第二話『WSOPのチケットはどうやって?』1/2
◆【ポーカーBARALLIN】
世界で三大ポーカートーナメント。
そのうちの1つ『WSOP』
参加費用およそ$10,000と高額な金額を支払うが、これが"ポーカーの世界の中では通常価格"とも言える。
そのため世界中から多くのプレイヤーが募るのが特徴であり、総数1,000名を超える事も珍しくない。
1,000名×$10,000。合計するとそれだけで総額"1,000万USドル"。
その世界最大ポーカートーナメントがこの度、日本で開催されるのだ。
今回、日本の開催という事もあり、従来とルールが異なる点も幾つかある。
例えば参加人数の"上限が100名"と設定されていたり、賞金はオール・オア・ナッシング。"一位総取り"であるとか。
『さて、それではWSOPのチケットはどうやって手に入るのか?』
主に大会主催者。
この場合WS社が発行しているチケットなので、簡単にネットでも手に入る。
だがそれは普通のチケットとは異なり、その入所方も幾つか種類がある。
一つ目は"特別正体枠"が10枚。
実績のある有名プレイヤーに無料で配る、いわばシード権のようなもの。
どんなに低くても100万円の価値のある物を無料で配ると言えばどれだけ大盤振る舞いかわかるだろう。
その選定や出資先はポーカー協会や個別のプレイヤーが所属しているスポンサー団体だったりする。
日本のプロポーカープレイヤーの場合、称号を持っても参加自体にギャラは発生しないので事実上の報酬になっているのだろう。
今回日本で行われる大会は予選10のグループに分かれておりA,B,C,D,E,F,G,H,I,Jとそれぞれにシードプレイヤーが国内外用意されているわけだ。
ちなみに今回は10名ルールを採用されており、予選・決勝の二戦のみ。
非常にシンプルで従来複数日に分ける大会を一日で行なう趣向のためだ。
恐らく、世界への配信をするため一日で決着をつけるためだろうと言われている。
チケットを手にする二つ目は"オークション枠"
チケットを30枚。30万円よりスタートし、大会三日前までに入金額の多かった上位30名の金額で売買が成立される。
オールオアナッシング。
優勝者のみが総取りする今大会のルールでは優勝賞金が一億円と名言されている。
そして参加人数の上限が100名であることから、チケット一枚の価値は160万円が相場と算出できる。(100万円×100名=1億円)
しかしその価格は現在210万円まで高騰しており、即決は500万円と強気な価格設定も数枚は購入が確定している。
期待値としては大きく下回るものの、人気の理由は幾つかある。
世界大会初の日本開催と記念要素に加え、決勝まで進めば次回チケット売買の優遇。さらに上位入賞ならば次回シード権の優遇。
今回、世界最上位のクラス保有者が数名参加をする事もあり、もし日本人が優勝すれば無名の素人であってもクラス保有者の称号が与えられる事がほぼ確定している。
――この"称号"というのが何よりもでかい。
日本NO1プレイヤーでもある二階堂春樹ですら保有していない日本人の"クラス保有者"。
もし誕生すれば解説やゲストなどビジネス面でも大きな名前が使える。
従来のトーナメントと比べ、参加人数が極端に少ない倍率で世界最強の称号を得られるチャンスとなれば魅力は十分である。
三つ目の入手方法は"先着開放枠"。
単純に一部チケットをネットで先行販売するという内容である。
その値段は百万円。チケット一枚に百万円と狂っているイメージがあるが、先程説明した通りの理由があればその価値はうなずける。
むしろ百万円で購入してそれ以上で転売する輩も多数存在するぐらいだ。
これは恐らくWS社の宣伝で『販売20秒で先行チケット売り切れ』『大人気のためサーバーダウン』など、百万円のトーナメントチケットが飛ぶように売れるとなれば話題性は抜群である。
さて。この先着開放枠。
ここでは、これを購入したポーカー店が存在する。
ポーカー店『フラッシュ』
ここでは週3でトーナメントを行い、優勝者にポイントを付与する。
そしてそれを何度も繰り返した後、最終トーナメントで優勝をするとWSOPのチケットを配るという企画を行っている。




