18.言葉を尽くしても尽くさなくても、相手が話を聞いてない場合もある
ラノベ新人賞の多くは「あらすじ800文字」が応募規定にある。
要点とテーマを強調しつつ、最初から最後までの話を800文字にまとめろと。
この800文字だけで面白い話になるかどうかを判断できる人もいるらしい。読後に面白いと感じたかどうかは別として。
梗概が面白ければそれだけで期待は高まる。
事前の期待というのは「自発的に発見したもの」と「他者を介してのもの」がある。
この「自発的」に面白いと思ったものに対しては見る目が甘くなりやすい。
逆に他者から面白いと紹介されたもの、他人が面白いと評価しているものに対しては、その目は厳しくなりやすい。
これは個々の気質によって差異はあるが、防衛反応(防衛機制)の一種として人間には備えられている。
過剰な宣伝やファンの声に反したくなる心理と似たようなものだと思う。似ているだけで同じではないだろう。
自分で見つける「面白い」は文字数とさほど関係がない。
どれだけ文字数が少なかろうが「面白さ」や「佳さ」を見つけられる人には見つけられる。
それを見つけられるか、見つけられないかは、個々の持つ能力と偏見次第だ。仕事であるとここに「売れるかどうか」という視点が求められる。
見つけた「面白さ」が「小説」としてであれ、「ラノベ」としてであれ、または「一発ギャグ」としてであれ、「面白さ」を見つけられない人よりも、自分を楽しませてあげられるのだろうな、と思う。
名作などでは「最初の1文で名作とわかる」というようなことまで言われたりもする。名作として扱われる前からなのか、扱われるようになってからなのかは知らないが。
佳さが伝わる人には簡単に伝わり、けれど伝わらない人にはどうしても伝わらない。