第十三話『これぞまさにポーカープレイヤー!』9/9
◆【焼き肉キング】
△【イベントCG031・焼き肉キングの祝勝会】
全員「「「かんぱーーーーーい!」」」
正明「ヒヒヒヒヒヒヒヒ」
正明「ハハハハハハ!」
正明「ハーーーーッハッハッハッハッハッハ!」
正明「モケモケモケモケモケ!」
望代「うっざ」
斬「それぐらい嬉しいんだよ」
恭介「芳醇な酒と謳いながら、此れか。おい、298円だろ」
望代「そうそう。こんな安いお肉食べ方わからないし」
恭介「貴様も相変わらずで何よりだ」
正明「いやーーー、気分が良い。気分が良いなー。嬉しいなー。楽しいなー。あのババア。騙されてんのにしたり顔で。ヒヒヒ!」
正明「今回は過去最高額じゃん! あんま今までこういうのやらなかったけど、そこは流石スケスケにジャンだな。良い仕事してくれたぜまったく!」
正明「オレは! お前達という親友を持っていることを誇りに思う!」
パンパン! とスケスケの背中を気前良く叩く。
正明「ところでこういう印刷って普通の印刷会社でできるのか?」
恭介「貴様全く酔ってないな。その先は情報料を頂く」
正明「なーんだよ雑談じゃないかスケスケく~ん」
望代「きっも……」
斬「モチ。お肉焼けたよ」
正明「おー! ジャンは気が効くなあ! お前すげえ良い女だよな。気が利いて美人で」
斬「え、あ……そう……かな」
正明「ジャン!」
●【選択肢000:愛情表現】
A.愛してる!
B.イケメンの男紹介してやる!
A.愛してる!
正明「愛してる! 愛! 愛ですよこれ!」
恭介「この金で買った愛とやらは何日維持できる?」
望代「2時間」
斬「……ッ」
斬(でも2時間あれば……)
斬「~~~~ッ」
望代「ウブアピールきもッ」
恭介「此奴は以外と邪だぞ」
B.イケメンの男紹介してやる!
正明「オレの知り合いにイケメンいるから、今度そいつ紹介してやるよ……痛って、なんだ?」
恭介「……」
斬「あ、あはは、ありがとう……」
望代「なあ? イケメンて誰? 医者? 俳優? スケートの羽生? ゲイツ・ビル?」
望代「変なの紹介されても困るし。最初に条件言ってやるよ。年収は最低3,000万以上な。で、専業主婦で家政婦雇えるヤツ。ネットが爆速で豪邸な。プールとか。あとイケメンで甘やかしてくれるやつ」
望代「ジョーオダギリ! わかるか弱者男性共! モチはジョーオダギリみたいなのがタイプ。もう一回言ってやるジョー!」
正明「スケスケ、こういう女どう?」
恭介「容姿と性根と態度が最悪」
正明「あと息が臭いし」
望代「クフフ」
斬「ああ、もう! 七輪ひっくり返そうとするのはダメ! 本気で危ないよ」
望代「離せハゲ! こいつら! このゴミ共モチの悪口言った! 許さないッッッッ!」
正明「ジャンの友達元気だなー。お冷飲む?」
望代「800円の水ありますかー? すみませーん!」
割とマジでなんでこいつ呼んだの?
斬「マサ。肉焼けたよ」
正明「それ片面だけだから。肉焼けたで全部はぐらかすのやめてよ」
完食後、一服していると女性陣が手洗いへと消えた。
恭介「はて」
恭介「錬金術が実った次はどうする? 次、という概念は貴様からは離れぬだろう」
正明「ま、しばらくはスケスケもジャンも必要ねーわ。一人で決着着く相手だからな」
恭介「……」
恭介「ただの商売相手だ。貴様相手に情もなければ興味もない」
恭介「俺は今……酔っている」
恭介「四光院は貴様の身を案じているようだな」
正明「……」
お節介め。クソみてえな言い訳使いやがって。
まー、根が良いヤツだよなこいつ。言葉おかしいけど。
正明「まあ、お前らみたいな格闘派と違ってオレ一般人だからな」
恭介「……」
正明「心配すんなって。次の相手は約束を反故するヤツじゃねーから単純にいらねーんだよ」
正明「いや、本当はスケスケにもっと頼みたいんだけど、ちょっと、お高くて……」
正明「チラ」
恭介「……」
恭介(剣士の話だが……やれやれ、守銭奴め)
恭介「……」
恭介(――と、そう。時折忘れる。無から有を生み出す錬金術師故、話術は俺の範疇を凌駕する)
となると、きっとこのすれ違いも織り込み済みで……
そこまで考えると、話題そのものを諦めた。
恭介「次、という相手とやら。言葉から伺うに、相当の実力者か」
正明「……」
実力者、か。
いつも目にしているのに、見れば見るほど見えなくなる。
正明「ああ――強えよ」
恭介「……フッ」
恭介「元より、貴様が素直に忠告を聞くとは毛頭思ってもいない」
氷だけになったハイボールを口に持っていく。
恭介「まあ、俺はどうでもいいのだがな」
恭介「今回の様な美味しい話しは、また肖りたい(あやかりたい)ものだ」
こいつなんだかんだ良いヤツだよな。
正明「何人かは殺すヤツは決まってんだよ。まず――」
正明「――あの男女を必ず仕留める」
恭介「ククク、あれか」
ラシェル・オンドリィ。
最終目標に据えた時、今のオレとアイツの力差はまだ遠い。
遠い、ってだけで見えてはいる。
そういう意味では……。
正明「ま、死ぬなら次だな」
恭介「強いのか?」
正明「化け物だってば」
まるで自信がない。
出し抜くイメージが沸かない。風穴を開けることすら想像つかない。
それどころかそもそも論として勝利条件すらも見えない相手。
正明「つってもまあ、敵わないからって許してやらねえけどな」
恭介「クハハハッ! これは秀逸で不思議な表現だ。敵わないから許してやらねえ、とな? ククク、流石。逸している」
木葉とはWSOPで嫌でもぶつかる。勝率はさておき、道筋は一本。
そこで優勝した金でラシェルを殺す――これも単純。そこまで行けば資金的に5割を超えている。
ってことで、さあ次はいよいよ最高難易度の化け物退治よ。
勝負だ、北村憂――ッ!




