表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第3話 無事、収まるべきところ(※もふもふ)に収まりました♪ ~ 白虎神獣しょんぼり伝説 ~

「ああ、良かったぁ……パイが虎さんに戻ってくれて、本当に良かったぁ……ん~モフモフっ♪ やっぱり最高、このもふもふなしじゃ、もう生きていけないわ~♪」

せぬ……解せぬ。神獣、解せぬぅ……』


 ほくほくの満足顔をもふもふの毛皮に埋める桃花タオファと、しわっしわの大きな虎顔でしょんぼりするパイ

 とはいえ桃花の反応からして、人化したままではどうなっていたことか。変化は自由自在らしく、それはそれで凄まじい能力だが、白としては一先ひとまず助かったというところだろう。


『ううむ、女人にょにんというのは、分からぬ……それはまあ、誰も彼もが男に傾倒する者ばかりとは思わぬが。……いや、そうか、タオファほどの気高き女人ならば、なおさら。そもそも錬丹術という、そこいらの男には成し得ぬ偉業を身に着けた女人だ、そう容易く色に溺れはせぬということか。さすが、白虎神獣の主に相応しき――』


「……むう~……」


『む? ど、どうしたタオファ。何か、気になることでもあるだろうか?』


 縦に幅の広い横腹の()()()()に顔を埋めて呻く主に、虎とはいえ猫科の柔軟さで首を大きく曲げて問う白へと、桃花は答えた。


「パイとお喋りできるのは、なんだか嬉しいし、意思疎通できるのも助かるけれど……最初に出会った頃のパイも、とっても可愛かったのよねえ。まだ一か月と経っていないのに、何だか懐かしく思えて、寂しくなってきちゃうわ……。今のパイは厳格というか、神様らしいというか、何だかエライ雰囲気の喋り方だし……」


『む。そ、それはまあ、我、神獣ゆえな? 信仰、衰えたりとはいえ、名高き四神であるし。実際、エライといえば、そらエライであるし?』


「寂しいなぁ……あの可愛いパイちゃんとは、もう会えないのかなぁ……」


『……い、いやその、我、長生きでもあるし? さすがに良い歳して、誇り高き神獣が子猫のように振る舞うのも、どうかと思う、というか』


「じーっ……」


『いやあの。た、タオファさん? さすがに、その』


「…………」

『…………』


 皆までは言わない桃花だが、ゆえにこそ、無言の圧力が強い。

 だが、白はまさしく白虎神獣。長き時世ときよを渡り、その一身に多大なる信仰を受けたことすらある、四神が一だ。


 神たる獣の、巫山ふざんの如きに雄大なる誇り、何者にも侵せるものか――!


『みゅうみゅう♡』


「パイ、か~わ~い~い~♡」


『良いのだ、これで……これが、最良なのだ。タオファさえ、幸せであれば……我は、それで全て、良いのだっ……!』


 この日、白虎神獣は一人の女性のために、誇りを捨てた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ