表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネクロポリス・リバーサイド・スクール  作者: 夕月萌留
NRS―壱の章―
2/42

1-2

 朝のホームルームが終わりに差し掛かったとき、教室の前方のドアが勢いよく開いた。ドアの向こうから現れたのは小柄で華奢なツインテールの女子生徒だった。その()がキョロキョロとあたりを見回しながら『近衛一振はいる?』と言ったので、皆の視線が彼女から僕のほうへと一斉に移動した。クラスメイトたちの視線を案内板代わりにして、ツインテールの女子生徒は迷うことなく悠々と僕の席に向かって歩いてくる。

 なんだろう……。僕に用事?

 僕は皆の視線に耐え切れず顔を下に向けてじっとしていた。一歩一歩を踏みしめるようにして歩く足音がしんと静まり返った教室に響く。緊張感が高まり鼓動が早くなる。

 この僕にいったい何の用があるっていうんだ?

 その足音が僕の席のすぐそばまで来たとき、僕は顔を上げてそこにいる女子生徒の顔を見た。――と同時に、その()は僕の右腕をがっちりと掴んだ。

「えっ……えぇっっ?」

 彼女は僕の右腕を掴んだまま離そうとしないどころか、強引に僕の腕を引っ張り何処かへ連れ出そうとする。

「ちょっ……ちょっと、待って」

「いいから、あたしに付いて来なさい」

 制止する先生や唖然とする他の生徒に対して彼女が言い放ったのは『局長権限』という言葉だった。これが彼女――NRS生徒会中等部管理局局長こと、日野(ひの)愛梨栖(あいりす)との最初の出会いだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ