~焼け落ちた村~
港町へと向かう馬車の中…
揺れる車内で二人と対面しながら
チョコンと座った小柄な女性
だがその顔つきをみると…
成人したばかりかと思われる
なぜそんな子がここにいるのかと言うと
昨晩馬車に乗って村に向かっていたところ
この女性が村の方からやって来て
気が動転していたのか
火事が消えた事にも気づかず
村と反対側の方へと歩いていたので
一時的に保護をしたからである
「はじめまして…ターシャと申します…
港町では酒場でウェイトレスをやってました…」
好都合な事に情報源で働いていたと言う
これはなにか真相に近づけるかもしれない…
「でも店から逃げるときには火の手が…
この先どうしたらいいのか…」
今にも泣きそうな声でそう続けて言う…
「大丈夫です!生きていればなんとかなります!」
ナンシーが雑な介抱をしているが…
それはさておき本題に入る…
「ターシャさん…その傷心中申し訳ないのですが
昨晩…港町で何があったんですか?」
「あの夜は…とにかく大騒ぎだったんです…
港にドラゴンが来たんですよ…」
と言うと言葉を喉に詰まらせながら
今にも泣きそうな顔をしていたが
「ドラゴン…と言うと最近現れたと噂の?」
ペンを取り手帳に書き留めようとしたが…
…頭に衝撃が走る…と同時にパッシーンといい音
「先輩!なんでそんなにズカズカと
人の心を土足で踏みにじるようなことを
するんですか!
最低です!死んで下さい!」
「…痛ってぇな…だから!それが!
俺たちの仕事だろって!言ってるだろ!
あとお前何気にすごく痛いからな!
いろいろと力の加減を考えてくれ!」
女なのになんちゅう馬鹿力なんだろうか…
あれか?編集長は体力的な面で
役に立って言う意味で言ったのかな?
「先輩こそドラゴン出たときと言い
自分勝手すぎますよ!」
「旦那様方あんまり騒がないでください…
そろそろ港町につきますよ…」
そう言われ馬車から覗くと…
昨晩の火事で構造物という構造物はすべて焼け
黒い燃えかすの山がたくさんあった…
なんと言うか…はっきり言って
これでは廃墟だ…
村の入り口付近でこれだから
昨晩火の手が見えた中心部の方は
もっとひどいのだろう…
御者には村の入り口でおろしてもらい
ターシャが憔悴しきっていたのと
泊まるところも無さそうなので
しばらく念の為滞在してもらうことにした
彼女…ターシャが言うには酒場は村の中心部…
にあったというが…やはりこの惨状は酷?いものだ…
おそらく時計塔か教会があったのだろう
高くそびえていたであろう塔が
半部に折れて真っ黒に焦げた部材が
落下の衝撃で飛び散った跡がある
お読み頂きありがとうございます
次回…村の様子を改めて
今後もお読み頂けたら幸いです