0-2話 バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その1 強襲作戦
2話です。活字でアクションは難しいですね。アクションやバトルは演出やカッコよさ重視でこまけーことはいいんだよ!みたいなノリで書いてますw
ここはヴァナティック邸。イシュタリアの首都パラメディ―ルの華やかな建物の中でも、一層豪華絢爛かつ虚栄心に満ちた豪邸。ひょっとしたら大統領官邸よりも豪華な作りになっているのではないかと言われているほどのものである。
邸内は異常に広く、悪趣味ともいえるほどの金箔を張り巡らせた作りになっていて、家具や日用品は世界最高級のブランド物を取りそろえ、世界中の美術品や、骨董品を財力に物を言わせて買い揃えている。ヴァナティック・アウスウラこの男こそイシュタリア一の武器商人であり、通称イシュタリアの死を司る商人。この男が興したヴァナティック社こそ死をまき散らし、利益を尊ぶ闇の兵器開発売買会社である。
その代表取締役のヴァナティックという男、若かりし頃は確かな志を持ち、聡明かつ壮健な美青年だったのだが、利益を上げる度に欲に塗れた俗物へと堕ちていき、ブクブクと太った醜い男になり果ててしまっていた。
ヴァナティックは無駄に豪勢な椅子にどっかりと座り、自身のでっぷりとした腹を撫で、最高級のブランデーを飲みつつ、葉巻をふかしながら5人の美女たちを侍らせていた。ヴァナティックは美しいがどこかだらしのない瞳をした美女達に問いかける。
「ふふん。この絵画を描いた作者は誰かわかるかね?グーニャ?ライラ?」
グーニャと呼ばれた豊満な身体つきの金髪の女性は困惑気味に応える。
「うーん?わかんない~?」
ライラと呼ばれたスレンダーな身体つきの赤毛の女性も同じような回答をする。
「わからないわ~?ヴァナ様教えて~?」
ヴァナティックは美女達の答えが、自身の想定していた通りの答えであることに満足して得意気になって応えはじめる。
「わからないか!?わからないか!そうだろう!そうだろう!よく聞くんだ!これはなんとデュマだよ!
戦前の天才画家フランチェスカ・デュマの絵なんだ!あの幻の絵画。デュマの最高傑作!!湖岸に佇む双魚の瞳だよ!凄いだろう!?」
美女たちは騒めく。絵画に詳しい者でなくともデュマの名前は誰でも知ってる。グーニャがおそるおそる口を開いた。
「でもデュマの絵は戦争でほとんど燃えてしまって、本物はわからずじまい。世に溢れているのは贋作ばかりって言うわ……。この絵は……本当に本物なの?」
ヴァナティックはグーニャのこの意見も既に想定済みであり、更に得意げになって意気揚々と語り始める。
「そう!グーニャ!よく知ってるねえ!流石私が見込んだ女だ!だが私は目利き中の目利き!私の眼前には贋作か本物かもわからない100枚をゆうに越える絵が並べられた。その中の1枚の絵が私に語り掛けるんだ。よく耳をすますと声が聞こえる。純文学的な響きというか、この絵画に封じ込まれたデュマの魂が私に世界の成り立ちを教えてくれたんだよ!自然にそして無造作にとった1枚の絵。それがこの湖岸に佇む双魚の瞳だった。もう間違いなかった。さっそくこの絵を鑑定士に見せたんだ。気になる鑑定額はいくらになったと思う……?」
女たちはヴァナティックの一言一句に耳をすまし、ドキドキと高まる胸を必死に抑えようとしていた。
「何と……」
ヴァナティックは更に勿体つける。
「何と……?」
女たち胸が更にドキドキと高鳴る。
「600億Cだったんだよ!!本物だああああああああああああああああ!!」
ヴァナティックはガッツポーズを作って絶叫する。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアア!!ヴァナ様ってばもう最ッ高!!!」
女たちも狂喜乱舞し絶叫する。
ちなみにこれは無論目利きで本物を選び抜いたというのは全くの大嘘であり、表は勿論の事、裏の市場全てに出回ってるデュマの絵を本物であろうが、贋作であろうが全てヴァナティックが購入した結果である。
実際の費用はゆうに5000憶Cを越える額を使用している。もし万が一購入したものが全て贋作であっても鑑定士を脅して贋作を本物として認めさせる気ですらいた。事実としてヴァナティックは本物の絵を手に入れたが、世界最高峰の画家と呼ばれるデュマも本当の絵画の魅力、素晴らしさなど霞ほども理解できないこんな虚栄心の塊のような下賤な男に力作を独占されてしまったのだから浮かばれない。
「もうダメ……!我慢できない!ヴァナ様!私を見て!抱いてェン!」
グーニャをはじめとするとりまきの女どもが愚かな男の安直な嘘に騙されすっかり出来上がってしまっている。
ヴァナティックは更に有頂天になってグーニャを抱きしめながら高らかに言い放つ。
「おお!グーニャ!今夜の君はなんて情熱的で魅惑的なんだ……!いいかい!?美しき私の女たちよ!パーティーを始めるぞ!みんな最高級のシャルル・ダジーレの酒をあおれ!スペシャルドラッグは飲んだか!?脳内が月までぶっ飛ぶ特注ものだ!今夜は絶対寝かさないぞお!!」
「キャアアアアアアアアア!!」
女たちが更に興奮して嬌声を上げ、次々と衣服を脱ぎ豊満な肢体を惜しげもなく晒し始めたその瞬間。
「お楽しみのところ失礼致します。今夜のパーティーは取りやめにした方がよいかと存じます」
何処からともなく男の声が聞こえる。女たちは怯えはじめヴァナティックは驚き叫ぶ。
「ああ!お楽しみだったとも!邪魔しやがって!!誰だ!!?どこのどいつだ!!不遜な輩め!姿を見せろ!」
突如として影から現れた。この場に似つかわしくない異様な武装集団。そうプルートゥとジャンヌそしてバウンティデヴィジョンのライザー隊長とアルファチームの姿である。
ヴァナティックは表情を引きつらせながら訝し気に口を開く。
「これはこれは軍略国防長官殿。一体どうしたんでしょうか?そのいでたちは穏やかじゃあありませんなあ?」
プルートゥは険しい表情をしたまま答える。
「ヴァナティック社長……。貴方を逮捕致します。度重なる収賄、癒着、違法取引、国境侵犯を行った他国での無断な機動兵器の稼働テスト、イシュタリア国際憲法を犯す度々の犯行・愚行、最早見逃すわけには参りませぬ。神妙になさってください」
「キャアアアアアアア!!」
プルートゥたちの尋常ならぬ気迫にすっかり気圧されてしまった半裸の女たちは怯えて次々に逃げていった。
ヴァナティックは逃げていく女達を引き留めようとするが時は既に遅かった。そしてワナワナと怒りを露わにしだす。
「待ってくれ!私のハニ―達!!い……いいところだったのにィ!!プルートゥ!貴様!貴様が軍略国防長官なんて分不相応な身分についてるのは誰のおかげと思っている!!私が猛烈に後押したからだろ!?この国は誰が守っている!!イシュタリアの武器庫と呼ばれるわが社だ!!わが社の発展なくしてイシュタリアの発展はないのだ!恒久的な平和とは最強の武力、防衛力を持ったわが国だけが唯一実現できるものなのだ!武力を持ってして蛮族、弱者を死に至らしめそのクズどもの命から巻き上げた金で平和を買うのだ!なぜわが大望を理解せんのか!俗物が!」
既にヴァナティック邸を包囲しているバウンティディヴィジョンヴァラヴォ―チーム。年齢の割にはやや童顔の隊員ドイル・フーバーがMTを横に待機させて、ディヴィジョン最新型のスナイパーライフルを構えている。他の隊員達が包囲しているヴァナティック邸の周囲よりも遠く離れた高台に陣取りスコープを覗きながらドイルは呟く。
「俗物はどっちでしょうね~♪」
スナイパーライフルの照準はしっかりとヴァナティックを捉えていた。
ヴァナティックは更に激昂して叫び出す。
「よかろう!!ふははははは!そっちがその気なら目には目ということだな!来い!!血に飢えた亡霊たちよ!!」
ヴァナティックが号令をかけると、どこからともなくさっそうと特殊兵装をまとった屈強な男達が姿を現した。
その数20名程度。
「フハハハハハハハ!!紹介しよう!!伝説かつ最凶最悪のアサイラムの死神を知っているか!一度はあの死神を追い詰めたこともあるという最強の特殊部隊ブラッディファントムのOB達だ!一度退役したものの血の匂いが忘れられずに私の元に集ったということだ!プルートゥオオォオォ!?お前の即席の寄せ集め部隊などに決して引けはとらんぞおおおお!?」
ブラッディファントムOBの隊長がヴァナティックに尋ねる。
「社長。このふざけた連中を捻ったらいかほどいただけるんで?」
ヴァナティックはよくぞ聞いてくださいましたと言わんばかりに堂々と答える。
「よし!マット隊長!!そうだなあ!!ひとり2億!いや3億出そう!特別ボーナスだぞお!!殺しても構わん!存分に奮い立て!(ただ待て!プルートゥの横にいるジャンヌは生け捕りにせよ。私の愛人のひとりに加えたい!)」
更に小声で下賤な要望を催促するヴァナティック。
プルートゥの養女にしてその右腕とされるジャンヌ・イスラフェール。この才媛の軍人としての戦闘力、凄腕の女スパイとしての諜報力もさることながら彼女が真に有名である理由、男達の憧れの的である本当の理由はその美貌とはちきれんばかりの艶めかしい肢体による妖艶な色気にほかならなかった。好色で名を馳せているヴァナティックが美しき美貌を持つあのジャンヌを欲しがらないわけがない。ブラッディファントムOB(以下BFOBと記述)のマット隊長は目を光らせながらジャンヌを見て舌なめずりをする。
「アイアイサー!!お前ら3億だ!特別ボーナスだ!!張り切れ!殺し放題だ!!」
ジャンヌはやれやれとため息をついて呟く。
「類は友を呼ぶ……か……」
BFOBの隊員たちは血に飢えた狼のような咆哮を上げる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
プルートゥが前を見据えたままバウンティディヴィジョン(以下BDと記述)のライザー隊長及び隊員達に語り掛ける。
「近年ヴァナティックにとって都合の悪い人物が次々と消される事件が相次いだ。主犯は恐らくこいつらだ。これ以上の横暴は決して赦すことはできん。遠慮はいらん。処分しろ」
「御意……。血に飢えた戦闘狂とういうのは本当らしいな……!」
ライザー隊長が呟きながらが構える。BDのアルファチームの隊員達も戦闘態勢をとる。
「往生しやがれえええええええ!!」
マット隊長が口火を切った。一斉に襲い掛かるBFOBの隊員達。
「怯むな!デュラン!シュミット!アマンダ!ライナス!迎え撃つぞ!」
ライザー隊長が腕を交差したまま前方へ華麗に飛びかかる。襲い掛かかってくるBFOBの隊員2名を同時に肩部、胸部、腹部に目にも止まらぬほど速い掌打を見舞う。細かい連打だが人体の内部で爆発物が激しく爆発するような破壊力を秘めており、凄まじい打撃音と共に、何がなんだかわけのわからぬまま後方へ弾け飛ぶBFOBの隊員2人。
「ぐぎゃあああ!!身体の中で何かが爆発したあああ ぎゃあああああ!!」
ちょっとやそっとの苦痛などでは泣き言など決して吐かない、十分に訓練された屈強な特殊部隊上がりの隊員が地べたへ這いつくばり悶え狂って赤子のように泣き叫んでいる。
BFOBのマット隊長は思わず驚嘆の声を上げる。
「なんだあ!?あのマーシャルアーツは!?」
骨法……東洋の武術の一種であり、ライザーはこの骨法を極め、自身の実戦格闘戦術に広く取り入れていた。イシュタリアを含むアサイラム大陸は世界でも西側に位置するもので、西側の人間が東側の国々にわたる方法が世界がバラバラに分断されてからは非情に困難で限られているため、今となっては東側の国々の文化、伝統、武術などを西側の人間が周知、体得しているケースは稀有なものになっている。
「シッ!!」
デュランと呼ばれた中肉中背のBDの隊員は、向かってくるBFOBの隊員の腹部に強烈なボディブローを放つ。そしてその特殊な手甲から強烈な電撃が放たれる。約200万ボルトの出力を誇るスタン・ブロウだ。
「うぎゃああああああ!!し……痺れる!!」
更にデュランは感電状態のBFOBの隊員の頭を片手で掴んで、そのまま豪快に投げ飛ばした後アサルトライフルを乱射する。
「そのままオネンネしときな!」
「ぎゃあああああああああああ!!」
投げ飛ばされたBFOBの隊員はもとより、その身体に押しつぶされるように巻き添えになった2名の隊員も一緒に蜂の巣にされる。
「遅い……!」
シュミットと呼ばれた浅黒い肌のBDの隊員は、音もなく高速で相手の背後に回り両手に携えた2本のダガーナイフを一閃する。
するとBFOBの隊員が声もなく倒れていく。
「ハッ!!気付け代わりに銃弾の雨を喰らいな!!」
アマンダと呼ばれたやや大柄の女性のBDの隊員は、ナイフを持って飛びかかってくるBFOB隊員の初撃を躱しつつ、振り向きざま抜刀するようにショットガンを撃ち放ちBFOBの隊員は爆音と共に血と肉片を飛び散らしながら体ごと吹き飛ばされた。
「びぎゃあ!!」
「さあ!どんどんかかってきな!次に真っ赤なトマトになりたいやつはどいつだい!?」
アマンダが啖呵を切って勇ましく吼える。
「うおおおおおおおおお!!」
「何してる!!撃て!撃て!」
ライナスと呼ばれた2mを越える巨漢のBDの隊員は特殊な装甲で作られたアーマードスーツを着こみ、BFOB隊員達の銃撃をものもともせず弾き返しながら前進し、そのまま相手の首を片手で掴みへし折っては投げ捨てていく。
「なんだ……こいつら……バ……バケモノか!!!」
BDの怒涛の攻撃に、BFOBの隊員達の士気がみるみるうちに下がっていきBFOB隊員達は絶叫する。
ヴァナティックが予想外の展開に狼狽して叫ぶ出す。
「オ……オイ……!大丈夫か!?お……押されているぞ!」
「ハッ!!な……なあにここからですよ!こいつらちと物珍しい戦い方をするんで少々驚いただけです!お前ら!何してる!!気を引き締めろ!BFの狂気を刻め!」
BFOBのマット隊長は隊員達を一喝し士気を煽る。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
BFOBの隊員達は奇声を上げる。異様な士気の上がり方。小刻みに身体が震え出し、眼の焦点は定まらず、舌を出し涎を垂らしている。明らかにまともな状態には見えない。
「こいつら……まさか……?」
ジャンヌがBFOBの隊員達の異変に気づき警戒して構える。
「があああああああああああああああああああ!!」
なりふり構わず襲い掛かってくるBFOBの隊員達。まるで人ではなく理性を失った猛獣のようだ。ヴァナティック邸を包囲して、高台に陣取っているヴラヴォ―チームのドイルがスナイパーライフルを構えながら陽気に呟く。
「こいつらアレだな。非合法ドラッグの常習者か。ザルアの闇ルートのヤバいやつだ。ゴリゴリに決まってやがる……。ヴァナティックの豚野郎。違法武器商人に加えて麻薬のディーラーかあー!あくどい!2冠じゃん!そりゃあ金持ってるわけだぜ……。はいはい。盛りのついたワンちゃんたち?そこまでよーーん♪」
スコープごしに狙いを定めつつ、先ほどまでおどけていたドイルの眼光が鋭く光る。その瞬間銃声が3回響き渡る。
襲い掛かってくるBFOBの隊員3名の頭にドイルが撃ち放った銃弾が見事命中して次々と倒れていく。
「ビンゴ!グラッチェ!ストライク!このまま俺一人で片付けてやるぜ!!」
ガッツポーズを作り意気揚々と次の獲物に狙いを定めるドイル。
ヴァナティックは何が起こったのか理解できずに、驚き怯えながら当たり散らすように叫ぶ。
「おいいいいいいい!!?何が……何が起こったあああああ!!?いきなり死んだぞ!!何で死んだ!?死んでるよな!?それ!」
BFOBのマット隊長はライザーらのアルファチームとの攻防を交えながら、少々パニックを起こしつつも素早く状況把握をしてヴァナティックに回答する。
「スナイパーですぜ!社長!もうここは既に包囲されています!やりやがる!こいつら手練れだ!デニス!周囲を索敵だ!索敵しろ!スナイパーがいる!」
デニスと言われたBFOBの隊員は特殊なゴーグルと索敵レーダーを装備し言い放つ。
「もうやってますぜ!隊長!!……周囲敵影なし……。スナイパーなどどこにも……。一体どこから撃ってきたんだ!?」
怯え切った表情で叫ぶデニス隊員に、業を煮やしたBFOBの隊長はデニスに歩み寄りぶっきらぼうに口を開く。
「貸せ!!このマヌケが!索敵レーダーの精度を限界まで上げる…。撃たれたおよその方角と火薬の匂い…。感覚を研ぎ澄ませろ……。い……いやがった……!バ……バカな……あんなところから……!スナイパーが狙える距離じゃねえぞ!?こちらシザーチームのマットだ!!ジェイコブ!お前の部隊の兵を数名ポイントD316に向かわせろ!ネズミが潜んでいる!なんとしても仕留めろ!相手は手練れだ。精鋭を送れ!いいな!……なんてこった……!常識外れだぜ……!この野郎!」
異常な距離からの狙撃に驚愕したマット隊長は、急いで無線で予備部隊に割り出したポイントに増援を送らせる。高台でスナイパーライフルを構えていたドイルは頭を掻きながら面倒くさそうに言い放つ。
「そらあ敵さんの索敵範囲のギリギリ外から撃ち殺していかねえとスナイパーって呼べねえだろうに……。基本っだつーの……。何をおどろいてるんだか……。ポイント割れちまったなあ。今にわんさかおっかない顔したオッサンどもが押し寄せてくるぞ。カワイコちゃんなら大歓迎だってのに。はあ……めんどくせえ……。マニングス!ポイントを移動する!どーぞ!」
ヴラヴォーチームのマニングスと呼ばれたBDの隊員は無線でドイルに返答する。
「あら?もうか?ドイル坊ちゃんがこんなに早くポイントを割られるのは珍しいな。サポートしようか?」
ドイルがしかめっつらで口を開く。
「うるせー茶化すなよ。次に坊ちゃんつったら殺すぞ?端末に記録してアルファチームに伝達してくれ。こっち(狙撃)に集中したい。俺はまだ殺リ足りない」
「おっかないねえ……。全く敵さんに同情するよ……。お手柔らかに頼むわ……。相手も人間なんでな……。はいはい了解!アルファチームに伝達しとく。せいぜい気楽に狩りを楽しんでこい!どーぞ!」
マニングスが軽口を叩きながら通信を切る。
「あの野郎……。相変わらず口の減らねえ野郎だ……。まあいい……。さてと言われた通り狩りを楽しんでくるか!!」
そういうとドイルはスナイパーライフルを右肩に収納し、ヴァナティック邸から離れた位置にある高台から飛び降り眼にも止まらぬ風のような速さで次の狙撃ポイントを目指し一気に走り抜ける。途中
4~5mほど跳躍して壁に二足で張り付き、そのまま壁を走っていき、ある地点で飛び上がりバク宙して瞬く間に次の狙撃ポイントに陣取りスナイパーライフルを構える。
「こっからじゃ丸見えだぜ!?マヌケども!!くたばりやがれ!!」
ドイルはスナイパーライフルを2発撃ち放つ。
「ぎゃああああああ!!」「ぐおおおおお!!」
どちらの銃弾もBFOBの2名の隊員の頭部に命中し次々に倒れていく。
「絶好調!今日の俺はキレてるぜ!ざまあねえな!俺の狙撃からは貴様らは逃げられないんだよ!!」
ドイルがウインクをしながら得意気に言い放つ。更に戦果を上げる為ライフルに次弾を装填しつつ次なる獲物を狙う。
読んでくださってありがとうございます!3話に続きます!感想お待ちしております。