序章の幕開けは比較的静かに
今回初投稿となります絵代葉です。。。
といっても趣味で妄想ばっかりしてるのでそれを文字に起こしただけなんですけどね。
ながながとここで語っても仕様がありませんね、
兎にも角にも本編をどうぞ!
幼い少年が描いた未来は淡く叶わぬ空想の街――
白い雲が空を渡り、人が行きかう大通り。子供は喧嘩し大人は愚痴を零す、平和の似合うその街に、目前の景色を見て彼は仰ぐ。
空に浮かぶ――訂正。地を這うは巨大な蜘蛛。人の形をした獣が駆け回り、大人と呼ぶには言葉が合わない神人が微笑する。
――なんだこのクソゲー(笑)
と。
幾多と溢れる神話、伝説、魑魅魍魎。少年の生まれた世界は既にそれらに囲まれごった返しとなっていた。人類が生きるには余りに貧しく、神話を語るには余りに満ち足りている。
ある者は自ら命を絶ち、またある者は果敢に戦い消息を眩ませた。そしてある者はこの不条理な世界を自身の娯楽とする遊戯からこう呼んだ。『スクラッチゲーム』
天井に吊るされた室内を照らす輝晶がかすかに揺れ、地響きとともに鼻を煙の臭いがなでる。木を掘ってつくったコップのみずに波が起つ。
「アイツらもよく懲りずにドンパチ出来るよな。さすが、獣人の血は争えないね」
冷や汗を袖で拭きながら、薄い皮の仕切りをくぐり声をかけた男は筒状に丸めた紙を、少年のうつ伏せるテーブルに雑な動作で投げ捨てた。
「だいたい四、五キロってとこだな。いつものわんにゃん戦争だよ――。おい、きいてるかヒサギ?」
そうよばれた少年、ヒサギは顔を伏せたまま紙を手探りで取り、腕の隙間から覗き込む。
「すこし前はそのわんにゃんも人間だったけどな。崩壊が起こる前は」
――崩壊。心理と真理、形と容の常識が崩れ壊れた。
――音もなく、その瞬間を見た者すらいない。ただ忽然と、あるべき遊び手が消え、不必要なディーラーが具現化した。創造とも呼ぶべき崩壊。
そんな世界は当然のように待ったはなく無意味に無作為に残された人類は、なんのハンデも与えられなかった。
いつか終わるとだれもが思った。だれもが願った。
けれども夢は一度たりとも覚めることなく終わりの欠片を魅せることはなかった。
「これから飲みいくんだけどよ、どうだ?たまにはヒサギもよ」
「まだ昼前だろ。気ぃ抜いてると前みたいにジンさんに怒られるぞ?こないだだって――」
言葉を出すごとに表情が歪んでいくのが伏せていても分かった。
「わーってるよ!今日だけだって。で、お前はどうすんだ?」
めんどくさそうに、実際面倒であろう。頭をガシガシと掻きながら再確認のため聞きなおす。
顔をあげ腰の痛みに背中を叩きつつ同じく面倒そうに振り返り。
「パス。また今度な」
そう言われ男のほうも諦めがつき外に出る手前で立ち止まった。
「ほんっと、最近つくずくお前の姉に似てきたな。姉さん――コノエさんにもそう言って毎度断られたよ」
――――。
姉さん、今頃は馬鹿みたいに酒でも飲んでんのかな。
◆◆◆
人間が身を潜めている集落はこの星で最大であろう大きさを誇る山、その斜面に上部、中部、下部と分かれて密集している。
あたりは山々が連なり外側からは完全に見えない位置に人は住んでいる。まさに最弱の人間らしいチキン戦法だ。それでさえ飛来する異種族の流れ弾に当たり、命を落とした人間は数知れない。
だからといってやり返そうにも、果たして俺ら雑魚に何ができよう。たかが知れた戦争に身を投げるなど愚かどころか死者へ顔向けもできない。
ヒサギ、そして調査指揮官ジンを中心に外戦は刻々と記録される。先ほど酒の誘いをした男が投げた紙もその調査資料。
「獣人種の内戦、それから機翼種の目視確認――。取り敢えずジンさんにまわすか」
一通り目を通すと紙をテーブルに置き重い腰をあげ仕切りをくぐる。
ヒサギが普段使用するその小屋の外では、機能を停止した機翼種を分解して取り出したレンズ越しに山の反対を確認する見張りと、その光景を記録する二人がのんきに馬鹿話をしていた。
「おうヒサギ、おめーも冷たいやつだなぁ、酒ぐらい付き合ってやれよ。そんなんだといつの間にか、嫁さんも逃げちまうぜ?」
「昨晩、隣の奴にその嫁を寝取られたばっかの自分に、良く言い聞かせたらどうだ?」
気をつけろよと念を押し二人の元を去る。背後でやんややんやと小争いが起きるのを見送り深々とコートを着込むと上部に位置する小屋の道を滑る足場、慎重に下山していった。
◆◆◆
文字に起こすのも大変ですね、、、
妄想してぶつぶつ独り言ってると「なにいってんの?」と不思議がられます(それだけですんだのが不思議)。
読んでくださりありがとうございました。
さては本編初めてでいたらなかったとわ思いますがどうでしたか?
打ってるときも勿論ひとりごと――。
あとがき苦手ですいません(汗)
次話もよろしくお願いしますm(__)m
でわでわー