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幕間。

 

 “協会”。

 それは別段、最近になって発足したわけではない。

 前魔王がいた時から存在し、人間こそが必要だと説いてきた集団だ。

 老人は今日もあの協主の元へ向かっていた。


「お久しぶりですね。どうですか、勇者計画は」

「はい。各地に商人を派遣し、伝説の剣を配っております。自分は勇者だと思う者、その素質を持っていると勘違いする者。まぁ様々ではございますが、各地にて少年少女たちが旅立っております」


 協主は満足そうに頷き微笑むと、何かを思い出したように首を傾げた。


「そういえば、あの化け物はどうしましたか?」


 化け物。

 自分で勝手に封印を解き、協力関係を結んでおきながらも、あれを化け物と呼ぶ協主に老人はおののく。


「我々には手出ししないと言っておりましたが……、なにぶん吸血鬼(ヴァンパイア)の言うことなど信じてもよいのか……」

「何を言っているのです?化け物の言うことなど信じる必要はありませんよ。まぁ、今は精々頑張って頂きましょう」


 理想のためならば、この協主は忌むべきものをも利用するというのか。


「もしそうですね、勇者たちに何かしたとしても、それは、魔王が仕向けた悲しき事故なのです。憎むべきは魔王なのです」

「は、はっ」


 老人は頭を下げる。

 本当の悪魔は、一体誰なのかと己に問いながら。



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