〜謎の光〜
とりあえず記者としては覚えてほしいので
速記文字を一から教えているがあまり覚える気がないのか
ナンシーは上の空で話を聞いていたので怒ったりと
そんな事をしているうちに
朝に王都を出てからあっという間に1日が過ぎた
「あっ先輩港町が見えます!」
峠を超えた馬車の中から遠い村の明かりがよく見える
なんだかとても栄えているように見える…
「…あれ?なんかやけに明るくないか?」
「そうですね…確か寂れて人もあまりいない…
と編集長から聞いていましたよ…」
その明るさが徐々に広がっていくのが見える…
「先輩…これ火事じゃないですかね…?
なんかすごく嫌な予感がするんですけど…」
「…ナンシーとりあえずペンと映写機あるか?」
タカノはその光をじっと見つめたまま
ナンシーに指示をする…
「そんな映写機くらい自分でとってくださいよ…
えっと…鳩の箱の横に確か…あった
これですか?」
「御者!この馬車隠しといた方がいいぞ
ナンシーちょっと着いてきてくれ」
「ちょっと!旦那!今行ったら危ないですよ!」
そう言う行者をよそめに馬車から飛び降りて
光の方を見続けたまま近くにあった岩影に隠れる…
そのあとをナンシーが映写機を背負って後を追う…
「先輩!いきなりどうしたんですか…」
「いや、だってあれ絶対ドラゴンの仕業だろ
ちょっと映写機を貸してくれ…」
映写機をのぞきながら光にピントを合わせる…
「いや、先輩…さすがにドラゴンっていえば
守護の象徴じゃないですか…
そんなドラゴンを村が襲うなんって
聞いたことないですよ?
そんなことより火事なら消火しな…」
「ピントを合わせたからそれっぽいの来たら
シャッター切ってくれ」
ナンシーの言葉を遮りそう言うと
タカノはそれっきり黙々と記事をすごい速さで書き出す
「先輩…本当に違うと思いますよ?」
そう言った直後光の中から何かが天空に向かって
一直線に上がっていくのが見えた…
「ナンシー今だ!」
「え?あっ!はいーっ」 カッチャ
映写機から早速乾板を出して写紙をくっつける
するとあっという間にその写紙に先程撮った写真が
うっすらと徐々に浮かび上がってくる…
ちなみに本来なら現像液なんかを
使わないといけないのだが
そんなことも無く簡単に出来る…
「…これかな?…ドラゴンってこんな感じか?」
写真には何やら細い鉛筆みたいな形をした物が勢いよく
空に向かって飛ぶのが写っている
「そうですね…なんと言うかうーん…
なんでしょうかね?これは…」
「まぁいいこれを王都に送るぞ!」
そう言うとさっき書いていた小さな原稿を
伝書鳩の足に巻いてある銀の筒の中に丸めて
写真と一緒に積めて天に勢いよく放った…
鳩は空高くに飛び立って頭上を
大きく一周してから
王都の方へと飛んでいった…
そのあとに続くように2羽ほど
港の方から鳩が飛んでいるのが見えた…
「…あれはマロンの伝書鳩だな…来てやがったのか…」
「マロン…?誰なんですかそれは?」
「報国新聞社の記者だよ…なにかに付けては国のため
国は素晴らしいと囃し立てる奴等さ…
つまりは商売敵だよ」
お読み頂きありがとうございます
次回…焼けてしまった港村…大丈夫なんでしょうか…
今後もお読み頂けたら幸いです