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CRポーカー物語~エロゲ版~  作者: 河島アドミ
一章:レイズ(raise)

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第二話『西暮の日常と巡回』4/4

▲【10/05(日)】

◆【繁華街】

恭介「時は20XX年。この世界線の話をしようか」

恭介「第三次世界大戦は起きておらず、移民の流入と排斥を繰り返しながらも秩序をなんとか保ち、疲弊しながらも国は機を伺い続ける」

恭介「して、この日本国。侍や忍者が滅んだのはここも変わらず。戦後から100も経たず牙を失った民は商売の才も奪われた」

恭介「もちろん少数ながら才に恵まれた若き民も居る」

恭介「彼の名は竹原正明――この世界に生きる最も下劣で非道な男」

恭介「人は彼の事を――錬金術師、と呼ぶ」

正明「呼ばねーよ」



道行く通行人もまさか妄言垂れ流しているとは思わないだろうに。


正明「つーか今回の設定イマイチじゃね? 世界線ネタ最近多いけどまたオタクコンテンツでも見たのか?」

恭介「異を口走るか蟷螂かまきり

とうとうオレ昆虫かよ……。


と、くだらないやり取りをしていても頭に過るのは昨日の事。

あの三人……四人か。あいつら、昨日今日できた友人じゃない。

ある程度信頼し合っている仲。それは漫画を読むフリしながら聞いてた話題で推測できる。


それを金のために平然と差し出した。

あの大学生はDJのたー坊のイベントで知り合った付き合いの浅い、まだ2回ぐらいしか会っていない相手だ。

長年付き合った友人よりも、オレを。金を優先した。

案外できることじゃない。金のためならウンコ食える人間がゴロゴロいるわけない。


必要なんだ。金が。

「へっへ、ありがとうございます! やっぱ正明君はちげーよ! 本当にすげーよ! 助かった!」


助かった――本人の物欲でその言葉は出ない。金が居るんだ。早急に。

女とのデート代、車の維持費……そんな汎用な自己利益のためなら友人を切る動機としてはあまりにも弱い。むしろそれができるなら既に切っている。


ってなると……消去法で残るはそういうことだ。


「お前みたいなガキが最近増えたな」

「ラシェル・オンドリィ」



正明「……」

繋がっているか知らねーけど可能性は大いにある。

あの飼い主がラシェルか。飼い主の飼い主がラシェルってヤツか。


恭介「しかし、貴様の言う焼き肉屋は一向に姿を見せぬな。その名は肉キング」

正明「…………」

そりゃそうだ。そんな店はじめから存在しない。

目的は散策。斬が使えない以上オレの手札としてはこいつを頼るしかない。


恭介「ククク。これでも錬金術師の親族には感謝しているのだぞ。10,000円分――おおよそ現在の価値に換算すると渋沢一枚分の価値がある」

正明「つーか焼き肉ぐらいで張り切りすぎじゃねーか?」

恭介「ククク。的を射る。柄にもなく今日は水以外喉を通していない」

正明「……」


滅茶苦茶期待してるじゃん……。

しゃーない、もうちょっと引っ張った後ハンバーガーでも奢らないと……ハンバーガーでいいよな?


不良「……」

ガラの悪そうな男が視界に入り、こちらを眺めている気配を感じた。


ってオレでも感じたってことはスケスケなら大丈夫だろう。



しかし意外にも何もなかった。

バカは人前でも襲ってくるが、おびき寄せるため路地裏を通ったりしてみたが接触はなし。


正明「……」

たまたまオレを目当てにしているヤツがいない……ってのは、ないだろうな。

少なくとも街を徘徊して二組はこちらを認識していて、それでスルーした。


恭介「ククク、今日ばかりは散策も良い。どんどんどんどん、マナが枯渇していくのを血で感じている」

このチビの見た目で敬遠しているとは考えにくい。こいつはジャンと違って顔が割られていない。

すると……。

正明「……チッ!」

完全に当てが外れた。


この辺りにある裏カジノは殆どが六道組が仕切っていて、そうなるとあの雀荘の親父が言うように本当にオレは入店拒否されている。

現にキャッチの兄ちゃん達に聞いても全て首を横に振られた。

襲ってくるバカからラシェルがいる雀荘か裏カジノに入るつもりが完璧に無駄足だ。


いや、今日を無駄にしただけならまだいい。金はなくなってないから。

パチンコが出禁にされ(パチンコ台を叩くのはマナー違反です)雀荘も追い出された今、完全に賭場を失った。


正明「……」

背中にイヤな汗が浮かんできたのがわかる。

……これ、結構ヤバイんじゃん?


恭介「おおっ! ククク! 出会うたなキング!」

正明「へ?」

目の前にあったのは、焼き肉キング。

正明「ウッソ!?」

恭介「クククククク! 均衡は保たれた! はて、始めるとしよう!」

正明「…………」

恭介「む? 錬金術師?」

正明「あ……はい……」


その日の会計は12,300円でした。

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