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気が付いたら女の子に生まれ変わっていた俺だったが、特に取り乱したりはしなかった。それは新しい自分のあまりの美しさに一周回って冷静になったからなのか、それとも下腹部に違和感がなかったからなのか。
どちらともうなずけるが、おそらく後者のほうが比率が大きいだろう。
改めて言う。下腹部に違和感がない。
「ということは、この体には俺のエクスカリバーがご健在……?」
聖剣とは、男なら誰しも生まれた時から持っているものである。男の特権であり、男の象徴である。女として生まれたならば決して持つことは許されない聖なる剣。
そして下腹部のこの安定的な重み。
間違いなく、エクスカリバーである。
「いや、待て。ラブラビのティスティアは確かに女の子だったはず……。小遣い出し合って大人仕様の追加コンテンツ買って確かめたから、絶対女の子のはず」
追加コンテンツは値は張ったが、大変満足のする買い物だったとだけは言っておこう。
自分に言い訳するようにぶつぶつと呟きながら踝まであるネグリジェの裾を持ち上げる。
ただ自分の体を確認するだけなのに、どうしてこう背徳感がすごいのだろうか。
「いやいやいや、これから毎日お風呂入るんだし」
これは確認。疚しいことなんて何にもない。
傷一つない滑らかな小さい手でスカートをたくし上げ、下着を引っ張り薄目で確認する。
あった。
「……おめでとうございます。立派な男の子ですね?」
ティスティアは、男の子だったみたいです。
フラグ「回収おめでとうございます」