第十三話『フィッシュではなくスリーセブン(後半)』6/7
●【WSOPルート】
◆【リレイズ北村】
憂「いらっしゃいませ! いらっしゃいませいらっしゃいませー!」
憂「ってあーん。正明君かー。あれ、あれあれー、お客様!?」
正明「特訓してくれ」
憂「んー、特訓?」
正明「オレを強くしてくれ」
憂「あははは!」
正明「頼むわ」
憂「……んー」
憂「今日は飲んでいいよ。お姉さん奢ってあげる」
正明「いい。ポーカー教えてくれ」
憂「正明君」
憂「そういう時は、そういうのをちゃんとしないと」
憂「ほら」
腕を大きく広げられる。
憂「泣いていいよ」
正明「ぶっ飛ばすぞてめえ」
憂「あははは! それなら飲もうよ。シャトー・ラトゥールあるよ」
正明「なにそれ」
憂「私の好きな赤ワイン。フルボディ」
正明「いらねえ。ポーカー教えてくれ」
憂「正明君」
憂「強くなりたいなら、真面目を捨てなきゃ」
言葉を表すように、ラッパ飲みでワインを貪ると血のように口元を赤く染める。
憂「正明君は賢いから、いずれ頂点取れると思うよ」
目が虚ろで、酔っぱらいの戯言みたいな適当な言葉に聞こえるが、どこか中身がある。
憂「うん。頂点取れるよ」
憂「凡人の頂点ならね」
正明「……」
憂ちゃんのワインを奪い取ると、同じようにワインを煽る。
正明「ぶっ殺したいヤツがいるんだ」
正明「なんでもする。力を貸してくれ」
憂「……」
ふう、と溜め息を吐いてからゲップをして。
憂「殺したいって、大きい言葉だよね」
正明「バカかよ。ぶっ殺してえヤツなんか五万といるだろ」
正明「だけど、あいつだけは許せねえんだ」
正明「オレを煽ったまま、勝ち逃げなんて絶対させねえ――」
憂「そう。うん。いいね。お姉さんそういうの好きだぞ」
それに頷くように新しいワインを開けた。




