〜頼れる後輩?ナンシー現る〜
次日 王都日報新聞本社
早朝出社して3階のロビーで煙草を吸う編集長
それを見かけて思わず声をかける
「おはようございます!サエモン編集長」
「おはようレベッカ君」
「編集長…本当にあの2人で良かったんですかね…?」
「良かったんですかねってじゃあ逆にレベッカ君…
君が行くか?」
「いやぁ…それはちょっと…でもタカノさんはまだしも
あの娘に…
新人に行かせなくても良かったんじゃないですか?」
「ナンシー君は君が思っている以上記者としては
有能だし志願したのも彼女しかいなかったからな…
まぁ…でもタカノが付いてるから大丈夫だろ」
そう言いながら3階の窓から見える
北にある雪の積もった山脈を見る…
王都から北の港町へと向かうための舗装された道
山上なので雪が溶けないで至る所に残っている
そんな道をゆく狭く小さな馬車内
あまりの寒さに渋い顔をしたタカノの隣には
寒さなんか関係ないと言わんばかりに明るい笑顔の
女性が座っていた
「…ヘッブシュン!」
「先輩…風邪でも引きましたか?」
「さぁな…しかしこんなに寒いとは思ってなかったな…」
着ていたコートを更に深く着て
風に揺れる馬車の中
作業を続ける
「流石は辺境の土地と有名な北の港町…
本当にこんな寒いのにドラゴンはいるんっすかね?」
「さぁな…」
「ちょっと先輩ちゃんと話聞いてます?
さっきからさぁな…しか言ってないですよ?」
「あぁ〜もう少し黙っててくれ
今記事を書いてるんだ!」
「どれどれ?…
○月○日速報
○○では○○○○が発見され…
って全然記事になって無いじゃないですか」
「お前…記者になって何年目だ?
まさかテンプレも知らないのか…?」
テンプレとは…あらかじめ報道する内容を大まかに
書いて速報としていち早く伝達するために作っている
記事の原型である
「だってまだ1年目ですから!」
そう言って胸を張ろうと勢いよく立ち上がった為に
馬車の天井に頭を激突してしまった…
その痛さに悶絶して暴れまわっているナンシーの
手がインク瓶が書いていたテンプレに…
インクを盛大にぶち撒けた
「…お前は…なんでそんなに余計な事をするんだ!」
天井に頭をぶつけた所にさらに手のひらで頭を軽く叩く
「ちょっ!先輩!痛いです!
…箱をいじって何をやってるんですか?」
「やっぱりお前を返すように今から伝書鳩を飛ばして
サエモンさんに言ってやるんだよ!」
…本当にこの娘はサエモンさんが言うほど有能なのだろうか…
お読み頂きありがとうございます
村につくまではしばらくかかりそうです…
今後もお読み頂けたら幸いです