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勇者の日記 九
□月△日。
皆と一緒がやっぱり心強い。
そうだ、俺は一人で来れたわけじゃなかった。
なんで今さらわかったんだろう。
一人で行こうなんて、本当に、俺が馬鹿だったよ。
さぁ、最後だ。
頑張ろう。
□月□日。
終わった。
終わったんだ。
一年ちょっとのこの旅は、俺に、与えてくれたり、奪っていったりして、それこそ一瞬だと思うくらいに早く過ぎていった。
仲間たちは各々やりたいことの為に帰っていく。
恋人の元へ帰ったり。
散り散りになった同胞を探したり。
僧侶はどうする?って聞いたら、彼についてくって言うから、ちょっと心配だったけど、わかったって見送った。
僕は、この子と故郷に帰ろうかな。