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《樹花草綴り》

鎮魂の銀杏

作者: 藍蜜 紗成

 はらり ひらひら 涙は落ちて

 ひらり はらはら 我が葉も(なげ)


 (いた)(いた)やと声が()()

 我が葉に魂の(しず)めを

 祈り(ねご)うたな?


 しわがれ声としわくちゃの手が

 (いく)ばくも残さぬ時を分け

 我らは共に幸福であった


 ()()く時よ流れようよ

 我が友よと(かた)らうたのを忘れたか?


 失うは辛い 友よ ()いて()くな

 お前を送るは辛いのだ


 この舞い落ちる葉がお前の時となればと

 どうにもならぬは知っている されど


 ()くな ()くな

 ()くな ()くな


 寂しいのだ 友よ

 お前はもう おらぬのか?


 ほれ 道を黄色に染めたぞ 怒らぬか

 さぁ (うま)い実を付けたぞ 拾わぬか


 見よ ()(ざま)扇葉(おおぎば)が 黄の色が

 見事だと 友よ お前はもう誉めてはくれぬのか?


 はらり ひらひら 涙は落ちて

 ひらり はらはら 我が葉は(なげ)


 (ただ)一人の友を思い 鎮魂(ちんこん)落葉(らくよう)



 銀杏(ぎんなん)の実は (いま)だ苦い


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― 新着の感想 ―
[良い点] 深まり行く秋の切なさを感じますね。 銀杏をつけたということは♀のいちょうなのでしょうが、老いて行き(銀杏を)置いて逝く友人への思いがヒシヒシと伝わってきました。 しかも結構切実に(T-T)…
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