SoS ―Shot of Song
少年は歌に出会った。少女は歌手を目指していた。
目指す世界、目標が同じだった二人はある日出会った。
少年少女はある歌手を目標に頑張っている。
少年は独学で頑張った。センスは平凡、運任せは嫌い。
だから誰よりも努力しようと頑張っている。
昔から演技一本でやって来た少女は歌に魅了され歌手を目指す。
夢の為に二人は曲作りに発声、体力作りを頑張ってきた。
駄目だった。
少年少女は地道に練習し努力してきた。コンテストやレコード会社のオーディションでアピールもしてきた。
人脈形成もしてきた。
でも駄目だった。
好きな歌を聞いて心に響く歌を歌いたい。
歌を作りたい。この気持ちを歌手を目指すと決意した想いをあの人に伝えたい。
その想いが雨の中、二人を引き会わせた。
「私は結弓奏。貴方の名前は?」
「俺は雨八白弦」
こうして二人は出会い、タッグを組んだ。
初日からダンスも歌も息はピッタリだったがどうしても波長が合わなかった。バラバラに聞こえてバラバラに見える。
練習を重ねても気持ちが一つになっていない気がする。
「弦君、一つ提案があるのだけど」
「奇遇だな。俺も一つ思いついた」
二人は何が駄目でどうするべきか提案を持ちかけ合う。
目指す歌手、世界が同じならその想いを曲にしようと、そうすれば息も合うはずだ。
二人のテーマに沿ったものならメッセージものがいいはずだが恋愛ものとして曲を作り始めた。
二人は歌に魅了され目標とする歌手に恋をしている。
二人は年々積み重なっていった感情の変化を軸に作り上げていく。
楽しい、面白い、歌詞を書き上げていく度に二人は互いを分かり合っていった。
伝えたい、この想いを歌が好きだと心同じくする人にまだ知らない人に聞いてほしい一心で二人は曲を完成させた。
そして、レコード会社のオーディションに二人はユニット、コンビとして向かう。
目標。あの人と同じ場所に立ちたい、どんな景色か見たい、
俺(私)達みたいに歌を好きになってもらいたい、けれど一人では駄目。でもこいつとなら行ける気がする。
これはもう自分だけの夢じゃない。
二人は拳を合わせてオーディション会場に入っていく。
「二人の名前と自己紹介。あともしあればユニット名を」
自己紹介を終え
「私(俺)達はShot of Songです」