表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/207

第四話『またオレ何かやっちゃいました?』4/4

「マーサーってなんですか?」



竹原正明とは何か。

ほほう……哲学か。ってスケスケかよ。


つーかさっきからマーサー言うけどそれオレのことだよな?

レイナ「ちなみに黒服の人がマーサー言っていたのでレイナもパクっちゃいました」

あー、高橋さんね。

レイナ「モデルさんでもないし御曹司の息子さんとかでもないんですよね。億万長者のポーカーの人じゃないなら、なんで風雪様のVIPなのかなーって」

ああ、なるほどな。


正明「強いて言うなら……芸人の卵、かな?」

望代「早く割れよ」

レイナ「あははは、もー。教えてくださいよー」

正明「つーか木葉の友達なだけなんだけど」

レイナ「へー、すごーい。風雪様の……」

レイナ「……」

レイナ「……ん?」

その答えに、レイナは言葉を探すように、キョロキョロと首を左右に降った。


レイナ「あはは、それって電話番号とか交換して、街ブラブラしたりカラオケ行ったり喫茶店行っちゃったり?」

正明「そうそう。ちょうど昨日も一日中喫茶店一緒に入ったしな」

レイナ「……」

再び数回キョロキョロと何かを探すように首を傾げてから。


レイナ「……あー、うん」

レイナ「あのー……あはは、それ、冗談ですか?」

正明「カラオケも一緒に行ったぞ。あいつ超下手。耳が腐るよ。ま、オレの美声と比べるのは可哀想だがな!」

レイナ「……」

レイナ「そ、そう、でしか……で、したか……」

キャピキャピしていたレイナがゆっくりと俯く。

正明「……?」

望代「おい、こういう時は『またオレ何かやっちゃいました?』って言うんだぞ」

正明「何もしてねーよカス」

つーかなんだこの反応。


あんなのと友達して……ってことか。

あー……そうか、まあそうだよな。


うう、可哀想な木葉。寸胴眉毛に生まれた哀れな生命体よ。

ルッキズムの日本では、木葉の眉毛は受け入れられないらしい。


レイナ「た、"竹原様"は、その…ふ、風雪様とはどのような経緯で……あ、あの! 差しでがましければ別に……はい、大丈夫ですので……」

正明「……」

どんどん語尾が小さくなっていく。あのチビ相当怖がられてるのな。

現に昨日は滅茶苦茶やったからなあ……木葉って本当に常識ねーよな。


望代「木葉ってなんだ?」

正明「なんかそういうチビが学園にいるんだよ」

レイナ「チ……ッ!」

望代「お前ロリコンだもんな」

正明「ッハ。あんな芋眉毛性的な目で見るわけねーだろカス」

レイナ「……」(顔面蒼白)

つーかチビつってもモチと変わらな……ってイヤイヤ罠だ。それ言ったらロリコン許容することになるか。


正明「あー、別に木葉とは……普通だろ」

レイナ「……普通に友達になれたんですか?」

そういやなんでつるむ様になったっけ?


正明「確か初対面の時偉そうに廊下の真ん中歩いてて、邪魔だからぶっ飛ばしたんだよ」

正明「そんで煽ってきたからムカついて……」

正明「取り巻きの黒服いない間に友達のバイクで後ろから拉致って……」

正明「誰も通らないトンネルあるんだけど、そこで拘束して調子乗んなよってナイフ突きつけて……」

正明「……」

正明「ま、まあ色々あって仲良くなったんだ! 今じゃもうマブ達っつーか……」

レイナ「……」

望代「……」


正明「う、うっそーん! うそーん! うそでしたー!」

望代「……」

ふるふると首を横に振られる。

レイナ「……」

望代「……」

正明「……」

正明「またオレ何かやっちゃいました?」

望代「やっちゃいましたし」


レイナ「あはははは、すごく面白い冗談ですね! まーた冗談ばっかり言ってはぐらかしちゃてー……って、す、すみません!」

正明「う、うん! も、もちろん冗談だよ!」

レイナ「……」

望代「おいクソ原。野菜もらってやるよ」

シェフ「こちら春野菜とサーモンのテリーヌでございます」

望代「う、ぐぬぬ、テリーヌさん……!」

正明「……」

レイナ「……」

望代「……」

憧れの高級和牛デビュー戦は味がわからなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ