第1話 未知との遭遇
思い出そうとしていた、とは言ったものの、結局俺が思い出せたのはやっぱりどうでもいいことだけだった。
窓際の後ろから2番目の席のあの子のことも、声以外は何も、顔や名前すら思い出すことができなかった。
何故、今まで気にもしてこなかったし思い返そうともしなかった子供の頃のことが気になっているのか。何故、重要なことは何も思い出せないのか。
不思議なことはいくつかあったが、子供の頃の記憶なんて、覚えている方が珍しい、と。そう思い、そう思い込むことにして、そろそろこの一日に終わりを告げようと布団を敷いていた、まさにその時だった。
ガタガタガタガタガタガタッ!
と、まるで地震でも起きたかのように、家全体が小刻みに震えだした。次第に揺れは大きくなり、家全体が軋んでくる。
が、しかし、ここは地震大国日本。俺はこの二十数年間を地震とともに歩んできたと言っても過言ではない。いや、過言なのだが。
まあとにかく、決して地震を侮ることなく、かつ冷静な判断をしたと思う。俺は万が一玄関や窓が歪んで開かなくなった時のために、避難経路確保の為あらかじめ窓を開けることにした。窓が割れても破片で怪我をしないよう開いてない方の窓にカーテンをする。ミッションコンプリート。あとは物が落ちてきても安全な部屋の中央で地震が収まるのを待つだけ。そう思っていた。
結果として、俺は部屋の中央へ行くことはできなかった。
何故なら、窓の外、住宅街の真っ暗な空で何かが高速で飛行していたからだ。
次第にその飛行物体は、大きさを増していった。
あれ、こっちに向かってきてね?
そう思った瞬間、俺は悟った。これは地震などではなく、あの物体が高速で飛行していることによる地鳴りなのだと。
確かに俺は言った。伊達に日本で生きてきたわけではないと。でもこれ、地震じゃないじゃん。
冷静タイム終了。
何かがこちらに迫ってきていると知った瞬間、俺は猛烈なパニックに襲われた。
やばいやばいやばいやばいやばいやばい!!まだやり残したことはたくさんあるのに!とりあえずパソコンのハードディスクをぶち壊したい!これ転生できるパターンだよね!!目が覚めたら変な空間にいてチート能力で俺TUEEEEできるパターンだよね!!
そんなことを考えている間にも何かはどんどん迫ってくる。
ああ、俺こんなよくわからないので死ぬんだな。さようなら、現世。覚悟を決めて目を瞑る。もう電車が間近で通るときとかそういうレベルじゃないくらい地鳴りがヤバイ。
「くそっ!ドドドドド…っぱり!ドドド……んな変なドドドドドド…に方しドドド……くなかドドドド…よ!ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドいや地鳴り長くない!?」
思わず目を開けると、そこには長い黒髪に真紅の双眸、スタイルも良く整った顔立ちの
「ドドドドドドドドドドドド」
俺の耳元で声帯模写をする、まぎれもない変態がいた。
「我が名はエイリアンのエイスリン!!気軽にエイ子ちゃんとでも呼びたまえ!!!ドドドドドドドドドドドド」
……なんだろう、この状況。
ヒロイン?が登場しました。
なんとかギリギリ連続投稿。
慣れるのに時間がかかりそうです。
書きだめすりゃよかった……




