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第六話:『オッドアイの万能執事後編』2/4

厨房に引っ込んでいったスケスケの様子を想像する。

あいつは恐らく、一縷の望みにかけて気付かれない事を願っているだろうが……スケスケとは付き合いも長い。


偶然ではなく、コチラ側の悪意にも十分敏感だろう。


正明(まあ? 目ざとくねーと厨二病も出来ねーってわけよ。知らねえけど)


さて。

以上を踏まえ、もしオレがスケスケなら――。



●【選択肢028:VS王子様との心理戦】

A.ファーストコンタクトで殺しにくる

B.懇願して許しを請う


恭介(ぐ……!)

恭介(気付いているか? いないのか?)

恭介(仮に気付いていないとして……いや、それなら絶対に気付かれてはならないが……)


遠目で確認するが保護者(四光院)の姿は確認できない。

特におかしな行動はなく、普通に談笑しているようにも見える。


恭介(クソ……クソ……ッ!)


錬金術師だけならばまだよかった。

あれは金に群がる下衆な鴉。裏を返せば金で懐柔できる。


仮に面白半分でも弱みを握りにきたとしても、解決策は金。金さえ払えば実の親でも臓器だって平然と売りさばく深淵の権化。



しかし――

同席するは鏡望代。



あの女の比喩はない。

クズ、悪魔、外道――温い温い温い!!!


その程度の言葉で薄めてもらっては困る。


社会、友人、家族とあらゆる常識を断ち切り人の繋がりが途絶えた、一つの象徴の完成形とも言える。


『何故そんな酷いことをするのか?』


その答えは金である錬金術士が人間に見えるほど、絶縁の魔女は情け容赦なく実らぬ苹果りんごを求める悪魔。



望代「おいオーダーまだかよ!」

飾ってある小物を無造作に掴んで投げようとするところを、錬金術師がなだめる。


恭介「下等生物め……ッ!」

猿でももう少し大人しいだろうに。

だがあれぐらいなら別に俺がいなくてもやる。鏡望代の日常である。


オーナー「田代君? オーダー、お願いできるかな」

恭介「ぐ……ッ!」


よりによって、こういう巡り合わせ――神がこれを仕組んだと言うのか。


恭介「……」

選択肢はない。


それならばと、身体に流れる血液を無機質なオイルへと変化させる。


恭介「はい――すぐに向かいます」


感情は――不要。

これが神の作為だろうが、泡沫の絶頂を楽しんでいようと俺にとっては些事に過ぎん。


ルナティックを終わらせる――。

NEXT!!! ×2

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