0-8話 バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その7 悪夢の一斉射
8話更新です。構想ではこのヴァナティック邸の攻防は短いエピソードですぐ終わるはずだったんですが、なんか凄く長くなってgdgdになっている気がしますwいいでしょう!いっその事こうなったらとことんまで長くしてもっとgdgdにしてやろうと思っていますwこのディアボロスという作品のコンセプトのひとつに人気をとることや書籍化を目指すこととかはひとまず横に置いといて、作者の自由気ままに最後までやりたい放題書き切って完結させるというものがあります。その自由な感じを楽しんで頂けたらとても嬉しいです。毎度ブクマ乞食とかをするのはアレなんでw今回からあとがきは次回予告風にしようと思っています。サザエさん方式でやろうかなとwよろしくお願い致しますw
BF重連星というエースパイロットを失ってしまったサンダースは焦りながらBFOB隊に号令をかける。
「ま……まさかあのBF重連星がやられるとは……!!あのバカでかい実体剣!!なんという斬れ味なのだ!?あの剣を軽々扱うあの男の腕もまた侮り難し!ええええええいままよおおおおおおおお!!!!全機一斉射撃用意だああああああああああああああ!!!」
サンダースの一斉射撃を強行しようとするその姿勢に、ドイル機の周辺近くにいるドラッケン・ツヴァイとゴリアテウィンカーネに搭乗しているBFOB隊員達が猛抗議する。
「ちょ……ちょ……ちょっと待ってくださいいいい!!サンダース分隊長オオオオオオ!!今ここで一斉射撃なんてやったら俺たちまで吹き飛ばされちまいますぜ!?」
「そ……そうですとも!!せ……せめてもうちょっと部隊を展開させ距離をとってからですね……!!!」
サンダースは巻き込まれる可能性がある隊員達の悲痛な願いを一蹴する。
「スレイヴをもう5機も失ったんだぞ!!重連星も叩き斬られたのだ!!あのバカでかい実体剣を軽々扱うあいつと正面から殴り合うなんてことができようものか!!白兵で手も足もでないのであれば一斉射撃しかなかろう!!このまま犠牲が出続けてもいいのか!!あんなガキにBFがいつまでも舐められるわけにはいかんのだ!!ショーン!スコッティ!……大丈夫だ!!貴様らの胸にあるBF魂を信じろ!!気合いだ!!気合いいいいいい!!シールドを展開し、一斉射撃に耐えつつこっちに帰ってこい!!できる!!貴様らならできる!!できるんだああああ!!やってみせてみろ!!」
隊員達は泣きながらサンダースに苦言を呈す。
「そ……そりゃあちいとばっかし冗談が過ぎますぜ!!無理ってもんでさあ!!分隊長おおおおおおおお!!」
「お……俺達の犠牲は犠牲のうちに入らないんですかい!?そんな無茶苦茶な事が……!!」
サンダースは隊員達の叫びを遮るように号令する。
「あきらめるなああああああああ!!どうしてそこであきらめるんだああああああ!!貴様らならやれると言ったろう!!出来る!!出来るんだあ!貴様らなら出来る!!よおおおおおおし!!そういうわけで!!!!!!!全軍一斉射撃!!ってええええええええええええええ!!」
BFOBの大部隊による一斉射撃がドイル機にむけて放たれる。総勢約30機近い大迫力の一斉射撃だ。おびただしい数の砲撃が襲い掛かる。
「どういうわけでえええええええですかあああああ!?マ……マジで撃ってきやがった!!あわわわわわわわわ!」
「うわああああああああ!!もうどうにでもなれええええええ!!」
巻き込まれる可能性がある隊員達は必至でシールドを展開し防御を固める。
この危機的な状況に少々の焦りが見え始めるドイル。
「味方ごと俺を殺ろうってのか!?ふん!なかなか思い切った事しやがる!嫌いじゃないぜ?こういう展開!!この数の砲撃だ!直撃したらいくらデスペラードでもひとたまりもねえだろう!……四方からの一斉射か……!活路は……?上だ!!上に飛ぶ!!ブーストオオオオオオオ!!!」
ドイル機はブースターの出力を上げ、上空高く舞い上がり、BFOB隊の一斉射撃を躱そうとする。しかし上空には2機のフライトパックを装備したドラッケン・ツヴァイが待ち構えるように待機していた。
「ハハハ!貴様のやることなど既にお見通しよ!!」
「ふふふ……!待っていたぜ坊や!!BFに盾突いた罰だ!しっかりお仕置きを喰らってこい!!」
ドイルは苦虫を噛み潰したような表情をし思わず叫ぶ。
「クソがあああああああああ!!既におりこみ済みかよ!!!」
ドイル機は上空にいる2機のドラッケン・ツヴァイの砲撃を真上から喰らう。その衝撃で右手に携えたバスタードザンバ―を不覚にも落としてしまった。
「ぐうううう……!!し……しまっ!!」
ドイル機からかなり離れた地上にザンバ―が回転しながら深く突き刺ささる。ドイルの注意が逸れ一瞬無防備になってしまったその隙をつかれ、上空から更なる砲撃を喰らい、地上に叩き落とされた挙句、そこで待っていたのはBFOB隊の地獄の一斉射撃だった。まともに直撃を喰らってしまうドイル機。
「!!ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
おびただしい数の砲撃を喰らい絶叫するドイル。サンダースがこれみよがしにBFOB隊に号令をかける。
「よおおおおおおし!!!鼠が網にかかったぞおおおおおおおおおお!!銃身が焼き付いても構わん!!撃て!!撃て!!撃て!!撃てえええええええ!!撃つのだあああああ!!」
更に勢いを増していく一斉射撃。嵐のような砲撃の雨あられ、ドイルの周辺近くにいたBFOB隊員達もまた哀れにもドイルともに火の海に晒される。
巻き込まれながらもシールドを展開し必死で耐えるBFOB隊員のショーンとスコッティ。
「うおおおおおがあああああああああああああああああ!!シ……シールドがあああああ!?」
「ぐおおおおおおおおおおおわあああああああああ!!これは……そうそう耐えられるものではあああああああ……!!」
シールドが焼けただれ、一斉射撃の衝撃に耐えられず、吹き飛ばされ爆散するショーンのドラッケン・ツヴァイ。一方、必死にシールドで耐えながら火力が比較的集中しづらいと箇所を見極め少しづつ本隊に近づいていくスコッティのゴリアテウィンカーネ。
ドイル機めがけ、BFOB隊の一斉射が続く。ドラッケン・ツヴァイのアサルトライフル、ゴリアテウィンカーネのバスターバズカーやミサイルランチャーが猛烈な勢いで火を噴く。
色とりどりの轟音と炸裂音が響き、3分強ほど続く長い時間、猛烈な一斉射撃による大きな爆炎と硝煙に包まれ肝心のドイル機の姿はもう何も見えなくなってしまっていた。
サンダースがしてやったりな得意げな表情を浮かべながらBFOB隊全機に号令をかける。
「よーーーーーし!!もういい!!撃ち方やめえええええ!!やめええええええ!!撃ち方やめええええええ!! がははははははははは!!デカい口叩きおってこの若造が!!この大部隊に正面から喧嘩を売るからこうなるのだ!!現実です!!これがあああああ現実なのでええええええす!!!これだけの一斉射撃を行ったのだ。もう跡形も残っておらんだろうが、念には念をいれておくか。ダグラス! グレッグ! 生死確認だ!!確認に迎え!」
「はっ!了解であります!」
ダグラスとグレッグのドラッケン・ツヴァイはドイル機の生死を確認しに前に出る。
その時よろよろとボロボロになったスコッティのゴリアテウィンカーネがサンダースの本隊に奇跡的に帰ってくる。シールドは粉々、装甲は焼けただれ剥げ落ち、右腕と左足が著しく破損している生還したのが不思議なくらいの状況だ。サンダースはいたく感激してこれみよがしにまくしたてる。
「スコッティィィィィィ!!!よくぞ生還したああああああ!!貴様なら出来ると信じていたぞ!!BF一勇者よ!!貴様らの矜持があってこそ精強なるBFの今日があるのだ!!」
スコッティは余りに苛烈な容赦のない一斉射を行ったサンダースを恨めしそうに見上げ、ありったけの不満をぶちまける。
「ショ……ショーンは巻き込まれて死んじまいましたよおおおお!!み……味方ごと撃つなんて無茶苦茶もいいとこです!!!ちょっとは手加減してくださいよおおおお!!何考えてんですかああああ!サンダース分隊長おおお!!」
サンダースは大粒の涙を流しながら号泣して叫び出す。
「そうかあああああ!!ショーンは生還できなかったのかあああああ!!ああ!ああ!ショーンよ!!ショーンよ!!貴様の功績!!尊い犠牲!!決して忘れまいぞ!!見よ!!スコッティ!!貴様とショーンのおかげであのクソ生意気な若造を確実に仕留めることができ!更に我が隊はこの通り!!」
さきほどまでひしめき合い身動きの取れない鮨詰めだったBFOB隊が距離を取り合い、整然とした確固たる陣形を築いている。サンダースは続ける。
「これでどの方面から敵が来ても問題ないということだ!後はこのまま部隊を更に展開し残る鼠を包囲し嬲り殺しにするのみ!全てはスコッティそしてショーン貴様らの功績だ!!恩賞は特等だ!ヴァナティック社長には俺が申請しておく!道を開けろ!英雄の凱旋だ!!スコッティのゴリアテを衛生班がいる後方へ!!そしてこの英雄たちに惜しみない称賛を!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!スコッティ!!スコッティ!!スコッティ!!ショーン!!ショーン!!ショーン!!」
サンダースがそう言い放つや否や、BFOB隊からショーンとスコッティコールが巻き上がり、ボロボロになったスコッティとゴリアテウィンカーネは後方へ下がる。
「(く……くそお……!な……なんか……釈然としない気もするが……!ここは生き残っただけでもよしとするか。今は我々BFが勝つことが優先だ……!それにショーンには悪いが褒美も特等だしな……!ヴァナティック社長からの特等の恩賞……ゴクリ……!一生左うちわは間違いないぜ!!すまん!ショーン安らかに眠ってくれ……!そうだな……。ここはひとつ俺が士気を上げてやるか!)うおおおおおおおおおおおおお!!!」
後方へ下がっていくスコッティのゴリアテウィンカーネが両手を上げて隊の称賛に応える。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!スコッティ!スコッティ!スコッティ!スコッティ!スコッティ!」
ますます盛り上がるBFOB隊。割れんばかりのスコッティコールが鳴り響き、隊の士気は大いに上がる。
一方まだ立ち消えない大きな硝煙の中に、ドイル機の生死を確認しに来たダグラスとグレッグのドラッケン・ツヴァイが入っていく。ダグラスがドイル機の残骸を探しながら呟く。
「はっはっは……。こいつはすげえや。まだ硝煙が消えないなんてな!ロクに辺りが見えねえよ」
グレッグが答えるように口を開く。
「あんだけよってたかって撃ちまくればなあ!見るまでもなく今頃ミンチになってる頃だろうぜ?ガキが出しゃばるからこうなるんだよ!マヌケな奴だぜ!全く!」
その一連の様子を後方で伺っていたマニングスが大いに嘆く。
「うあああああああああああ!!あーーあーーー!!まともに喰らっちまってまあ!!絶対死んだわ!アレ!!だから言わんこっちゃねえ!!これだけ兵力差があると普通はこうなっちまうんだよ!!」
グレイヴが呆れかえったように呟く。
「フン……!!自業自得とはこの事だ!作戦を無視してひとりで突っ走った結果がこれだ!奴にはお似合いの無様な最後だな。ざまあないぜ!」
マニングスは合掌しながら目を瞑る。
「ドイル……!今思うとお前さんはバカで自信過剰で猪突猛進で女好きでロリコンで坊ちゃん顔だったけど、どこか憎めない愛嬌のある面白い奴だった……!迷わず成仏してくれよ……!間違っても俺の枕元に化けて出るなよ。そんときゃ塩撒くからな塩。南無阿弥陀仏!南無阿弥陀仏!」
するとどこからともなくマニングスの無線機に聞き覚えがある声の無線が入る。
「勝手に殺すんじゃあああああああねえええええええええええええ!!」
硝煙の中から突然姿を現す半壊したドイルのデスペラードがダグラスのドラッケン・ツヴァイの頭部を右手で掴む。驚いたのは生死確認にきたダグラスとグレッグだ。
ダグラスは叫ぶ。
「うわあああおおおおおおお!!バ……バカなあああああ!!生きてるうううう!!こいつ……生きてるぞおおおおおお!!!」
グレッグは状況が把握できずにパニックになって慌てふためく。
「あ……あれだけの大部隊のい……一斉射撃だぞ!!?まともに喰らった……!!まともに喰らったはずだああああ!!生きてるわけがねええええ!!あり得ねえんだそんな事はああああ!」
パイロットスーツがズタズタになり、額や右目から血を流して負傷しているドイルが狂気を孕んだ笑いを浮かべながら口を開く。
「流石の俺様も今のは死んだかと思ったぜ……!!たいした装甲だ……!!デスペラード!!こいつはスゲエぜ!!だが頭にきた……!すんげえ痛かったぜえ?いいか!?よく聞け?俺は殴られたら必ず殴り返す!!万倍にしてなああああああああ!!」
ドイル機はそのまま片手でダグラスのドラッケン・ツヴァイの頭部を力まかせに持ち上げ握りつぶす。
「ぐぎゃあああああああああああああああ!!」
ダグラスの断末魔が響く。グレッグは自分が想定できない現状に背中を見せて逃げ出す素振りを見せる。
「うああああ……こ……こいつはバケモンだ……!!バケモンなんだああああ!!うわああああああああ!!」
「誰が逃がすかよ!!!」
ドイル機は好機とばかりに、グレッグのドラッケン・ツヴァイの背中めがけブースターを吹かしながら飛び蹴りをお見舞いし、そのままブースターの出力を上げ、うつ伏せになっているドラッケン・ツヴァイの機体をスケートボードにようにして地面を砂埃を巻き上げながら滑っていく。
「ぐががががああああああがあああああああああああああああああああ!!」
地面に擦りつけられている衝撃にグレッグはたまらず叫び声を上げる。
ドイル機は背中を向けうつ伏せで倒れ込んで身動きが取れないグレッグのドラッケン・ツヴァイの頭部めがけて渾身の拳を打ち下ろそうとする。
「これでオネンネだぜ!!いい夢見て来い!!」
「ま……待て……!!俺は……か……金で雇われただけで……お前に……う……恨みがあるわけじゃあ……!!あぎゃああああああああああああ!!」
ドイル機が振り下ろした渾身の拳はグレッグのドラッケン・ツヴァイの頭部を粉々に粉砕した。
「お前にゃあなくても俺はとっくの昔からハラワタ煮えくり返ってんだよ!!しこたま撃ちまくりやがって!!マジで死ぬかとおもったぜ……!」
立ち上がり堂々と構えるドイル機。しかし
「お……おっと……!俺としたことが……情けねえ……!」
ドイル本人とデスペラードともども多大なダメージを負って、立ち上がる事も困難な状態らしく、一度ふらつき倒れそうになるもなんとか体勢を立て直し前を見据える。
ドイル機のコクピットのフロントモニターに突如文字が表示される。「機体の損傷率が60%を越えています。設定条件を満たしました。サポートAIプログラムをインストールします。インストール中現在30%」
ドイルはその表示に全く気づいていない。
大規模な硝煙が時間の経過と共に完全に消える。
その中央に陣取るのは雄々しくそびえる半壊したドイル機の姿がそこにあった。
BFOB隊はそのあり得ない光景に大きなざわめきがおき、サンダースは驚愕し思わず素っ頓狂な声を上げる。
「な……な……なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?い……生きてる……!!生きてるぞおおおおおお!!い……生きてやがった……あ……あれだけの一斉射撃を受けて……損傷は中破程度だと……!?あり得ん!!あり得んぞおおおおおおおおおおおおおお!!これだけの火力を集めて破壊できないスレイヴなどこの世に存在し得ない!!な……なんて装甲だ……!!バ……バケモノか………??あの機体は……!?」
オッス!ドイルだーー!ディアボロス8話!読んでくれてありがとな!俺の活躍どうだった!?カッコ良かったって?そうだろ?そうだろ?おいおいおいサインやファンレターは後にしてくれよ!なにせ今戦闘中で忙しいんだぜ?しかしあそこでバカどもの一斉射撃喰らっちまうたあ俺もヤキが回ったもんだぜ。ここから俺の華麗な反撃が始まるから期待してくれよな!な……なんだ?どこからともなく変な声が……!サポートAIだあ?ぐだぐだうるせえええええええ!!俺の喧嘩にそんなもん必要ねーーんだよ!!次回ディアボロス「バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その8 俺とAI」次回も絶対読んでくれよな!!