96.今後10年20年は猫がいるから生きてるだけの人生になる
先月、「86.」にて子猫を4匹保護したと書いた。今でも世話をしている。
これまでの人生で猫のいる環境で生きてはいたが、子猫のうちから世話をするという機会がなかったので色々と思うところがあった。
あったのだが、少し前のニュースで僕のうっすら思ったことが学術的(なのか?)に研究していた方々がいたらしく、補強されたようなネタが被ったような、そんな気分になっている。
「猫にも人間と同じように、サイコパスや発達障害があるのでは?」
そんなことを思ったわけだ。
というのも、同じ母猫から産まれたにも関わらず性格というか思考パターンというか、明らかに行動が違うのが1匹いる。
人間への順応の早さという点、他の猫との協調性という点、新しいアクションを起こす頻度という点、他の猫では見られないリアクションを起こす頻度という点。この4点での比較を鑑みると、どうしても1匹だけ何かおかしい。
思い返してみれば最初の2匹は保護の直後だけが大変だった。
1匹目は最初の2日間ほど移動用の籠にこもってしまっていたが、3日目にはご飯を強請ってお腹を見せて眠っていた。どんな心変わりがあったのかは本人にしかわからない。
2匹目は物置代わりにしている部屋に走り込んで3日間ほど姿を隠してしまい、なんとかケージに移ってもらったが1ヶ月ほどはまったく懐いてくれなかった。その後家の何処かに隠れてしまって1日過ごしてからは、それまでの態度が徐々に軟化していき、とにかく餌を強請りに足に絡みついてきて、今では一番肥えてしまった。僕の知る中での猫らしい猫のイメージ。
3匹目と4匹目は同時に捕獲が出来たのだが、1匹目2匹目と捕獲に時間差があるためか、ちょっと距離がある。主に居る部屋も別にしている。一緒に遊ばせているときは3匹目の子は先の2匹と仲良くしたいらしくちまちまと付いてまわっているが、兄弟だというのも忘れているのだろう。
問題なのが4匹目の子だ。
他の3匹に比べると行動がまだ幼い感じはする。動くものをみると突撃するし、テーブルの上のものは落としてまわるし、何を思ってかカーテンによじ登って降りて満足してるし、トイレの度に興奮状態で駆け出すし。他の子らは少し落ち着きを得つつある。他の子も興奮状態になるとカーテンを破ったり、たたんである洗濯物をごちゃごちゃにしたり、積んであった雑誌やら冊子やらチラシやらを床にぶちまけたりしてくれてはいるが。もはや片す気も失せた。
他の3匹がご飯の時間で一緒に行動しようと動いていても、我関せずというか無関心というか気が付いてないのか、独りで走り出して服のヒモやら落としている洗濯ばさみやらに飛びかかって遊んでいたりする。他の子が目の前で遊んでいても「自分は気分じゃないんで」という態度で全然動かなかったりもする。
最初の2匹が先住猫にあたるのだが、4匹目はそういったことを無視して先住猫にリスペクトの欠片もなく通り魔的に飛び掛かっていく。自分の方が小柄なのに追い回したりもする。飼い猫には住み始めた順序が序列のようなものがあるとネットで見たのだが、この子には完全にそういった感じがない。
何より一番驚いたのは、この4匹目の子は「人間の顔色をうかがう」という様子を多々見かけられることだ。人の顔を見つめている時間が長いのもこの子だろう。
他の猫が何かアクションを取り人間がリアクションをする、という一連の流れを観察し、それが有用であれば吸収して模倣し、ダメであれば真似をしない。3匹目が何を注意されて褒められているのかをよく見ている。この4匹目は子猫らの中でもっとも容姿がかわいらしいことも自覚している。どうすれば人間が褒めたり、歓んだりするのかもきっと理解している。
1匹目と3匹目は引き戸を開けることを覚えて、どこに餌が置かれていて水飲み場があるのかを学習したが、そうした行動は猫自身の都合によって動いているだけでこちらの状況はおかまいなしに行う。
4匹目は小柄で引き戸も開けられないし、未だに何が何処にあるか等は理解していないようだが、人間側が動きたくなるようなアクション──かわいらしいポーズやら触られると慌てるところを引っ掻いたり崩したりするやら──を取ってくる。こちらが動かなければ、ただじっと待って様子をうかがっており、隙を見せたときにだけ鳴き声をあげてくる。
前者は野良の中で生きていれば役に立つサバイバル能力に寄るもので、後者は家猫として飼い主側の視点からみたら「良い子」の能力だ。優劣ではなく、持っている能力なんて環境によって有用かどうかは変わってしまう。これは人間でも猫でも同じなんだなと思ったりなんだり。




