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51. バラム
王の悪魔。
予言と欺瞞を司る三つ頭の魔神。
男の頭、雄牛の頭、羊の頭を持ち、蛇の尾を持つ騎獣に跨って現れる。
その声は三重に響き、語るたびに真実と嘘が交錯する。
バラムは「過去・現在・未来」を見通す力を持つが、同時にそれを混乱させる。
召喚者には未来を読む術を授けるが、それは常に曖昧で、受け取る者の精神を試すものとなる。
彼は真実の裏側にある“認識の歪み”を理解させることで、人間の限界を超える洞察を与える存在である。
外見は恐ろしいが、その中には深い知恵と冷たい慈悲が宿っており、
己の予言によって滅びを招くことすら覚悟している。
バラムは「真実とは、受け取る者によって姿を変える幻」と語る賢者の王である。