの衝撃に反応が遅れたマッド・ウルフの人間に、ナムは容赦なく腹へ拳を叩き込み、声もなく最後の一人が崩れ去った。



その様子を遠くから見ていた2人は顔を合わせる。



「本当に味方で良かった。」


「全くだね。」


「おい油断すんな、リーダーがそっち行ったぞ!しっかり見てやがれ!」



遠くから聞こえたナムの言葉に2人はハッとすると、辺りを見渡す。



「これは予想外だヨ、まさかボクの仲間がこんなにあっさり倒されるなんてネ!」



ケンジとジンは声の聞こえた方向へ視線を向ける。


そこにはダルゴが立っており、彼も声の方向へ視線を向けていた。



仲間達が戦っている間に、ナムが戦っていた方向とは逆の方向に音もなく移動していたビネフは、いつの間にかダルゴの後ろへと移動してサブマシンガンの照準をダルゴに合わせていた。



「グッバイ!」



目を見開くダルゴをニヤけた顔で見ながら、ビネフは銃のトリガーを引こうとする。



「あめぇよ、俺の方向から近付かない所を見ると頭は回るようだがな。」


「!?」



ビネフの背後にいつの間にか移動していたナムがビネフの武器を1つ取り上げ、驚いたビネフがナムに向かってもう一丁のサブマシンガンを向けるが、ナムはそれを左手ではらうように吹き飛ばす。



「ぐッ!?」


「俺がいた事が運の尽きだったな、いなければ間違いなくお前の勝ちだったろうよ。」



ビネフは慌ててナムから距離を取り、腰元から戦闘用ナイフを取り出すとダルゴに向かって走り出す。


ナムはため息を吐きながら、それを追おうとしたがそれを取りやめた。


ダルゴが手を前に出してナムを制止したからだ。



「なんのつもりだアイツ。」



ダルゴは指を鳴らすと、近付いてくるビネフを真っ直ぐ見つめ、そして拳を振りかぶる。



「舐めるなぁ!!」



ダルゴの予想外の動きに、流石のビネフも慌てて頭を傾けるが、頬に拳がかする。


その拳が初心者のそれではなかった事が、ナムさえも驚きの表情に変えた。


ビネフは咄嗟にダルゴに向かってナイフを振るうが、ダルゴは軽やかな動きでそれを避けると、ビネフの頬に一撃打ち込む。


予想以上の威力にビネフはフラフラと後ずさりし、口から血を吐いた。



驚愕の表情から真顔に戻ったナムは、ビネフから目を外さずにダルゴに話しかけた。



「やるじゃねぇか、強かったんだなオヤジ。」


「何を馬鹿なことを言ってるのだお前は?」


「あっ?」



額に今日何度目かの青筋を浮かべたナムを無視して、ダルゴは腕まくりをして首を回し始めた。



「軍が守るのは儂ではなく町、そして町人だ。

ならば軍の部下は誰が守る?それは司令官である儂だ!

なのに儂が弱かったらその役目を果たせん!無駄に護衛が付く!!正直ここに10人近くも待機させておるのすら儂の力不足だ!!そんな馬鹿でも分かることを貴様はわからんのだな!流石は大馬鹿者といったところだ!」



当然と言わんばかりの強い表情でそう言い放ったダルゴに、ナムは呆然とした表情を向ける。



(こいつ……!)



ナムはその言葉に、青筋を立てるわけでもなく感心していた。


こんな性格だが、ダルゴはかなりの部下思いの男だった。



(意外に慕われてる理由がわかった気がするぜ。)



正直まだそんなに得意な人間ではないが、ナムの中でダルゴへの評価が変わった時だった。



「守るのは町人……?笑わせル!!」



ナムとダルゴが視線を声のした方向、ビネフへと向けた。


青い頬を押さえながら、ナムとダルゴの間に居たビネフは、2人から離れるように距離を取った。



「何がおかしいんだ?」


「おかしいことこの上ないヨ!この男の言ってることはネ!!」



ビネフは口から流れる血を拭いながら、その言葉とは裏腹に怒りに満ちた表情をしていた。



「軍が町人を守るなラ……何故<ロイス>を殺しタ!?」



ビネフの発した名前を聞いたダルゴは目を見開く。



「ロイス……知っておるぞ、10年前に討伐されたヒューマン……ネイキッドの名だな……?」


「討伐……?ふざけるナ、アイツ八……ボクの親友だったロイス八……お前たちトラルヨーク軍が虐殺したんダ!ヒューマンだと言うだけデ!全く抵抗もしなかったアイツを容赦なク!!」



ビネフは再びダルゴに向かって走り出し、ナイフを振るう。


それを少し遅れて避けたダルゴは頬に一筋傷を作りながらも拳を振るうが、ビネフはそれを避けて距離をとる。



「アイツは良い奴だっタ……心優しい人間だっタ!確かに正体はヒューマンだったかもしれなイ!だがボクにとっては大切な存在だっタ……なのにお前達八……!!」



ビネフは姿勢を低くしてダルゴに近付くと、真下からナイフを振り上げる。


ダルゴはそれを足で何とか腕を蹴って軌道を逸らす。


そして今度はダルゴが距離を取り、慌てたケンジとジンが彼の前に立つが、2人ともダルゴに横に突き飛ばされて端に追いやられる。



「だからボクは決めたんダ、何年かけてでもロイスの仇を討つト……長かったヨ、孤児や貧困で生活出来ない人間たちに接触して少しずつ組織を大きくして彼等を救っタ、そして鍛えタ、武器も揃えタ!」



ビネフは怒りの表情を緩めることなく、目の前の仇を真っ直ぐ見つめていた。



「ボクは負けられないんダ、例えどんな強者が敵にいようとモ、貴様だけは殺してやル!!」



ビネフの言葉を聞いていたナムは、構えていた拳を下ろした。



(これは、俺達が掻き乱していい戦いではなかったぜ。)



ナムは若干の後悔をしながら、2人の様子を黙って見ていた。


ダルゴ自身もそんなナムに文句を言う事もなくビネフを真っ直ぐ見つめる。



「……そうか、貴様の言い分はそういうことだな?」


「そうダ!命乞いは聞くつもりはないゾ!?」



ビネフはナイフを再び構えると、ジリジリとダルゴに近付く。



「その事件の時の司令官はもう退任しておる、儂はあくまで就任して1年程度の新任でしかない、その事件も貴様から聞くまで詳細すら知らなかった。」


「それがどうしタ!?命乞いは聞かないと言った筈ダ!!軍がロイスにしたように、弁明もさせずに殺してやル!!」



ダルゴはビネフの言葉を聞きながらも、反論もせずに上着を脱ぎ捨てる。



「命乞いなどせん、勝つのは儂だ。」


「……なニ?」


「前任がやらかしたことだが、貴様の怒りは至極真っ当だ……ならばトラルヨーク軍司令官として責任を取らなければなるまい!」


「なら早く死ネ!あの世でロイスに謝ってこイ!!」


「殺してみろ……やれるものならばな!あくまで貴様と儂の一騎打ちの勝負だ、仇を取ってみろビネフ!!」


「言われずともそうしてやるヨ!!」



ナムは慌てているケンジとジンに2人から離れるように指示を出す。


それに渋々承諾した2人は、ナムの近くまで寄ってくる。


遠くの方で残っていたマッド・ウルフのメンバーも軍の人間との戦闘を取りやめて様子を伺ってるように見えた。



「集まって貰っといてすまないけド、手を出すなヨ?」


「わかった、お前のやりたいようにやれビネフ!」


「貴様らもだ!」


「はっ!」



ダルゴは視線をナムにも向け、ナムの頷きを確認すると視線を外す。



2人の因縁の対決が幕を開けようとしていた。

この話で決着のつもりが長くなったので1回区切ります。

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