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バリ……バリ……バリ……ボリ……
とある日のNRS。放課後、陽は暮れはじめ殆どの生徒が下校した頃。校舎三階の廊下である女子生徒が奇妙な音を聞いたらしい。
ボリ……バリ……ボリ……ボリ……
彼女は恐怖のあまり走ってその場を後にしたが、その日の夜はあの奇妙な音が耳から離れず眠れなかったそうだ。
翌日、彼女は何かの事件に関わるようなことだったら大変だと思い、中等部管理局を訪れて調査を依頼した。中等部管理局局長の日野愛梨栖は過去に発生したある事件を思い出し、もしものことがあってはいけないと考えその依頼を快く引け受けた。女子生徒が愛梨栖に状況を説明しているそのとき、局員の一人が青ざめた顔で中等部管理局の執務室を出て行ったことに近衛一振は気が付いた。
彼女はなぜ蒼白な顔をして執務室から出て行ったのか……。その答えはわずか数時間の後に中等部管理局の調査によって明らかにされることとなる。
―― 完 ――