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第九話『収穫なしという収穫有り』3/3

△【イベントCG011・ポーカーテーブルに座る死神】(差分)

ダリア「ここ最近出入りしている少年は何者なんだい?」

紫の妖怪。齢60を超えるダリア・グリフィスは死神に対面する。

憂「んー、正明君だよ」


だから質問の意図は名前ではなく、と迫ればつまらない事で機嫌を損ねるのは怖いので別の話題に切り替える。

ダリア「オンライン界の頂点。ブラックボックスことレイン=ペインを討ったと連絡があったねえ」

ダリア「CKを討つのは同じくCK。誰だと思う? あのコールドストリークさ」

憂「真司が? へー。凄いね。私も久しぶりにポーカーしたいなー」

ダリア「驚かないんだねえ」

憂「真司ならそれぐらいするでしょ」


オンラインで一番稼いでいるから、一番強い。それはイコールではない。

弱い人間を探すのが上手いプレイヤーか、強い人間に捨て身で噛み付けるプレイヤーか。


憂「それに確率で言うならさ。あいつ日本に居るんでしょ」

ダリア「はい。先日会談にて接触しました」

憂「……」

ああ……迷う。ご馳走が目の前に並べられている。

アマヤ、真司、キニー、イルデブランド。誰を食べるのが一番美味しいかな?


ダリア「この前はWSOPと言っていたねえ。狙いはキニー・ブラウンかい?」

憂「んーん。別に戦場に行くからって殺し合うわけじゃないよ。復讐なんて何も生まれないんだ! って青臭いセリフ吐いて案外肩組んじゃうかもしれないよ?」


普通の相手ならば何を白白しい、と一蹴して終わりだが目の前の死神は別格。

理外の理を生きるイシュタムの考えは原初の魔女と呼ばれた老婆とて測れない。


憂「アマヤ君は?」

ダリア「政府への交渉ではキニー・ブラウンに劣っている印象だねえ。本人が出向くかは五分だねえ」

憂「んー、わかった。こういうのはキニーに軍配が上がると思うけどね」

ダリア「それには同意だねえ」

ダリア「差し出がましいですが、是非一人。あなた様に会って頂きたい人物が居るんですがねえ」

憂「前に言っていた日本のプロポーカーの人でしょ」

憂「ふぁーあ。眠い。日本のプロなんて会う気ないよ……って、思っていたけど、ちょーっと見識変わってきたかも。少しずつだけど育ってきているね」

ダリア「おお!」

憂「あ、そっちのは会わないけどね。面倒くさい」

ダリア「そこをだねえ……」

憂「バーバの友達とか、親しい人? それならやめといた方がいいよ」

憂「これから先は、どうなるかわからないから」

ダリア「……」


冷たい、いや、温度さえ感じさせない無機質な眼。

それは狂気ではなく、優しさ。これ以上踏み込むとどうなるか。言葉通りの牽制をくれる彼女なりの気遣いだ。


憂「それよりさ。WSOPの前に一度見てみたい子がいるんだけど、繋げてくれないかな?」

ダリア「そりゃもちろん、全力で取り組んでみるが……」

憂「大丈夫大丈夫。そんなマイケル・ジョーダンとか無茶言わないよ」

憂「確か日本名は……えー、そうそう」


憂「風雪木葉ちゃん」

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