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明日世界が終わるとして
「明日、世界が終わる、って思うことにしたんだ」
「終わるの?」
「終わらないよ。たぶん」
「たぶん、って。はっきりしないなぁ」
「ほら、世の中に絶対はないから」
「そっか。で、どうしてそう思うことにしたの」
「あって当たり前の人生を変えたい、と思って」
「何の受け売り?」
「広告を見たんだ」
「広告?」
「『いつ世界が終わるか分からない。伝えたい想いは、いま伝えよう』」
「ふーん」
「なんかちょっと残念そうだね」
「いや、自分の力で思い付いたわけじゃないんだ、って思って」
「つねに何かの影響を受けて、いまの人生は存在するんだよ」
「それも何かの受け売り、っぽいね」
「ばれた?」
「それは何」
「もう忘れちゃったんだけど、何かの小説で読んだ気がする」
「思い出したら教えてね」
「うん。本題に戻っていい?」
「いいよ。明日世界が終わるひとくん」
「茶化すなよ」
「ごめんね。私も緊張してるんだ。これでも、ね」
「そっか。じゃあ言うよ。ずっと好