20.すべてがテンプレになるエッセイ
ここ1、2カ月でいわゆる「なろうテンプレ」について物申すエッセイが増えた。
次は「「なろうテンプレについて物申すテンプレエッセイ」について一言」みたいなエッセイが増えるだろう。そして次は反対意見が出て、次はそれを不満に持ったエッセイが出て……と飽きる(飽きられる)まで続けられる。
ラディカルな物言いのエッセイが急激に増えたのは、「それを書けば読んでもらえる」と期待できたからだろうか。
傍からみると批判対象にされがちな「読んでもらうために異世界を書く」ということとさほど違いはないように思えるが、「テンプレ好き読者を嫌いな人」からは賛同の声が集まるようだ。ちょっと複雑な感情のようで僕にはよくわからなかった。
僕がエッセイを見始めてからしばらくたつが、そうした苦言を呈す様なエッセイは以前から結構存在していたと思う。
現在ランキングにあるものより知的な書き方をしている方もいる。けれど流行の時期でなかったからなのか、タグ(キーワード)が主流と違うからなのか、あまり目立ってはいないようだったが。
それだけエッセイは読まれていなかった、あるいは一部にしか関心が持たれていなかったということだろう。
書籍でもエッセイは売れない部類だと書いていた大御所作家さんもいるくらいだし、誰とも知らない人間のエッセイは興味を持たれにくいのだろう(ノンフィク系漫画エッセイは違うのかもしれない)。
幾つか見て回ったが、なろうで読まれるエッセイも扇情的なタイトルであるほうが読まれ易い傾向にあるようだ。
異世界テンプレと同じだ。タイトルで関心を持たせなければ読まれない。
そしてエッセイは異世界テンプレよりもタイトル付けを安易にできる。
2chのスレタイやゴシップに用いられる手法と同様に、煽って釣ればいいだけだ。
効果があるのかどうかは、エッセイランキングを見ればわかると思う。
誰かを悪人にする、あるいは何かを問題だとするタイトルを付ければ、賛同する人はそれだけで感情が満たされるし、反対の人もタイトルが気に食わないと感じて目を通さずにいられなくなる。
これが小説よりも気楽に書けて自分の声を簡単に聞いてもらえる手段だ。深くは考えず、SNSで呟くのと似た様な感じでやっているのかもしれない。
その後は作者のスタンスにかかっている。
あまり上品ではないし、他を下げて自分の好きなものを上げるみたいな行為は、「なろうテンプレ」の中でだけでいいかなと。




