第五話『服従と反旗の傀儡』2/2
恭介「で――この結末は俺としてはいささか不満を唱えるが、貴様はどう見る?」
正明「ヒヒヒ、百点満点中120点ですよ」
恭介「ほう。秘策とやらか」
正明「ッハ。んなもんねーよ」
恭介「……?」
正明「ついでに言うとロクさんも干渉する気ねーな。さっきのはハッタリだ」
恭介「ふむ……」
厨二病の象徴である黒くて長いコートが夜に揺られる。
正明「もっと言うなら、それらブラフを見破ったとしても問題ねーんだわ」
恭介「唆られる(そそられる)言い回しだな。問おう」
正明「事実はオレがラシェルを殺してえって思う感情だけだ。あとはブラフか本命か、あのガキからしても推測の域だ」
正明「で、だ。それとは別の話で。どうせ強すぎるシャークのラシェル様はカモがいねーみてーなんだ」
恭介「その根拠は?」
正明「あの男女を上の存在として見ていた。カモなら対等に噛み付くし、六道の人間じゃない別の情報源が多数ある」
正明「話を戻して、カモがいないなら、よ」
正明「オレがそいつらを食いまくって。食いまくって食いまくって、そっからラシェルとぶつかるってのが最高のシナリオなのよ」
正明「オレと――ラシェルにとってな」
恭介「ふふ。なるほどな――」
正明「どうせあのガキは今日の事を嬉々としてラシェルに報告するだろ。こっちの話をどこまで鵜呑みするかはしらねーが、オチはラシェル自体にも旨味があること」
正明「そうなりゃ逆に積極的に情報を提供してやれ。むしろオレのポーカーの実力を底上げしてやれとまで言うかもな」
恭介「傀儡は傀儡。服従の意思を持たぬ故、と?」
正明「そのとーり。あいつはラシェルを崇拝してるからな」
ふむ、と頷くと一度恭介は月を見上げた。
恭介「崇拝している……か。錬金術師よ。仮にその判断に誤りがあった場合は?]
正明「そこは100%だ。それ以外の可能性はない」
恭介「ふむ。勘か?」
正明「いーや。"経験則"だ」
恭介「ほう。それでは――」
正明「ああ――全部潰す!」
オレが崇拝している"酔っぱらい女"も含めて、
全部。全部。全部!!!
ッハ。これがピュアブラフっつーやつな。
正明「オレは、オレを煽るヤツを絶対に許さない」




