試験 ーBATTLE ROYALー
俺は、あくまでとある一つの目的のためにこの学校に入ってきている。
今ここでわざわざ俺の目的とは何なのかを言うつもりはないが、おそらくこの学校でなければその目的を達成することができないと思っている。
別にこの学校以外でもその目的を達成できるのであればわざわざこんな学校に通おうなんてイカれたことをしようなんていう気持ちはみじんもないといっても過言ではない。
だが、案外このような思考を持っている人間はこの国には、少なくともこの学園に入ってくるような人間たちの中にはほぼほぼいなさそうというのが今現在この学園に入ってきた俺の見解である。
この学園は、かなりの人数の生徒を入れることができるようである。
事実この学園には一学年に約300人を超える生徒が、いる。
この学園の入学方法は、基本的には試験のようなものではなく推薦による入学がほとんどである。
俺もそういう風に推薦であればよかったのだが、やはり俺には推薦なんて来ることもなく。
かなりの少数派である試験からの入学となっている。
試験の内容もさすが実力至上主義を謳っているだけのことはあって、もちろん筆記のものもあったがそれはほぼおまけのようなものであり、実際のところは説明にも何にも書かれていなったが急にバトルロイヤルをさせられてしまった。
俺はどうにか、本当にたまたま生き残ることができたのでその試験の枠に生き残ることができた。
この試験でのバトルロイヤルというものは、最後の一人に生き残った試験者だけが合格というわけではなく、最後の10人に残った試験者が合格というシステムだった。
最後の10人といえば簡単に聞こえるかもしれないが、試験のために作られた仮想の住宅街のような場所(大体1キロ平方メートルくらいだったような気がする)でだいたい1000人を超える試験者たちと戦うことになったのである。
もともと筆記試験の段階では約400万人ーーすなわちこの国に存在するほぼすべての対象年齢の人間ーー学生が受験をしていたようだが、そのうちのほぼすべては筆記で落ちてしまったらしい。
俺はなぜか山勘があたったという運の良さを見せた、もう少し言えばかなり勉強を頑張ったからなのか筆記を通ることができた。
これだけ多くの数の試験者が不合格となっているのだからさぞかし試験の問題も難しかったのかといえば実はそういうわけでもない。
筆記試験では基本五教科のほかに、戦術問題というものもあるのだがそれは少し頭を柔らかくすれば解けるようなものばかりであった。
基本五教科の筆記試験では、8割方は基本問題のようなものばかりでありそれどころか基本問題にもおとるようなものばかりであり、単語などを聞いて来るだけなのであった。
だがどの教科にも最後の2割……最後の4問のレベルは高く表現は難しいが応用問題の応用問題というのが一番近い表現であった。
そんな問題を俺が解けた理由は、俺が頭がいいからとかではなく、シンプルなものでありたまたまその数日前同じような問題をとある場所で思い出しその問題の解き方を勉強したから、それだけである。
ちなみにだが筆記試験は当日400万人が同じ場所に集まれるわけもなく、各々の学校で行われているものである。
それではカンニングなどをしてしまうものがいると思うかもしれないが、そこはこの学園のことだから相当な対策をしていた。
例を挙げると、試験をその教室を貸し切りにして一人だけでその試験を行うのである。
当然一日ですべての生徒の試験が終わるわけもなく、数日に分けて受けることになっている。
また、有利不利が起こらないようにテスト範囲がメールで送信されてから30日後に試験が行われる日程となっている。
例えばの話にはなるが、ある友達関係にいる二人がいるとして、その二人のうちどちらかが先に試験範囲の情報を入手したとしよう。
もしその片方がもう片方に情報を伝えたとしてもそれは不正にはならないようである。
そのような人物と友人関係になったという運も実力といえるというのが学園の方針らしい。
いろいろ言っていたが結局のところ合格といわれる点数に到達すればとにかくオッケーというのがこの学校の方針のようである。
そしてここからは筆記試験の後、すなわちバトルロイヤルで起こったことの話をしよう。
◇◇◇◇◇
「なんとか合格することができたみたいだな。」
国立完全実力至上主義学園の筆記試験を終えてからある程度経ったあと、俺の家に届いた封筒の中身を見た俺は、そうつぶやいていた。
ちなみに封筒の中に入っている紙には。
『合格』の二文字が大きく書かれており、その下には「今後の最終試験にかかわることが書かれている極秘のサイトに飛ぶことができます。」とかかれているQRコードが記されていた。
怖いことにその下にはこんな注意書きがされていた。
※この《合格封筒》はすべての合格者のもとに全く同じ時間に配られております。
そのため、今後二時間以内にこのQRコードを読み取られない場合は即座にこのQRコードは効力を失うことになり、最終試験を受けることができなくなってしまうのでなるべくお早めに確認することを推奨しております。
もしこれを読んでいなかったら俺はせっかく筆記試験を突破したというのに最終試験を受けれずじまいだった可能性があった。
怖いものである。
善は急げなので、俺はすぐさま自分のスマホを取り出し、そのQRコードを読み取った。
そうしてとんだページにはこう書かれていた。
〚最終試験についてのご連絡〛
まずは本学園の筆記試験に合格されたことに素直に称賛を。
ですがあくまでこれは通過点となっていますので、この筆記試験に合格された皆様には最終試験での活躍を大きく期待しております。
最終試験は、今回実施させていただいたような筆記試験ではなくこちらが指定する場所にお越ししていただく必要があります。
3月13日午前8時に×××港にお越しください。
荷物などは特にいらないので手ぶらでお越しください。
もし何かを持ってこられる場合は、試験時にはすべて没収いたします。
そこにお越しいただければすぐにわかっていただけると思います。
それでは、試験当日のご健闘を期待しております。
国立完全実力至上主義学園校長より
これを読んでみたおれは、まず最初にこう思った。
少し前にやっていた筆記試験、これはあくまで本当に最低限の知能があるか否か、それを確かめるためだけにあったものだったんだろうなと。
言葉だけで言えば確かに称賛という単語こそあったが、はっきり言ってそのような思いは微塵も感じられないような文面であった。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
3月13日ということは明後日か。
×××港か、確かにそこなら人目につかずにいろいろできるだろうから試験には適しているということなのだろうか。
俺はその港がどこにあるのかを確認するために一応ネットで検索をかけてみた。
すると、その港は俺の知識通りに海沿いにある山の中でも道路などがないような場所となっていた。
普通に場所としてはここからそう遠くはない場所であったので明後日、行くとしようか。
そうして俺は、3月13日の午前7時30分に指定された場所に来ていた。
そこにはかなり多くの人ーー試験者が来ておりざっと500人くらい来ていた。
とりあえず俺は、会話をするような人もいないので少し後ろのほうに行ってそこで座って待つことにしていた。
それからも続々と人はこの場所に流れ込んできており、時間が8時になるころにはおおよそ先ほどの2倍すなわち1000人ほどの試験者がこの場所に来ていた。
この場所に来ればわかると思いますと、あの学校から送られてきたメールには書かれていたがまさにその通りであった。
港には本来このような港とは縁もなさそうな豪華客船のような船があり、それでどこかに行くことになりそこで試験が行われることになるのだろうとここに来た人たちならその程度の想像はできているのだろう。
そしてどこから鳴ったのかはわからないが。
「時間となりました。それでは試験者の皆様はこの船に乗ってください。試験についてはこの中で話させていただきます。」
というアナウンスがこの港に響き渡ったので俺たち試験者は目のまえにあるその豪華客船に乗り込んでいくのだった。
そして船の中に入った俺たちはまず自分の個室のカギを渡されることになった。
それがあの人数分あるだろうと思った俺は、正直言って試験程度に1000人程度が乗れる船を動かすのはさすがに大がかりすぎるだろうと思った。
そして俺が部屋に入ってある程度した後、この船にいる試験者たちが全員部屋に入ったタイミングだったのかは定かではないが。
もう一度アナウンスが入った。
「皆様、ようこそお越しくださいました。今、この船は目的の場所へと向かっております。その場所につくまでだいたいあと1時間程度かかるのでそれまでの間自由にしていてください。1時間後にこちらから再度アナウンスをするのでその時には自室にいてください。」
まあつまりは自由にしてろということなのだろう。
部屋の中で黙っていても暇だった俺は、とりあえずこの船に入る前から見ていてあることを確認した船のデッキ部分のほうに行くことにした。
俺とある程度似通った思考を持つ人が多かったのか、俺と同じように船のデッキ部分に来ている人は少なくはなかった。
周りの景色というものは特にいうこともなくあたり一面が海となっており、しいて言えば出発してきた方向に港がかろうじて見えるくらいである。
とりあえず近くの椅子の部分に座ってみたのだが。
「こういうのまで用意されているのか。」
座った場所のテーブルには、何かのメニュー表のようなものがあり、手に取って開いてみたところドリンクバーにあるようなものであり、多種多様な飲み物が注文できるようになっていた。
一時間特にやることもない俺は、アイスコーヒーを頼んでそこに座って海を眺め続けることにした。
それから大体50分近くたったころだろうか、海しか眺めるもののなかった景色についに変化が表れ始めた。
目を凝らしてよく見てみるとそれは島のようなものでありーーーー
「そろそろこの船が出港してから1時間がたちます。自室にいない方々は速やかに自室にお戻りください。本格的な試験の解説が始まります。」
というアナウンスとともに俺の海上の景色観察は終わりを告げるのだった。
この船の部屋の中にはテレビが備え付けられており、そこからさまざまなアプリを使用することができるようになっていた。
人によってはこのテレビを使ってこの1時間を過ごしたものもいるかもしれない。
そして、もう一度がアナウンスが鳴り。
「出港より1時間が経過いたしました。テレビに注目してください。」
という風に指示されたので俺は指示通りに自分の部屋の中にあるテレビに目を向けた。
すると、ブゥンという音とともにテレビの電源が急にオンになり、その画面に何やらよくわからないものが映し出されていた。
そして最終試験の説明が始まった。
「これより最終試験についての説明を行います。最終試験は画面に映っているこの『仮想住宅街』にて行われるものとなります。」
なるほど、この画面に映っているよくわからない地図のようなものがこれから行われる最終試験の会場というわけか。
確かにその画面に映っているものを地図としてみたときにそれはまさに住宅街と呼べるような場所となっていた。
特にすごくでかい広場のようなものすらそこには存在せずただただ住宅だけが広がっている場所となっていた。
「試験内容は戦いあい、生き残ってもらうことです。すなわちバトルロイヤルとでもいったところでしょうか。それを皆さんが最後の10人になるまで続けてもらいます。」
そうやってテレビから発せられる機械的な無機質な音声が、最終試験の内容を淡々と告げた。
それにしてもバトルロイヤル、か。
これはまた急な試験内容である。
おそらくこの船に乗っている人たちはこんなこと想像もできなかっただろうな。
「これより、最終試験『バトルロイヤル』のルール説明や細かい説明を行います。」
「まず、この試験会場すなわち『仮想住宅街』だが、この会場は縦1000メートル、横1000メートルの1キロ平方メートルの土地である。よく想像できないという試験者のために具体的な例をひとつあげるとするならば学校の校庭役100個分とでもいったところだろうか。」
この『仮想住宅街』は、学校の校庭100個分の広さということか。
でもそこまで広いのだとしたら最悪どこかに隠れ続けていたら見つかることはないのではないかと考えている人は多いだろう。
だが、その発想は次のアナウンスのルール説明であっさりと砕かれることとなる。
「そしてこの敷地の中でバトルロイヤルをする諸君に課せられるようになるルールだが以下のとおりである。・最後の10人になるまで続く。・脱落したものの中で討伐数が最も多いものも合格とする。・『仮想住宅街』は10分ごとにエリアが縦100メートル、横100メートルずつ狭まっていく。(1000メートル、1000メートル→900メートル、900メートルという具合に。)・試験者はすべてこちらから支給される支給服を着用して試験に参加するものとする。・学校からは支給品が支給服とともに出される。・支給品とはナイフ(殺傷能力はない)、ピストル(殺傷能力はない)、水500ml、簡易食糧、インクである。・仮にエリアが縮小を続け縦0メートル、横0メートルになった場合、再度縦500メートル、横500メートルから試験を再開し、一度試験者は『仮想住宅街』から出てもらいもう一度試験を始める。・自分のインクがもし自分の支給服についたとしても試験失格にはならない。・他人の支給品の強奪は可能だが、他人の支給服の強奪は禁ずる。・他人からインクを強奪した場合もしそのインクが自分の支給服に触れると失格になる。・ピストルの弾丸、またはナイフにインクををつけ、ほかの試験者の支給服にインクをつけることによってほかの試験者を失格にすることができる。・また支給服には特別なセンサーが施されていることにより、事故によってインクが付くことによる失格は起こりえない。・人を殺すことを禁ず。(ルール違反をしたものは自動で失格となる。)・試験中に試験会場から出た場合その瞬間に失格となる。・エリアが縮小する際にもしその縮小したエリア外に試験者がいた場合失格となる。以上だ。」
そうしてこの試験のルール説明が終わることとなった。
つまり支給されるピストルまたはインクが塗られたナイフでほかの試験者たちを脱落させつつ最後の10人にまで生き残るというのが今回の試験の簡単な流れとなるだろう。
だが、この手の試験ーーいや、ここからはゲームといわせてもらおう。
この手のゲームは基本的に俺は隠れながら生き残っていくタイプなのだが。
「このルール、・『仮想住宅街』は10分ごとにエリアが縦100メートル、横100メートルずつ狭まっていく。(1000メートル、1000メートル→900メートル、900メートルという具合に。)、がかなり邪魔してくるな。」
このルールが存在するせいで俺がいつもしている気配を隠してその場にい続けるというハイドムーブが不可能になってしまう。
それなら最初から中央を陣取ればいいという意見があるかもしれないがこのゲームの特性上時間がたてばたつほど中央に人が集まっていくのだから最初から中央を陣取りそこでハイドムーブをするのはあまり的策といえるものではないだろうな。
「試験のルールはこのテレビが置かれている棚の引き出しの中で紙のものとしても記載されている。もし今試験のルールを再確認したいようであればもう一度確認すればいい。この30分後にこの最終試験をおこなう。それでは健闘を期待する。」
俺は、とりあえずこの試験のルールについてもう少し理解を深めたいと思ったので、棚の引き出しからゲームのルール用紙を取り出してルールを確認し続けていた。
それから30分がたち、とうとう俺たち試験者はこの豪華客船から試験会場ーーすなわち『仮想住宅街』が存在する島へ降ろされてしまうのだった。
「それにしてもこの島、本当に不自然だよな。」
これは本当に単なる独り言であり、とくに誰かに話しかけようとした意図なんてものはひとかけらも存在していなかったのだが。
「君はどこが不自然だと思ったんだい?」
そんな鈴を転がすような声が聞こえてきた。
きれいな碧い瞳に、美しい金髪をすらっと流したロングヘア、起伏に富んだ体つきに整った顔立ちはっきり言ってとても中学3年生の女性には見えないようなものである。
普通に考えれば思わずひとめぼれしてしまうような美少女であるのだが、あいにく俺は超一途な男なので急にこんな美少女が表れたとしても揺さぶられたりはしない。
「答える必要を感じないのだが、どうすればいいと思う。」
「君が答えてくれないとこの試験で僕が集中できずに脱落してしまうかもしれないね。」
「それならなおさらこの質問に答えない。それどころか特に理由がなかったのにわざわざ答えないための理由をくれてどうもありがとうって感じなのだが。」
「あ、それもそうだね。なら、僕はこの試験で君だけを狙って全力で君を失格させるために動くことになるのだけど。」
もしかしてこの一人称僕の美少女ーーかなりあほなのではないのだろうか。
「それならわざわざ目立ってくれるおかげで早々に失格することになり、俺にとって間違いのない利益が入ることになるな。」
「~~~~~~………。」
おっとまずいな、かなり困られせてしまったようである、少し涙目である。
それにしても何で俺のどうでもいいつぶやきの一つのためにこんなに全力になれるのだろうか?
俺からしたら不思議で仕方がないものである。
少しからからかいすぎてしまったな、と反省しながら。
「この『仮想住宅街』のある島についてだ。」
「結局答えてくれるのだね、君の今までの態度的に答えてくれないものだと思っていただけにいがいだったよ。なぜ、『仮想住宅街』のある島について疑問を持ったんだい?」
「そこまで答える義理は本当にないと思うからやめておく。」
これ以上喋る必要性をまるで感じないのでそれ以上の言葉は胸にしまっておくことにした。
すると目の前の美少女は「それもそうだね。」とうなずきながら。
「質問に答えてくれたお礼に一つだけ教えてあげよう。」
「なにを、だ。」
正直なところこの少女がこのゲームについての何かを知っているような存在にはとても見えないのだが、一応万が一というものがこの世には存在するので聞いてみることにした。
「僕の名前を、だよ。」
「………。」
唖然としてしまった。
俺の意味の分からないつぶやきに対して異常な執着を見せるだけで俺の中ではかなりやばい奴というイメージが定着していたのだが。
そのお礼に何かするといい始めてなんだろうと聞く意思を示してみればこの様子である。
はっきり言って意味が分からない。
まあここで話の腰を折るようなことをしても面倒くさいだけだと思った俺は。
「なんて、言うんだ?」
と、俺がこの美少女の質問をこたえたことによる報酬をおとなしくもらうことにした。
「僕の名前は、佐野木 弐羽。気安く弐羽と呼んでほしいな。」
そういってこの美少女ーー佐野木 弐羽は俺に名乗ってきたのだった。
試験会場に向かいながらしゃべって歩いていると。
試験会場と思われる場所にたどり着くことに成功した。
「それでは、これよりくじを引いてもらいます。そのくじの番号が書かれている場所からこの『仮想住宅街』に指示をされたら入ってきてください。くじを引いてもらった後で、こちらから先ほどルールを説明した時に言った支給服、支給品を提供します。」
そういわれた俺たち試験者はそのくじのあるところにまっすぐに並び順番が来るのを待っていた。
そうして数分たった後くらいであろうか。
俺の順番が回ってきた。
俺がくじを引いてみてみると。
「D-175、か。」
俺が引いたくじにはそう書かれていた。
これが当たりなのか、それとも外れといえるようなものなのかは今の俺が知れるようなことではないのである。
「こちらが支給服、そして支給品一式となっております。あちらの更衣室でお着換えなられてください。その後、そのくじに書かれた番号の入口へと向かってください。」
俺は更衣室に来てこれまで来ていた服を脱ぎ、支給されていた服を着ている。
支給された服は俗にいう自衛隊の迷彩柄の服となっていた。
とてもこの服に特殊なセンサーのようなものがあるようには見えない。
だが、あると言ったらあるのだろうなとそう思うことにした。
支給されているピストル。
これは想像していたものよりずっとリアルなものとなっていた。
もしこの銃を何も知らないただの一般人に持たせてみたら本物の銃だと思って少し騒いでしまうことになるだろうと簡単に想像できるほどである。
だいたい50発程度の瑠璃紺色のピストルの弾丸も同梱されていた。
これがもしほかの試験者にあてたときにインクの役割を果たすものとなるのだろうな。
またナイフはゴム製のものとなっていた。
確かにこれなら殺傷能力は微塵もなさそうだし、全力で振っても問題なさそうだな。
そしてこのナイフにも支給されたピストルと同様に、少し深い青色のような瑠璃紺色のインクが付着していた。
おそらくこのナイフを入れるこの鞘の中にインクが入っているのだろう。
水500mlは本当にそのまま水500mlであった。
簡易食糧というものはおにぎりであった。
正直言ってバトルロイヤルに適した食糧だとは俺は思えなかった。
そんなこんなで支給服にそでを通した俺は先ほどくじを引いたときに書かれていた番号、D-175と書かれている場所を目指しして進んでいくのだった。
支給服は思いのほか動きやすい、それどころか今まで着てきた服の中で最も動きやすいといっても過言ではないと思えるほどだ。
少し横の試験者を見てみると少しふるえているようであった。
まあ無理もない、この試験に受からなければせっかく筆記試験まで合格したというのに、これまでどれだけ努力しているのか知りはしないが、もし仮にかなりの努力をしてきたのであればその努力は一瞬で水泡に帰すことになるのだから。
だが、そんな試験者たちの気持ちもつゆ知らず試験を運営するものは無情にも指示を出す。
「それではこれより試験を始める前の最終説明に入る。もうすでに知っていると思うがその支給された武器を使用してほかの試験者を倒していき、最後の10人になることがこの試験での勝利条件となる。ちなみに試験者を倒すときは殺さなければある程度の暴力をこちらは認めることにしている。他のルールはもう説明する必要がないので省くことにする。この説明が終わったときに君たちにはこの『仮想住宅街』に入って試験を開始してもらう。そして、5分後まではナイフ、ピストルの使用を禁止する。そして5分たったときにはこちらから【試験開始】という音声を『仮想住宅街』に一斉に鳴らすそこからが試験開始だ。これより先はこちら側へ質問を一切受け付けない。最後に試験に失格したものは支給服から電流が流れ、一時的に気絶することになる。だが、安心してくれ。死ぬことはないし、確実に君たちの住居に返すことを約束する。それではこれより、『仮想住宅街』への侵入を許可する。この学校に入りたくば、実力で示せ。」
そしてこの『仮想住宅街』に入るスタート地点にいた試験者たちはいっせいに入り、このゲームが開始したのだった。
とりあえず俺は全速力で走りながら都合の好さそうな住宅を探すことにした。
俺のスタート地点であるD-175はこの『仮想住宅街』は正方形の一番下側に位置している場所である。
また、横にはたくさんのほかの試験者たちの姿を確認しているので俺は直ちに一時的にでもなんでも身を隠すことができる安全な場所を探すことにした。
俺はとりあえず二階建ての家を見つけることに成功した。
俺はとりあえずこの家の二階に隠れることに決めた。
とりあえずこの家の二階のありとあらゆる窓の位置を確認しておくことにした。
いつどこでほかの試験者が来て全力で逃げ出さなければならない時が来るかわからないからな。
もし来たらそこから逃げるのが手っ取り早いだろう。
逃げ道は多く知っていることに越したことはないに違いないだろう。
そしてこの家の中でも道路が見える部屋に入り、身をひそめることにした。
そういえば、だがどのようにしてこの『仮想住宅街』においての100メートルを認識すればいいのだろうか?それが分からなければエリアによって失格になってしまうことになるだろうから。
だが、その疑問も目の前の景色によって証明されることになった。
「建物の色が一定間隔ごとに変わっている……?」
先ほどの豪華客船内のテレビに示されていた地図ではそのようなことはわからなかった、いやわからないように仕組まれていたんだろうな。
だがおそらくそれが100メートル、いやエリアを示すようなものとなっているのだろうな。
今俺がいるのが「緑色の屋根」の住宅街である。
ここに来るまでに「青色の屋根」の住宅街となっていたからとりあえずここで10分は確実に耐久することができそうだ。
そして、そして、そして、そして。
ついにその音が鳴る。
「【試験開始】」
本格的なバトルロイヤルという名の最終試験の始まりを告げる、神の声が。
これから定期試験が始まるので最短で6月18日まではおそらく投稿が停止します。
まじですみません。




