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第六話『略して……THP』

◆【学園廊下】

斬「マサ。昨日の話を聞かせてほしい」

結論から言うと、オレはあの後ポーカーで勝利した。

財布の中に渋沢が1枚入っていたので、その倍額をきちんと頂いた。ってことはもうあれは裏カジノで、テキサスホールデムを扱っているゲームってことになる。


正明「……」

あの後の事は、ただただ気持ち悪かった。

こっちが憂ちゃんに苛ついて短絡的思考で財布を投げつけた、ように見せかけて中身はあまり入れずに相手の反応を見たかった。

それに答えてカモる、ではなくオレの出方はお見通しで、わざと負けて次も滞在するように撒き餌ばらまいた。


……ように見せかけて、こちらもそれを見抜いて、それを見抜いていることも察知していて、そんな不毛な茶番だけが続いて渋沢が一枚増えただけ。

正明「……ッ」


気持ち悪い。


ああいう……こっちの反応を試している、みたいなことをされるのはあまり経験がなく、ただ気持ち悪いという感情だけが湧き上がる。

斬「マサ。聞いてほしい。昨日はその……」


憂ちゃんは、何を見ているんだ?

オレが怒りに任せて博打を楽しむってタイプじゃないってのはバレて、それもこちらが察知していることも掌握している。

ってことは、この先よくわからない相手に首を突っ込むリスクを恐れて渋沢が一枚増えて終わり、か……もしくは怪しいと思いながらも突っ込ませるのを待っているか?


斬「マサ。昨日はマサが悪いと思っている。ただ、その……一晩考えたらボクも少しやり過ぎたことがあったかもしれない」


ってなるともうこれ昨日と同じ壁にぶつかる。じゃあなんで500渋沢を握らせた? 500渋沢ぐらい絞れる相手だと思う、ってか?

あの女の利益がない。愉快犯? いや、楽しくもねーだろ。じゃあなんだ? 500渋沢が戻ってこないリスク以上の何かが、オレ相手に確実に回収できるって踏んだのか?

グッチー先輩の知り合いで家を把握している……言ってもあの人うぜえけど面倒見が良いキャラしているから、オレに危害を加えようなんて考えにくい。

っていうかもしもそのつもりならこんな回りくどいことせず、他にいくらでも方法はある。


斬「マサ、無視は悲しい」

正明「チッ……」

斬「マサ……」


くっそ、うぜえ。なんなんだあの女。

金絞ってくださいっていう無限ATMか? それとも罠? 罠の内容が全く見えない。


斬「……」

テキサスホールデムポーカーね。

略して……THP。

正明「……」

なんで略したんだよ。

正明「あ……!」


そういや、オレずっと何も食べてないじゃん……。

昼食……うーん、よりは、少し寝るか。


昨日も結構あの店長かったし……。

教師がドアを開いたのと同時に、机に伏せた。

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