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第十話『キチガイに刃物』1/5

◆【ALLIN】

アミューズメントポーカーBAR:ALLIN。

風俗営業(5号営業)は0時に閉店。

全ての灯りが消え、施錠後には別の形態へと変化する。

店長「しかしお兄さん強いですねー……結構やっているんですか」

客「……」

積み上げるチップのタワーに囲まれるのはこの男。

正明「ういいいいいいやああああオオオオオルイイイイインン!!!」

客「ぐ……」

正明「ほいほいほい、ブラフオールインっすよ!?」

客「……!」

伝わっている。ブラフと伝わっている。

辻褄の合わないオールインに歯ぎしりをする。

誰が見てもブラフ。


それでも、乗れない。これはオールインだから。


例えるなら夜の森の中、いるはずないのに自分の死角に虫がいるのかと疑うような感覚。

確率が勝率反映するゲーム。

一割にも満たない小さなリスクを恐れてテキサス・ホールデムができるものか。


正明も当初はそう思っていた。

――実際目の当たりにするまでは。


一割にも満たない小さなリスクを"作り出される気持ち悪さ"。


男は結局何もできずに、男は悔しそうにカードを捨てた。

正明「わーい! わーい!」

嬉しそうにチップを抱える。


遊んでて思うのが、普通の客はそこそこ強い手が入らないとアクションをしない。


なるほど、なるほど――。


確かにこのレベルの相手なら、確率の把握と相手の読みだけでも五分以上に戦える。

それにとっておきの武器。ピュアブラフが加わればご覧の通りのチップタワー。

表カジノならば勝たせてもらっているとも勘ぐるが、実際にここは裏。

既に8万以上のチップに囲まれている。


客「おい。逃げるなよてめえ」

正明「えへへへへ。どうしましょうかねえ」

その後危なげなく絞ると、煽った客はみっともなく先に帰っていった。


タバコの煙が宙に舞う。

なんでギャンブルの煙はこんなに美味しいのか。


店長「お兄さん。名前なんて言うんだい?」

正明「鵜久森だぐぅ」

店長「鵜久森さんか……」

まず、自分がどれほどの実力なのか知ろう。

課題は山積みで、こんな一般客相手に五分に戦えれば上出来と思っていたがこの通り。


強すぎる!!! 強すぎるぞ竹原正明!!!

カモリストの情報をもらった時はオレに扱えるか半信半疑だったが、今確信した。


リレイズ北村で鍛えた竹原正明は強いのです!!!!


店長「鵜久森君。気を付けて帰りな」

ニッコリと店長は微笑んだ。

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