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3.初めての※※と※※※

本日最後の三話目です。

 青空に響き渡るミウの声、しかしどれほど声を荒らげようも何も変わらなかった。

「まぁ、私の声を聞きつけて誰かが来たらそれはそれで困るけどね」

今の私は下着一丁、確かにこんな姿で見知らぬ誰かに会うわけにもいかないからね。


 先ずは自分が何が出来るのかを見極めないと……『ステータスボード』

目の前に半透明のボードが現れ私のステータスが表示される。


===========

名前:ミウ 種族 :人間

年齢:13 レベル:1

生命力:10 魔力:--

筋力:05 器用:10

敏捷:05 知力:20


スキル:錬金術(☆10)・魔法道具作製(☆10)・解体術(☆10)・鑑定術(☆10)・収納術(☆10)

    調薬術(☆10)・魔力制御(☆10)・並列発動(☆10)・詠唱破棄・高速発動

    火魔法(☆10)・風魔法(☆10)・土魔法(☆10)・水魔法(☆10)

    光魔法(☆10)・闇魔法(☆10)


EXスキル:自動収納(☆10)・自動解体(☆10)・錬金時短(☆10)・魔法創造・錬金創造


加護:冥府の渡し守・シャロン(不老長寿、そうそう世界エネルギーは貴女の魔力に変換されているから魔法が使い放題よ)

==========


 どうしてこうなった……落ち着け、先ずは落ち着け。ツッコミ入れるのは服を何とかしてからだ!

そう自分に言い聞かせながら改めてステータスボードを眺める。

名前、種族、年齢、これらは良し。レベル、レベル&スキル制らしいからこれも良し。

生命力とか筋力だとか、数値化する世界なのですね……気になる部分がありますが基準が判らないので後回し。

スキルの方は、スキル名に注目すると【鑑定術】によるスキルの説明文が出てきましたね。


==========

錬金術(☆10)

☆10以下の素材を錬金調合出来る。

粉砕(☆1)、抽出(☆1)、調合(☆1)、分離(☆3)、合成(☆4)、

変形(☆5)、接合(☆5)、付与(☆6)、融合(☆8)

==========


 なる程、スキルの横の星はレベルでそれ以下の素材や魔法が使えると……、その下のはそのスキルで出来る事とその習得レベルって事なのね。しかし、コレでどうしろというのでしょうか?

書かれていたのは【粉砕】だの【分離】だのの技能だけ、料理に例えるなら【焼く】や【煮る】が出来るだけで、何と何を組み合わせて……の肝心なレシピが判らない状態ですね。


 他のスキルもひと通り見ていきますか……

【魔法道具作製】魔力や魔石などで可動するレベル以下のアイテムを作製する事が可能になる(ただし武器や防具に分類されるものは不可)

【解体術】レベルが上がる毎に綺麗に解体でき、得られる素材の量や種類が増え希少部位の入手確率が上がる。

【鑑定術】凝視するとそのスキルレベル以下の物を調べる事が出来る。

【収納術】レベルが上がる毎に収納容量が増加し、収納物をリスト化しソート、収納空間の時間進行を変更する事も可能。

【調薬術】レベル以下の薬草などの薬種で薬を作ることが出来る。レベルにより成功率や品質が上昇する。

【魔力制御】消費する魔力を変化させることで魔法の威力を変えたり、精密な操作をしやすくなる。

【並列発動】複数の魔法を同時に発動させることが可能になる、無意識下で常時維持させておく事も可能。


【詠唱破棄】複雑な詠唱をせず呪文名だけで魔法を発動する。

【高速発動】魔法を任意に即時作用させることが可能。


【火魔法】【風魔法】【土魔法】【水魔法】【光魔法】【闇魔法】

魔法は属性が違うだけで単体攻撃のアロー(☆1)、小規模範囲攻撃のボール(☆3)、壁を創るウォール(☆4)中規模範囲攻撃のストーム(☆6)、大規模範囲攻撃のフィールド(☆8)と全て共通。

なんと言うか汎用性に乏しいですね? 何でこんなに攻撃方向に偏っているのでしょうか? 


 普通のスキルと分けられた、こちらのEXスキルってのは強力で珍しいスキルとの事らしいのですが

【自動収納】と【自動解体】は魔物など倒した物を収納して使える部位に解体選別してくれる。

私が魚すら捌けないと言ったからこの2つのスキルを作ってくれたのですね。


【錬金時短】時間が掛る錬金工程を特殊な素材を除き即時終了させることが出来る。

これは何気に便利ですよね、三日三晩煮込むとか言われたら大変ですし


 さて、問題はこの2つか……

【魔法創造】対価として大量の魔力を必要とするが、新しい魔法を構築し使用出来る。

【錬金創造】創りたい物を指定した材料で創れる、ただし品質や性能は指定した材料に依存する。

……何ですかコレは! この2つだけで前にあった魔法や錬金術関係のスキルが全部無意味になっちゃうじゃないですか!


 そして、シャロンさんの【加護】!

【加護】神や精霊に認められ護られた者に与えられる特別な力。

シャロンさんは死後の世界に連れて行く渡し守だったのですか、三途の川の船頭さんですね……でも


 「長寿はともかく、不老って……まさか私はずっとこの年格好のままですか? 将来は合法ロリ確定ですか? って言うよりコメント! シャロンさんからの私信まで入っているじゃないですか! 」

堪えきれず思わず大声でツッコミをしてしまいました、魔力に数値が書かれてない理由はコレでしたか。


「落ち着け、とりあえず落ち着け……まずはこの周囲の草を使って【錬金創造】で服を造るのが無難だろうけど……」

しっかりと根を張っていて、道具も無く素手で引き抜くのも大変そうな立派な草である。


「普通に思いつくのは鎌鼬みたいな風で切る魔法なのだけど……早速リストに載ってないし……刺して貫く刺突系の魔法も無いし……魔力を上げて物理で殴る的な物ばかり……鎌鼬魔法を創りますか……【魔法創造】! 」

前方に出したミウの両手の間に光が集まり頭の中に創り方が流れ込んでくる。


「風の刃が草の根元を切り裂きながら進む姿を想像して……」

イメージしていく毎に両手の間の光が魔法陣を形成していく。

そして、鎌鼬のイメージを補完する為にミウが右手を横に振りながらキーワードとなる呪文名を唱える。

「【ウインドカッター】! 」


 地平スレスレに現れた不可視な風の刃がミウの前方に扇状に広がり陸上競技が楽々出来る広さの草を一気に刈り取った。

【魔力制御】で威力を上げて無かった筈なのでコレが基本火力なんですか?

「……もう少し手加減……ウヒャン! 」

突然ゾワゾワした感触が全身を巡りミウは思わず変な声を出してしまった。


 あー、切った草が【自動収納】で回収されて分別保管されてる感触なのか……この感覚は慣れが必要ですね。

て言うか、あんな遠くの物でも自動で回収しちゃうのですか? コレも十分に壊れ性能ですね……


 収納物のリストを開くと大量の草と石、ウサギの肉と皮。

「ウサギ居たんだ……そして切り裂き、解体して、収納していたと? 後でスタッフが美味しく頂きましょう……」


一番多く手に入った草を鑑定すると、

==========

スッキー草(☆1)

繁殖力旺盛な何処にでも生えている雑草

==========

ウサギの毛皮と言う気温でも無いし、やっぱり材料はこの草で……私のサイズに合ったワンピース!【錬金創造】!


 私の両手の上にワンピースが完成した。【錬金時短】の効果が発動し制作時間は一秒未満。

「何? 今の一瞬過ぎてよく見えなかった……」

それではもう一度その錬金プロセスを見てみよう、とか言いたくなるわね。

超スロー再生で見ると、広げた両手の間で収納から出てきたスッキー草が繊維質に分解されながら編み込まれ形を成していく、そして私の手の中に一着の服が現れた。

==========

薄緑のワンピース(☆1)

スッキー草の繊維で編まれたワンピース。少し青臭い

==========


 ミウ、初めての魔法と錬金術、成功しました。

此処まで読んで頂き、ありがとうございます。

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