0から1は難しいと今日も半田お初は考える。
わたしが考えている、約束火と告白日の時系列に連なる物語を短編で書いてみました。短く拙いですが、ぜひぜひご一読下さい。
とある、時代。
まあ、舞台は、日本なのだけれど……。
王様、それも、女王様が居ました。日本って、昔は男尊女卑社会っぽいじゃない?でも、その時だけは、違った…。
平和録について、語りましょう。
「えーー?名前?いいよ。そんなの。私は要らないわ。名前ってその人縛る呪いの一種でしょ?」
豪華絢爛とも言うべき玉座の間で、生まれたてであるはずの女王は言った。
相手は、しわがれた声に白髪の、老人の男性であった。
「しかしですな、王よ、妖の王となる者には名前。つまり、讃えられるべき名が必要なのです。……ワシもかつて、貴女の父君に仕えた身。名前を頂きました。國という名前でございます。」
なるほどね。そう言いながら、女王はふむふむと頷く。そして、こう尋ねた。
「私の父君とやらは、何処なのかな?クニ?」
クニは、少しだけ、表情を崩して言った。
「……父君は、先の戦で……ワシの目の前で……ワシを庇って…お亡くなりに、なりました…。」
悲痛な過去だな。そう女王は感じた。
だから、、、、
「気に病むなというのは、無理な話だな、クニ。そうだったか。では、お前は、父を守れなかったということだな。自責の念を感じ、悔いている。そうだな?」
クニは、その時、何を言われるのだろうか、自分は、死んでも償えない罪をこの新しい王に与えられるのだと思っていた。
しかし、女王の口から出た言葉は、意外なことばであった。
「大丈夫。お前は良くやった。…お前とは今日初めて会ったけど、辛い過去を告白してくれた。これで充分だよ。私の父君もお前を恨んだりしない!もちろん、私もな。……そうだな、名前……、考えてくれないか?クニ?一緒にさ。」
ああ。もちろんですとも。
こんな、王は見たことも聞いたこともない。
クニは、即座に答えていた。
「貴女こそ、初めて、心から信頼できる王でございます。」
「そうか。なら、私の名前は、お初じゃな。」
その日から、妖の王の名前は、お初。女王、半田お初になった。
平和録。これは、序章。
まだ、生まれたてだった頃の優しき王のお話。
半田お初。
このキャラクターは、当初、登場予定の無いキャラでした。しかし、勢力図を考えるうちに、「あれ?もう一人くらい強くて優しいキャラ欲しくね?」というわたしの考えが浮かんでしまったのです。
そこで、このような、短編を書く気になりました。
よかったら不定期ですが、また、新作読んで下さい。