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54. ムルムル
公爵の悪魔。
音と思想を操る吟遊詩人。
白い羽毛を散らしたマントを纏い、琥珀色のリュートを奏でる姿で現れる。
ムルムルは声と言葉を通して人々の心を導く存在であり、召喚者には「雄弁」と「共鳴」の力を授ける。
その旋律は人の心を癒やすことも、戦意を高めることもでき、まさに“音を支配する魔”。
また、哲学・倫理・歴史を深く理解しており、詩や音楽を通して真理を語る学者でもある。
彼の歌には世界の記憶が宿り、かつて存在した国々の興亡をも語り継ぐ。
穏やかで優しいが、その微笑みの裏には、永遠に続く孤独が潜んでいる。
ムルムルの音色は、美しくも切ない魂の記録であり、聴く者の心に永遠の余韻を残す。