はじまり
西暦2085年(皇歴2740年)春。
富士山が噴火した。21世紀に入って二度目の噴火だった。
二度目とはいえ決して馴れた天災では無かったが、それは一度目と違った。
それは天災などではなかった。
富士山の火口から這い出たのほ熔岩だけでは無かった。
現れたのは。
現れたのは――。
その日。
五臣 明日は東京都心に居た。
バイクに跨がり、ビルの外壁に付けられた巨大な液晶テレビに釘付けとなった。
誰もが歩みを止め固唾を飲んで、流れている映像を見ていた。
その映像は勿論『富士山噴火』を映しており、軍が国民の救助に出たと伝えていた。
レポーターの表情は悲痛で、恐怖に染まっていた。彼は懸命にレポートをしながらも、飛んでくる火山弾に直撃しないようにと怯えていた。
映像内の空に黒い影が映る。
火口から飛び出したと思われるソレは、何故か、テレビクルーを目掛けて飛んでくる。
映像が振れて、レポーターが(カメラマンに何事か言われたのたろう)振り向き――一瞬の内に彼は消えた。
映像が上下に激しく揺れる。画面を黒い影が覆う。カメラマンのと思われる悲鳴は唐突に止み、黒い影もゆっくりと離れていった。
映像はしっかり固定され、レポーターの代わりに現れたのは、黒髪黒目の巨躯の若い男だった。
「我が名はソードグレイブアークハイド。貴様らに滅びを与える者なり」
―― 現れたのは、魔物の軍団だった。
そして、それは。
日本にとって悪夢の『はじまり』にでしか過ぎなかった。
近未来ということで、世界情勢とか自衛隊とか出てくる訳ですが……全く解りません!!
イメージで行くと思います。
超、亀更新です。
ごめんなさい、そして、よろしくお願いします。