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86.保護猫(その辺の雑種ではなく血統をブリーダーが「譲渡」)とかいう謎の存在を知った


 今年の春頃に実家の庭で野良猫が仔猫を数匹産んでいた。

 それ以来、庭では野良猫がときおり出現してははしゃいでいることとなっていた。

 産まれたてで何も問題がなく過ごせていた間はよかった。


 いつ頃からか母猫は仔猫たちを置きっぱなしでどこかに消えてしまっていた。野良猫なのでまあそんなもんなのだろうと。


 紆余曲折あり、現在進行中につき仔細は省くが、簡単に言うといくつかの理由が重なって、母猫に捨てられた野良仔猫を保護する必要が出てきてしまった。

 条例や法律や判例を調べていないので実のところはわからないが、所有権を持つ土地内で誕生した野良猫の行動やその影響は、産まれた土地の所有者の責任になると。(そう言っている家族がいたものでここではそういうことにしておいてほしい。わりとすぐにそうでもないことがわかった)

 猫嫌いな方なら察する、推察できるようなことが、まあ、何かあったと。


 そんなわけで保護した子猫4匹の世話をすることになった。

 保護する際には役所の方にも相談しお力を借りた。酷暑の中で足を運んでいただき大変ありがたかったです(この際に、野良猫が庭に入り込んで産まれてたからって土地所有者のせいではないと思いますが立派ですね的なお話しをした。したが、庭付き一軒家への妬みというのを考慮するとまあ、そこはね、と)。「公務員」としては色々言われるのに、きちんとお仕事をしてくださる方々は本当に立派な方たちですわ。


 一応これでも、実家は───というより僕の育ってきた環境は、僕が猫アレルギーで喘息持ちで、猫に触れるだけで肌が赤く腫れるし、アレルギー性鼻炎による慢性的な頭痛が起きるし、猫の抜け毛なんかで簡単に鼻水が止まらなくなり呼吸が苦しくなって咳が止まらなくなるような、そんな環境で僕は育ってきた。

 その甲斐あってか、中年の今では多少の猫の影響では呼吸が苦しくなることはない。撫でたりすると手が赤くなる程度。引っかかれると他の人より治るのが遅いくらい。あととても赤く腫れる。ついでに慢性的な頭痛と鼻炎は復活した。


 実家にいた猫というのは仔猫ではなく成猫であって仔猫ではなかった。野良猫が勝手に家に入るようになって、他の野良猫を連れてきて、それで勝手に住んでいたような状況だ。入り浸り猫に母屋使われる話。

 入り浸りから20年以上かけて老衰するまで生きてくれた連中なのでこれを書いていてちょっと懐かしい。僕の半生は猫と過ごしていた。

 一言にすれば「猫と暮らしてはいたけど仔猫を育てるという経験はなかった」。


 で。


 世話をし始めて2、3カ月になる。


 これはもう大変に面倒だなと。そんな感想しかない。生活リズムがおかしくなる。おかしくなるというか、もうおかしくなってどうしようもない。ぐっすり眠る時間も、酒に酔ってる時間もない。

 そしてお金もかかる。これを書くために簡単に計算しただけで月にウン万円ほどの計算となった。ケージの準備もあるし、餌代とトイレ代はかかり続けるし。そりゃ飲んでる酒のグレードは下がるし、体重も一カ月半で53から47に減るわ。

 ちゅーかなんなのあの動物の医療費。野良猫(雑種)と知れば小馬鹿にするようなのが獣医なのに。1匹の診察でSwitch2がソフト付で買えちゃうじゃん。


 動物の世話でこれだけ疲労するのだから、人間の赤子を何人もこなしてこれたような人はバイタリティの化け物だろう。本当にすごい。家の中で家族の面倒を見るより外で仕事をしていたほうが楽だと、昭和平成の時代に社会で働きその辺の男性より稼いでいた女性の方が言っていたことがある。そんなことを思い出した。

 この面倒さは昔と違って半野良のような飼い方は許されていないことが大部分を占めると思う。かつての半野良で猫が自由に生きていられた時代は良かった。人間も今より不自由さと自由を両立できていたと思う。



 そんな感じなので、早いところ保護した子猫の引き取り手を見つけられないと僕がどうにかなってしまうなと思いながら生きてる今日この頃。


 猫に限らず何かを飼いたいわけではない。保護しているだけだ。

 というか、昔飼っていた猫との死別を味わってからもう二度と何かと一緒にいたくないと思って生きてた。自分は大事なものがあるとダメだと。失ったときの喪失感に耐えられるほどじゃないなと。なら最初から持たなければいい。そうやって人のことも離れたところに置くようにしてきた。これからもそうする。



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