ぬこ日和
「モフれーーー!」
私はシャケ入りまんまで誘き出したぬこ(ネコではない! ここ重要!)に全力で突撃した。
「う、わぁあああ!」
ぬこが怯え、逃げ出そうとする。
けれど、私は逃がさない。
「ぐへへ、もふもふさせろ〜」
「怖いお姉さんがいるーー!!?」
ぬこはシッポをピンと立てて威嚇する。
「私に見つかったのが運の尽きよ……にゃおー」
私はぬこを全力でハグすると、ハグしたまま地面を転がった。
そして数十分後。
「ぬこ可愛いよ。ぬこ可愛いよ……ぬこ可愛い……」
ブツブツとぬこを撫でながらつぶやく怪しい人が現れる事案発生。
拘束がゆるくなったことに気付いたぬこが、にゃあと可愛く泣きながら私の顔をゆるくパンチしてきた。
私にはこう聴こえる。
「い、今だ! ぬこパンチ!」
ぐへへ。
可愛いなあ。
「もふもふさせろ〜このやろー!」
もふもふ。
もふもふもふもふ。
もふもふもふもふもふもふ。
「は、はっくしょん!」
あ、鼻水。
え!?
まさかぬこアレルギー?
まさかね。
「お姉さんが呆然としている間に……」
ぬこはスルリと私から逃げて行く。
だが。
「シッポが……!?」
ぬこのシッポを私はしっかりと掴んでいた。
「お風呂、マタタビ、猫じゃらし、お姉さんと、楽しいこと……はっくしょーん!!」
「大丈夫?」
ぬこが心配そうに聞く。
「大丈夫じゃないな……」
私は軽く火照りながら、にへらと笑った。
「だからさ。モフらせて?」
結局、風邪で寝込みました。
それからもふもふしたぬこと仲良くなったのは別の話。